ホーム > CompTIA Security+合格ガイド - 未経験から最短で取得する方法

CompTIA Security+合格ガイド - 未経験から最短で取得する方法

セキュリティエンジニアへのキャリアチェンジを考えたとき、最初に取得を検討すべき資格がCompTIA Security+です。世界中で60万人以上が取得しているこの資格は、セキュリティ分野の入口として広く認知されており、取得することで転職市場での評価が一段階上がります。

「IT業界の経験がない自分でも合格できるのだろうか」と不安に思う方もいるかもしれません。実際のところ、Security+は適切な学習計画と正しい勉強法があれば、未経験者でも十分に合格可能な試験です。合格率は非公開ですが、しっかりと準備した受験者の多くが一発合格を果たしています。

この記事では、IT未経験の方がCompTIA Security+に最短ルートで合格するための具体的な学習戦略をお伝えします。試験の全体像から効率的な学習順序、おすすめの教材、そして本番での解答テクニックまで、合格に必要な情報をすべて網羅しています。

CompTIA Security+とはどんな資格なのか

CompTIA Security+は、米国のIT業界団体CompTIAが認定するセキュリティの基礎資格です。ベンダーニュートラル(特定のメーカーに依存しない)という特徴があり、どの企業に転職しても通用する汎用的なセキュリティ知識が身につきます。米国国防総省でもセキュリティ関連の職務に就くための要件として認められており、国際的な信頼性の高さは折り紙付きです。

現在の最新バージョンはSY0-701で、2023年11月にリリースされました。試験の内容は定期的に更新されるため、学習を始める際には必ず最新バージョンの試験目標(Exam Objectives)を確認してください。古いバージョンの教材を使ってしまうと、出題範囲のズレで不合格になるリスクがあります。

試験はピアソンVUEのテストセンターで受験するか、自宅からのオンライン受験を選べます。受験料は約5万円とやや高額ですが、一発合格すれば十分にリターンのある投資です。資格の有効期限は3年で、更新にはCE(Continuing Education)プログラムへの参加が必要になります。

試験の概要と出題範囲

SY0-701の試験は最大90問、制限時間90分で構成されています。問題形式は多肢選択問題とパフォーマンスベース問題(PBQ)の2種類で、合格ラインは750点(900点満点)です。PBQは実際の操作をシミュレーションする問題で、ファイアウォールの設定やログ分析などの実践的なタスクが出題されます。

出題範囲は5つのドメインに分かれています。「一般的なセキュリティ概念」が12%、「脅威、脆弱性、緩和策」が22%、「セキュリティアーキテクチャ」が18%、「セキュリティオペレーション」が28%、「セキュリティプログラム管理とオーバーサイト」が20%という配分です。セキュリティオペレーションの比重が最も大きいため、この分野の学習に多くの時間を割くべきでしょう。

ところで、SY0-701ではゼロトラストやクラウドセキュリティ、AIを活用したセキュリティなど、最新のトレンドが試験範囲に組み込まれています。従来の試験と比べてより実践的な内容にシフトしているため、単なる暗記ではなく概念を深く理解する学習が求められます。

Security+を取得するメリット

Security+を取得することで得られるメリットは、転職活動における直接的なアドバンテージだけにとどまりません。学習過程で身につくセキュリティの体系的な知識は、どのIT職種においても役立つ基盤となります。ネットワークセキュリティ、暗号化、認証、リスク管理といった知識は、開発者やインフラエンジニアにとっても必須の素養です。

転職市場での評価という点では、Security+の保有者は未保有者と比べて書類選考の通過率が明らかに高くなります。特にセキュリティベンダー、SIer、コンサルティングファームでは、Security+を応募要件として明示している求人が多数あります。未経験からセキュリティ業界に入るための「入場券」としての機能を果たしてくれるのです。

給与面でも明確な差が出ます。Security+保有者の平均年収は、同等の経験年数を持つ未保有者と比べて50万~100万円ほど高い傾向があります。資格手当を支給している企業も少なくないため、受験料の投資は比較的早い段階で回収できるでしょう。

未経験者のための学習ロードマップ

IT未経験の方がSecurity+の学習を始める場合、いきなり試験範囲の暗記に取り掛かるのは得策ではありません。セキュリティの概念を理解するためには、ネットワークやOSの基礎知識という土台が必要です。土台がないまま上層の知識を積み上げようとしても、砂上の楼閣のように崩れてしまいます。

ここでは、IT未経験者が効率的にSecurity+合格レベルに到達するための段階的な学習ロードマップをお伝えします。各フェーズの所要期間は目安であり、1日の学習時間や既存の知識レベルによって前後します。大切なのは、焦らずに各段階の理解を確実にしてから先に進むことです。

全体の学習期間は、1日1~2時間の学習で3~4ヶ月が目安です。平日の学習に加えて週末にまとまった時間が取れる方は、2~3ヶ月での合格も十分に射程圏内です。

フェーズ1:基礎知識の構築(2~3週間)

最初の2~3週間は、ネットワークとOSの基礎知識を身につける期間です。具体的には、TCP/IPモデルの各層の役割、IPアドレスとサブネット、DNS・DHCP・HTTPの仕組み、ファイアウォールとルーターの基本概念、WindowsとLinuxの基本的なコマンド操作を理解します。

この段階で完璧を目指す必要はありません。Security+の学習を進める中で、これらの知識は繰り返し登場するため、自然と理解が深まっていきます。重要なのは、「IPアドレスとは何か」「DNSは何のために存在するのか」といった基本的な概念を、他人に説明できるレベルまで理解することです。

おすすめの学習リソースとしては、CompTIA ITF+(IT Fundamentals)の教材が最適です。ITF+の資格を取得する必要はありませんが、この教材はITの基礎を幅広くカバーしており、Security+の前提知識を効率よく身につけられます。無料で利用できるYouTubeのネットワーク入門動画も、視覚的に理解を助けてくれる良い教材です。

フェーズ2:Security+の体系的学習(6~8週間)

基礎知識を身につけたら、いよいよSecurity+の本格的な学習に入ります。この段階では、試験の5つのドメインを順番に学習していきます。ドメインの学習順序としては、「一般的なセキュリティ概念」から始めて、「脅威、脆弱性、緩和策」、「セキュリティアーキテクチャ」、「セキュリティオペレーション」、最後に「セキュリティプログラム管理とオーバーサイト」の順で進めるのが効率的です。

各ドメインの学習では、まずテキストで概念を理解し、その後に動画教材で補強するという二段構えのアプローチが効果的です。テキストだけでは理解しにくい概念も、動画で図解や実演を見ることでスッと頭に入ることがあります。一つのドメインの学習が終わるたびに、そのドメインの練習問題を解いて理解度を確認してください。

この段階で特に注意すべきなのは、暗号化とPKI(公開鍵基盤)の分野です。対称暗号と非対称暗号の違い、ハッシュ関数の役割、デジタル証明書の仕組みなど、抽象的な概念が多く出てくるため、未経験者がつまずきやすいポイントです。ここは焦らずに時間をかけて理解することで、後のドメインの学習がスムーズになります。

フェーズ3:問題演習と弱点克服(3~4週間)

体系的な学習を終えたら、残りの期間は問題演習に集中します。実は、Security+の合格において最も重要なのがこのフェーズです。どれだけテキストを読み込んでも、問題を解く練習なしに合格するのは難しいでしょう。試験特有の問い方や選択肢の読み方に慣れることが、合格点に到達するための最短ルートです。

問題演習は、最低でも500問以上を目標にしてください。同じ問題を2~3回繰り返すことも有効です。間違えた問題は必ずノートに記録し、なぜ間違えたのか、正解の選択肢がなぜ正しいのかを自分の言葉で書き出してください。この「間違いノート」が、試験直前の最強の復習ツールになります。

正答率が安定して80%を超えるようになったら、模擬試験を実施してください。本番と同じ90分の制限時間を設けて、90問を通しで解く練習をします。時間配分の感覚を掴むことと、長時間の集中力を維持する訓練が目的です。模擬試験で750点以上を安定して取れるようになったら、本番の受験を申し込んでよいタイミングです。

おすすめの学習教材

Security+の学習教材は、書籍、動画、オンライン問題集など多岐にわたります。どの教材を使うかは合格に直結する重要な選択ですが、高額な教材を買い揃える必要はありません。コストパフォーマンスの高い教材を3~4種類組み合わせることで、十分に合格圏内に到達できます。

教材選びで最も重要なのは、試験バージョンとの一致です。現在の最新バージョンはSY0-701ですので、必ずこのバージョンに対応した教材を選んでください。古いバージョン(SY0-601など)の教材は出題範囲が異なるため、そのまま使うと不合格のリスクが高まります。

もう一つ意識したいのは、単一の教材に頼らないことです。テキストで読む、動画で見る、問題を解くという3つの学習チャネルを組み合わせることで、知識の定着率が飛躍的に向上します。人によって合う教材は異なりますので、最初の1週間で複数の教材を試してみて、自分に合うものを見つけてください。

書籍教材

日本語の書籍では、TAC出版の「CompTIA Security+ テキスト&問題集」が定番です。試験範囲を体系的にカバーしており、各章末の確認問題で理解度を測れる構成になっています。初学者でも理解しやすい平易な日本語で書かれているため、IT未経験の方にもお勧めできます。

英語に抵抗がない方は、Sybex社の「CompTIA Security+ Study Guide」も優れた教材です。公式の試験目標に沿った構成で、各トピックの説明が詳細かつ実践的です。付属のオンライン問題集も充実しており、一冊で学習から問題演習までカバーできるのが魅力です。

どの書籍を選ぶにしても、最初から最後まで通読するのではなく、一つの章を読んだらすぐに関連する問題を解くという学習サイクルが効果的です。読んだ直後に問題を解くことで、知識の理解度をリアルタイムで確認でき、記憶の定着も促進されます。

動画・オンライン教材

動画教材の最大手は、Jason DionのUdemy講座です。SY0-701に完全対応した講座が提供されており、各トピックを分かりやすく解説しています。Udemyはセール時に1,200~1,800円程度で購入できることが多いので、定価で買わずにセールを待つのが賢い方法です。講座には模擬試験も含まれているため、コストパフォーマンスは非常に高いです。

無料で利用できる教材としては、Professor MesserのYouTube講座が圧倒的な人気を誇ります。英語での講義ですが、字幕を活用すれば理解は十分に可能です。すべてのドメインをカバーする体系的な講義が無料で提供されているのは、受験者にとって非常にありがたいリソースです。

日本語のオンライン教材を探している方は、セキュリティ関連のeラーニングサービスを検討してみてください。動画とテキストを組み合わせた学習コンテンツが日本語で提供されており、通勤時間や昼休みのスキマ時間を活用した学習に適しています。

問題集・模擬試験

問題演習に特化した教材としては、Jason Dionの模擬試験セット(Udemy)が最も本番に近い問題を提供していると評判です。6回分の模擬試験が含まれており、本番と同じ形式で練習できるため、試験当日の不安を大幅に軽減できます。

CompTIA公式のCertMasterシリーズも検討の価値があります。CertMaster Learnは学習教材、CertMaster Practiceは問題演習、CertMaster Labsはハンズオン演習を提供しています。公式教材だけあって試験範囲との一致度は最も高いですが、価格がやや高めなのが難点です。

無料の問題集も活用しましょう。ExamCompassやCompTIA公式サイトのサンプル問題など、無料で利用できる練習問題は多数あります。メインの教材の補助として活用することで、さまざまな角度からの出題に慣れることができます。

試験本番で実力を発揮するためのテクニック

十分な学習を積んでも、本番で実力を発揮できなければ意味がありません。Security+の試験には、知識の他に時間管理や問題の読み方といった「試験スキル」も求められます。これらのテクニックを事前に把握しておくことで、本番での得点力を確実に高められます。

試験当日は、テストセンターの場合は30分前に到着することをお勧めします。受付手続きや本人確認に時間がかかることがあり、ギリギリに到着すると焦りが生まれます。落ち着いた状態で試験に臨むことが、冷静な判断力を維持する上で重要です。

オンライン受験を選択する場合は、自宅のインターネット環境や受験環境の要件を事前に確認してください。机の上に不要なものを置かない、カメラの角度を調整するなどの準備が必要です。技術的なトラブルで試験が中断するリスクを考えると、テストセンターでの受験の方が安心できるかもしれません。

時間配分と問題の優先順位

90分で最大90問を解く場合、1問あたりの平均時間は約1分です。ただし、PBQ(パフォーマンスベース問題)は通常の選択問題よりも時間がかかるため、選択問題はなるべく45秒以内で解答し、PBQに余裕を持たせる時間配分が理想的です。

試験開始後、PBQが最初に出題されることが多いですが、ここで時間を使いすぎないように注意してください。PBQに自信がない場合は、フラグを立ててスキップし、選択問題をすべて解き終えてから戻ってくる戦略が有効です。確実に得点できる問題から先に処理することで、精神的な余裕も生まれます。

残り時間が10分を切ったら、未回答の問題があれば必ず何かしらの選択肢を選んでください。Security+では無回答は0点ですが、適当に選んでも25%の確率で正解できます。最後まで諦めずにすべての問題に回答を入れることが、合格ラインに到達するための基本戦略です。

選択肢の読み方と消去法

Security+の試験では、「最も適切な答え」を選ぶ問題が多く出題されます。つまり、複数の選択肢が部分的に正しい場合があり、その中から最善の回答を見極める必要があります。問題文をよく読み、何を問われているのかを正確に把握することが第一歩です。

消去法は最も効果的な解答テクニックの一つです。明らかに間違っている選択肢を先に除外し、残った選択肢の中から最適なものを選びます。4つの選択肢のうち2つを消去できれば、正解率は50%まで上がります。確信が持てない問題でも、消去法を使えば得点の期待値を高めることができます。

問題文に含まれるキーワードにも注目してください。「最も効果的な」「最初に行うべき」「最低限必要な」といった修飾語は、正解を絞り込むための重要なヒントです。これらの表現に敏感になることで、紛らわしい選択肢の中から正解を見つけ出す精度が上がります。

学習中によくある悩みと解決策

Security+の学習を進めていると、さまざまな壁にぶつかることがあります。モチベーションの低下、特定分野の理解に苦しむこと、学習時間の確保が難しいことなど、多くの受験者が共通して経験する悩みです。これらの壁は決して珍しいものではなく、適切な対処法を知っていれば乗り越えることができます。

学習の途中で「自分には向いていないのでは」と感じることがあっても、それは学習プロセスの自然な一部です。新しい分野の知識を吸収するときには、理解が進む時期と停滞する時期が交互に訪れます。停滞期に焦って学習方法を大きく変えるのではなく、淡々と学習を続けることが最終的な合格につながります。

何か困ったことがあったら、オンラインコミュニティを活用してみてください。RedditのCompTIA関連サブレディットや、日本のセキュリティ資格取得者のブログなどには、同じ悩みを乗り越えた先輩受験者の体験談が豊富に蓄積されています。自分一人で抱え込まず、先人の知恵を借りることも合格への近道です。

暗記に頼らない理解中心の学習法

Security+の試験では、単純な用語の暗記だけでは対応できない問題が多く出題されます。「AESとは何か」を覚えるだけでなく、「なぜAESが使われるのか」「どのような場面でAESが適切なのか」という理解が必要です。こうした深い理解は、暗記カードを繰り返すだけでは身につきません。

効果的な方法の一つは、学んだ概念を自分の言葉で説明する練習です。たとえば「ゼロトラストアーキテクチャとは何か」を、IT知識のない友人に説明するつもりで言語化してみてください。うまく説明できない部分があれば、それは理解が不十分な箇所です。この「説明する学習法」は、知識の定着に非常に効果的です。

もう一つの方法は、学んだセキュリティ概念を実際の事件に当てはめて考える練習です。ニュースで報道されるサイバー攻撃事件について、「どのような脆弱性が悪用されたのか」「どのような対策が有効だったのか」を試験の知識に照らし合わせて分析してみてください。こうした応用練習が、シナリオベースの問題に対応する力を養います。

まとめ

CompTIA Security+は、未経験からセキュリティエンジニアを目指す方にとって最適なスタート地点です。基礎知識の構築に2~3週間、体系的な学習に6~8週間、問題演習に3~4週間という段階的なアプローチで、3~4ヶ月での合格は現実的な目標です。

合格の鍵は、正しい教材を選び、体系的に学習し、十分な問題演習を行うことに尽きます。暗記に頼らず概念を理解する学習を心がければ、試験で問われるシナリオベースの問題にも対応できるようになります。

セキュリティ人材の需要は今後もさらに高まっていくことが確実です。Security+の取得は、セキュリティキャリアの第一歩であると同時に、自分の市場価値を証明する強力なツールでもあります。今日から学習を始めて、数ヶ月後には新しいキャリアの扉を開いてみてください。

IT転職で年収アップを実現しませんか?

エンジニア・プログラマー向け転職エージェントで、理想のキャリアを手に入れましょう。

おすすめ転職サイトを見る