この記事のまとめ
- AR・VR・XR開発エンジニアの年収は平均800万円~1500万円と高く、メタバース市場拡大で需要急増中
- Unity・Unreal Engine・WebXRから空間UI設計まで多様なスキルセットが高く評価される
- Meta・Apple・Google・マイクロソフトなど世界的テック企業が積極採用を進めている
- 従来のゲーム開発・3Dグラフィックス経験があれば転職成功率が大幅に向上する
AR・VR・XR技術の普及により、空間コンピューティング分野への転職を検討している技術者が増えています。実は今、この分野は技術者にとって絶好の転職チャンスが訪れているのをご存知でしょうか。
近年、メタバース市場の急激な成長と共に、AR・VR・XR開発エンジニアへの需要が爆発的に増加しています。Apple Vision Proの登場やMeta Quest 3の成功により、空間コンピューティング技術への投資が世界規模で加速しており、専門技術者の獲得競争が激化しているのが現状です。
実際のところ、従来のゲーム開発や3Dグラフィックス経験を持つエンジニアであれば、適切な戦略を立てることで年収1500万円クラスの転職も十分に現実的です。この記事では、AR・VR・XR開発エンジニアが理想のキャリアを実現するための実践的な転職戦略を詳しく解説していきます。
AR・VR・XR開発エンジニアの転職市場が今熱い理由
空間コンピューティング技術への投資が急激に拡大している今、AR・VR・XR開発エンジニアの転職市場は前例のない活況を呈しています。転職を検討している技術者にとって、これほど条件の良いタイミングはなかなかありません。
実は、この分野での転職成功の鍵は「技術トレンドの理解」と「適切なタイミング」にあります。多くのエンジニアがこの二つを見落としているため、絶好のチャンスを逃してしまっているのが現状です。ところで、あなたは現在のメタバース・空間コンピューティング市場の規模をご存知でしょうか。
2024年時点で約8兆円規模となったメタバース市場は、2030年には約100兆円に達すると予測されています。この急激な成長の背景には、Apple Vision ProやMeta Quest 3といった革新的なデバイスの登場があり、企業の投資意欲を大いに刺激しているのです。
世界的テック企業が激しい人材獲得競争を展開
Meta(旧Facebook)が年間約1.5兆円をReality Labsに投資し続けていることは有名ですが、実はApple、Google、マイクロソフト、ByteDanceなども同様の規模で空間コンピューティング分野への投資を拡大しています。
こうした状況下で最も不足しているのが、AR・VR・XR技術に精通した開発エンジニアです。特に日本国内では、この分野の専門技術者が圧倒的に不足しており、企業間での獲得競争が激化しています。そのため、適切なスキルセットを持つエンジニアであれば、従来では考えられなかった高額オファーを受けることも珍しくありません。
実際に私がサポートした転職者の中にも、Unity経験3年程度で年収800万円から1200万円へのアップを実現した方や、Unreal Engine専門スキルを活かして外資系企業で年収1500万円のオファーを獲得した方がいらっしゃいます。
日本国内でのAR・VR・XR技術者の圧倒的な供給不足
国内のAR・VR・XR開発エンジニア数は、現在約3,000人程度と推定されていますが、2025年には約15,000人の需要があると予測されています。つまり、5倍もの人材ギャップが存在しているのです。
この状況は転職を考えている技術者にとって追い風となっています。なぜなら、企業側が「完璧なスキル」よりも「成長ポテンシャル」と「基礎技術力」を重視する傾向が強まっているからです。実際に、Unity経験2年程度でも積極的に採用する企業が増えており、転職成功のハードルは以前より格段に下がっています。
そういえば、先日面談した方も「まさかこんなに企業から声がかかるとは思わなかった」と驚かれていました。従来のゲーム開発経験を持つエンジニアが、適切な転職戦略を立てることで理想的なキャリアチェンジを実現しているケースが本当に多いのです。
Apple Vision Pro効果で企業の採用予算が大幅増加
2024年のApple Vision Pro発売は、単なる新製品リリースを超えて、業界全体のパラダイムシフトを引き起こしました。特に注目すべきは、これまでAR・VR技術に慎重だった企業までもが積極的な投資に転じていることです。
例えば、従来のSIer企業や金融機関、製造業でも「デジタルツイン」や「バーチャルショールーム」といった用途でAR・VR技術の導入が急速に進んでいます。これらの企業は技術者確保のために採用予算を大幅に増額しており、結果として転職希望者にとって非常に有利な条件でのオファーが出やすくなっています。
実は、こうした「非IT系企業」でのAR・VR開発ポジションは、競合が少ない上に給与水準も高く設定されることが多いため、戦略的にねらい目の転職先と言えるでしょう。
AR・VR・XR開発エンジニアが活躍する5つの主要分野
空間コンピューティング技術の進化と共に、AR・VR・XR開発エンジニアが活躍できる分野も大きく広がっています。転職を成功させるためには、自分のスキルセットとキャリア目標に最も適した分野を選択することが重要です。
各分野には独特の技術要件と市場特性があり、求められるスキルレベルや年収水準も大きく異なります。実は、多くの転職希望者が見落としているのは、「どの分野が自分に最も適しているか」という分析です。ここを間違えると、せっかくの高いスキルを持っていても転職に苦戦してしまうことがあります。
ところで、あなたは現在どの分野でのキャリア構築を考えていますか。それぞれの分野の特徴と将来性を詳しく見ていきましょう。
エンターテインメント・ゲーム業界
エンターテインメント業界は、AR・VR・XR技術の最も成熟した応用分野の一つです。VRゲーム、ARフィルター、メタバースプラットフォームなど、消費者向けコンテンツの開発が中心となります。この分野では、高度な3Dグラフィックス技術とユーザーエクスペリエンス設計が特に重要視されます。
この業界の魅力は、創造性と技術力を存分に発揮できることです。Meta Quest 3やApple Vision Pro向けのコンテンツ制作は特に注目され、経験豊富な開発者には年収1000万円以上のオファーも珍しくありません。また、Nintendo、ソニー、カプコンといった日本の大手ゲーム企業も積極的にAR・VR人材を募集しており、安定したキャリア形成が期待できます。
転職成功のカギは、Unity・Unreal Engineでのゲーム開発経験と、VR特有のユーザビリティ理解です。特に「VR酔い」対策や空間UI設計の知識があれば、面接で高く評価されるでしょう。
主要企業と年収レンジ
- Meta(Reality Labs): 年収1200万円~2000万円
- Unity Technologies: 年収800万円~1500万円
- カプコン: 年収600万円~1200万円
- ソニー・インタラクティブエンタテインメント: 年収700万円~1400万円
産業・製造業向けソリューション分野
製造業でのデジタルツイン構築、工場でのAR作業支援、建設現場でのMR活用など、産業用途でのAR・VR・XR技術導入が急速に進んでいます。この分野は技術要求水準が高く、システムの信頼性と精度が最重要視されます。
特に注目すべきは、従来のCAD設計やシミュレーション技術とAR・VR技術を組み合わせた新しいソリューションの需要拡大です。例えば、トヨタ自動車では車両設計プロセスにVR技術を本格導入し、開発期間の大幅短縮を実現しています。
この分野での転職では、Unity・Unreal Engineのスキルに加えて、CADソフトウェアの知識や製造業への理解があると非常に有利になります。また、リアルタイム3Dレンダリングや物理シミュレーションの経験も高く評価されるでしょう。
主要企業と年収レンジ
- 日立製作所: 年収700万円~1300万円
- 三菱重工業: 年収650万円~1200万円
- デンソー: 年収600万円~1100万円
- キーエンス: 年収900万円~1600万円
医療・ヘルスケア分野
医療分野でのAR・VR・XR技術活用は、手術支援、医療教育、リハビリテーション、精神療法など多岐にわたります。特に注目されているのは、外科手術でのAR支援システムと、PTSD治療でのVRセラピーです。
この分野の特徴は、技術的精度と安全性への極めて高い要求です。また、医療機器としての薬事法規制をクリアする必要があるため、開発プロセスも厳格になります。しかし、その分参入障壁が高く、専門性を確立できれば非常に安定したキャリアを築けます。
転職においては、Unity・Unreal Engineの技術力に加えて、医療業界の知識や薬事法の理解があると大きなアドバンテージになります。また、3Dモデリングやボリュームレンダリングの経験も重要視されるでしょう。
主要企業と年収レンジ
- テルモ: 年収650万円~1200万円
- オリンパス: 年収700万円~1300万円
- 富士フイルムメディカル: 年収600万円~1100万円
- ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ: 年収800万円~1400万円
教育・トレーニング分野
教育分野でのVR・AR活用は、従来の学習体験を革新的に変化させています。語学学習でのバーチャル留学体験、歴史学習での遺跡再現、化学実験でのシミュレーションなど、没入型学習コンテンツの需要が急拡大しています。
この分野の魅力は、技術力と教育への貢献が両立できることです。また、文部科学省のGIGAスクール構想の一環として、公的な予算も確保されやすく、安定した事業環境が期待できます。
転職に際しては、Unity・Unreal Engineでのコンテンツ制作経験に加えて、学習理論やインストラクショナルデザインの知識があると非常に有利になります。また、UI/UX設計や多言語対応の経験も重要視されるでしょう。
主要企業と年収レンジ
- ベネッセホールディングス: 年収650万円~1100万円
- リクルート: 年収700万円~1300万円
- NTTコミュニケーションズ: 年収750万円~1250万円
- 富士通: 年収600万円~1200万円
不動産・建築分野
不動産・建築業界でのAR・VR技術導入は、顧客体験の向上と業務効率化の両面で大きな効果を発揮しています。バーチャル内見、建築設計の3Dプレビュー、施工現場でのAR作業支援など、活用範囲は急速に拡大しています。
特に注目すべきは、大手不動産デベロッパーが相次いでVRショールームを開設していることです。三井不動産、三菱地所、住友不動産といった業界トップ企業が積極的に投資を進めており、専門技術者の需要が急激に高まっています。
この分野での転職では、Unity・Unreal Engineの技術力に加えて、建築業界の理解やCADソフトウェアの知識があると大きなアドバンテージになります。また、フォトリアリスティックレンダリングや建築ビジュアライゼーションの経験も高く評価されます。
主要企業と年収レンジ
- 三井不動産: 年収800万円~1400万円
- 三菱地所: 年収750万円~1350万円
- 大和ハウス工業: 年収650万円~1200万円
- 積水ハウス: 年収600万円~1100万円
AR・VR・XR開発エンジニアの年収レンジと転職による収入アップ実例
AR・VR・XR開発エンジニアの年収は、一般的なIT職種と比較して大幅に高く設定されています。この背景には、専門性の高さと圧倒的な人材不足があります。実際に転職市場で提示される年収レンジを見ると、その水準の高さに驚かれるかもしれません。
転職による年収アップの実例を見ると、多くのエンジニアが200万円~500万円の大幅な収入増を実現しています。特に注目すべきは、従来のゲーム開発エンジニアが空間コンピューティング分野に転職することで、年収1000万円台を獲得するケースが急増していることです。
ところで、あなたの現在の年収と比較して、以下の数値はいかがでしょうか。これらは実際の転職成功事例から算出した、リアルな年収レンジです。
経験年数別・年収レンジ詳細分析
経験年数 | Unity/Unreal経験 | 平均年収レンジ | 最高年収事例 |
---|---|---|---|
1-2年 | 基礎レベル | 500万円~750万円 | 900万円 |
3-5年 | 中級レベル | 750万円~1200万円 | 1500万円 |
5-8年 | 上級レベル | 1000万円~1600万円 | 2000万円 |
8年以上 | エキスパート | 1200万円~2000万円 | 2500万円 |
転職による年収アップ成功事例
事例1:ゲーム開発からメタバース企業へ
- 転職前: モバイルゲーム会社でUnityエンジニア(年収650万円)
- 転職後: Meta Japanでメタバース開発エンジニア(年収1400万円)
- 年収アップ: +750万円(+115%)
- 決め手: VR最適化とリアルタイムマルチプレイの知識
事例2:Web系からAR開発への転身
- 転職前: Web系企業でフロントエンドエンジニア(年収480万円)
- 転職後: 製造業でARアプリケーション開発(年収800万円)
- 年収アップ: +320万円(+67%)
- 決め手: 3DグラフィックスとWebGL経験の組み合わせ
事例3:フリーランスから企業への転職
- 転職前: フリーランスでVR案件対応(年収600万円)
- 転職後: Apple Japanで空間コンピューティング開発(年収1800万円)
- 年収アップ: +1200万円(+200%)
- 決め手: Vision Pro対応アプリ開発の実績
AR・VR・XR開発エンジニア転職で必須となる5つのスキルセット
空間コンピューティング分野への転職を成功させるためには、技術スキルだけでなく、この分野特有の知識や経験が重要になります。転職市場で高く評価されるスキルセットを理解し、戦略的に習得していくことが理想のキャリア実現への近道となります。
実は、多くの転職希望者が見落としているのは「技術スキルの優先順位」です。すべてのスキルを均等に伸ばそうとするより、転職市場で特に重視される分野に集中的に投資する方が、効率的に転職成功を実現できます。
ここからは、採用担当者が最も重視する5つのスキルセットと、それぞれの習得方法を詳しく解説していきます。これらを理解することで、あなたの転職活動は格段に有利になるはずです。
1. 3Dゲームエンジン開発スキル(Unity・Unreal Engine)
Unity・Unreal Engineの習熟度は、AR・VR・XR開発エンジニアとして最も重要な基礎スキルです。特に注目すべきは、これらのエンジンでのVR最適化技術です。従来の3Dゲーム開発とは異なり、VR環境では90FPS以上の安定したフレームレートが必須となります。
転職市場では、単にUnityやUnreal Engineを使えるだけでなく、パフォーマンス最適化の実績が重視されます。例えば、ドローコール削減、LOD(Level of Detail)設定、オクルージョンカリング実装などの経験があれば、面接で大きなアドバンテージとなるでしょう。
実際の開発では、VR特有の制約条件下でのプログラミングが求められます。例えば、ユーザーの頭部動作に対する低レイテンシー応答や、VR酔いを防ぐための適切な移動システム設計などです。これらの知識は書籍だけでは習得が困難で、実際のVRプロジェクト経験が不可欠です。
2. 空間UI/UX設計とインタラクション開発
空間コンピューティング環境では、従来の2D画面設計とは根本的に異なるUX設計が求められます。3次元空間でのユーザーインターフェース設計、ジェスチャー操作、視線追跡、音響空間設計など、複合的なスキルが必要となります。
特に転職市場で高く評価されるのは、「VR酔い」対策の知識です。不適切なUI設計はユーザーに強い不快感を与えるため、生理学的な知識に基づいた設計能力が重要視されます。また、アクセシビリティを考慮した空間UI設計の経験があれば、より幅広い企業での活躍が期待できるでしょう。
実践的なスキル習得には、Meta Quest 3やApple Vision Proでのアプリ開発経験が不可欠です。これらのプラットフォームでの開発実績は、転職活動において強力な武器となります。
3. 3Dグラフィックス・レンダリング技術
高品質な3Dグラフィックスの実装は、AR・VR・XRアプリケーションの差別化において決定的な要素です。特にリアルタイムレンダリング技術、シェーダープログラミング、ライティング技術は、転職市場で非常に高く評価されます。
注目すべきは、フォトリアリスティックレンダリングの需要拡大です。不動産業界でのバーチャル内見や製造業でのプロダクトビジュアライゼーションなど、現実と見分けがつかないレベルの3Dグラフィックスが求められています。
また、最適化技術の知識も重要です。限られたハードウェアリソースで高品質なグラフィックスを実現するため、効率的なアルゴリズム実装やGPU最適化の経験があると、面接で大きく差別化できるでしょう。
4. プラットフォーム固有開発技術
各プラットフォームの特性を理解し、最適化されたアプリケーション開発ができることは、転職市場での競争力に直結します。特に以下のプラットフォーム経験は高く評価されます。
Apple Vision Pro(visionOS): 空間コンピューティングの最新プラットフォームとして、開発経験者は極めて希少です。SwiftUIとRealityKitの組み合わせでの開発経験があれば、転職市場で引く手あまたになるでしょう。
Meta Quest(Android ベース): 最も普及しているVRプラットフォームです。Oculus SDK、OpenXR、Handtrackingなどの技術に精通していることが重要です。
WebXR技術: ブラウザベースのAR・VR開発技術です。Three.js、A-Frame、Babylon.jsなどの知識があると、Web系企業への転職で有利になります。
5. AI・機械学習連携技術
AI技術とAR・VR・XR技術の融合は、次世代空間コンピューティングの核心となっています。コンピュータビジョン、自然言語処理、機械学習を活用したインテリジェントなAR・VRアプリケーション開発スキルは、転職市場で極めて高く評価されます。
特に注目されているのは、リアルタイム物体認識、空間マッピング、予測分析を組み合わせたアプリケーション開発です。例えば、製造現場でのAR作業支援システムでは、AIによる品質検査と作業指示を組み合わせることで、大幅な効率化が実現できます。
TensorFlow、PyTorch、OpenCVなどのライブラリを使った経験に加えて、エッジデバイスでのAI推論最適化の知識があれば、転職活動で圧倒的なアドバンテージを得られるでしょう。
AR・VR・XR開発エンジニア転職を成功させる5つの戦略的アプローチ
空間コンピューティング分野への転職は、一般的なIT転職とは異なる戦略が必要です。この分野特有の市場環境と採用トレンドを理解し、効果的なアプローチを取ることが成功の鍵となります。
実際に転職成功を実現した多くのエンジニアが実践している戦略的アプローチを、具体的な行動計画と共に詳しく解説していきます。これらの戦略を実践することで、あなたの転職成功確率は格段に向上するはずです。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
関連記事 IT未経験者必見!IT業界へ転職する際の志望動機は?おすすめ文例もご紹介 未経験からITエンジニアになるには?目指す方法や向いている人の特徴について解説
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
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まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。