この記事のまとめ
- 暗号資産・ブロックチェーン分野のエンジニアは高年収かつ成長分野として注目を集めている
- 仮想通貨取引やDeFi経験は税務知識と組み合わせることで転職時の強力な差別化要因になる
- Web3・ブロックチェーン技術の実用化が進む中、関連税務を理解するエンジニアの需要は急速に増加している
近年、暗号資産やブロックチェーン技術の普及に伴い、Web3エンジニアの需要が急速に高まっています。しかし、技術的なスキルだけでなく、税務面での正しい理解を持つエンジニアはまだ少ないのが現状です。
実は、暗号資産取引の経験やDeFi(分散型金融)の知見を持つエンジニアが、適切な税務戦略を身につけることで、転職市場において圧倒的な差別化を実現できることをご存じでしょうか。
この記事では、エンジニアが暗号資産・ブロックチェーン関連の税務知識を習得し、それを転職活動で最大限活用する実践的な戦略について詳しく解説します。技術力と税務知識の組み合わせで、理想のキャリアを実現しましょう。
暗号資産・ブロックチェーン分野の転職市場概況
ブロックチェーン・Web3業界は現在、技術者不足が深刻な状況にあります。特に、技術的な理解に加えて税務・法務面での知識を併せ持つエンジニアは極めて希少な存在として、企業から高く評価されています。
暗号資産市場の急成長に伴い、従来のIT企業だけでなく、金融機関、コンサルティングファーム、会計事務所なども積極的にブロックチェーン技術者を採用しています。ここでは、この新興分野における転職市場の実情を詳しく見ていきましょう。
Web3・ブロックチェーン分野の人材需要の急激な増加
暗号資産・ブロックチェーン業界では、技術者の需要が供給を大幅に上回っている状況が続いています。PwCの調査によると、Web3関連職種の求人数は2023年から2024年にかけて約300%増加しており、特に技術と金融・税務の両方を理解する「ハイブリッド人材」への需要が顕著です。
この背景には、暗号資産の法的整備が進む中で、企業がコンプライアンスを重視するようになったことが挙げられます。従来のブロックチェーンエンジニアに求められていた技術力に加えて、税務処理や法的リスクを理解できる人材が重宝されています。
そんな中、個人で暗号資産取引やDeFiプロトコルを触った経験のあるエンジニアは、実体験に基づく理解を持っているため、企業から非常に高く評価されています。技術習得と並行して税務知識を身につけることで、転職市場における希少価値を大幅に高めることができるでしょう。
暗号資産・ブロックチェーン分野で求められる人材像の変化
暗号資産・ブロックチェーン業界で求められる人材像は、従来の「技術特化型」から「技術×ビジネス理解型」へと大きく変化しています。特に注目すべきは、個人で暗号資産取引を行い、その税務処理を正しく行っているエンジニアへの評価の高さです。
企業が重視するのは、単なる暗号資産の保有経験ではなく、実際に取引を行い、その損益計算や確定申告を適切に処理した実務経験です。DeFi(分散型金融)プロトコルの利用経験がある場合は、さらに高く評価されます。これらの経験は、複雑な税務処理を理解している証拠として捉えられるからです。
また、年代別では20代から30代前半のエンジニアが最も採用されやすく、技術力と学習意欲の高さが評価されています。40代以降でも、マネジメント経験と税務知識を組み合わせることで、チームリーダーや技術顧問として高い年収での転職を実現できる事例が増えています。
実務経験者が圧倒的に有利な転職市場
暗号資産・ブロックチェーン分野では、理論的な知識よりも実際の運用経験が重視される傾向が強くなっています。特に30代のエンジニアの場合、従来の技術経験に加えて、暗号資産取引の実体験があることで転職市場での競争力が大幅に向上します。
企業が特に注目するのは以下のような経験です。まず、複数年にわたる暗号資産取引の履歴と、それに伴う税務処理の実績です。次に、DeFiプロトコルでのイールドファーミングやリクイディティプールへの参加経験です。そして、NFTの発行・取引経験や、DAOへの参加実績も高く評価されています。
これらの経験は単なる投機的な関心ではなく、ブロックチェーン技術の実用性を理解している証拠として捉えられます。特に、税務上の複雑な処理を適切に行った経験があるエンジニアは、企業のコンプライアンス体制構築において即戦力として期待されています。
暗号資産関連税務の複雑化が生み出す新たな転職機会
2023年以降、暗号資産に関する税務処理の複雑化が進む中で、これまでにない転職機会が生まれています。国税庁による暗号資産の取り扱い方針の細分化や、企業会計における暗号資産の評価方法の確立により、単なる開発スキルだけでなく、税務・会計面での実務理解を持つエンジニアの価値が飛躍的に高まっているのです。
40代以上のベテランエンジニアの場合、従来の開発経験に暗号資産の税務知識を組み合わせることで、コンサルタントレベルの高単価案件を獲得できる事例が増えています。特に、企業のブロックチェーン導入時における税務リスク評価や、DeFiプロトコルの税務上の取り扱い検討など、高度な専門性が求められる領域では、経験豊富なエンジニアが重宝されています。
実際に、大手監査法人や税理士法人においても、ブロックチェーン技術と税務の両方を理解できる人材の採用が活発化しており、年収1000万円を超える求人も珍しくない状況です。従来のIT業界とは異なり、年齢よりも実務経験の深さが重視される傾向が強いため、ベテランエンジニアにとって非常に有利な転職市場となっています。
エンジニアが知っておくべき暗号資産・ブロックチェーン関連税務の基礎知識
暗号資産・ブロックチェーン分野でのキャリア構築を考える上で、税務知識の習得は避けて通れない重要な要素です。この分野では技術的な理解だけでなく、法的・税務的な側面を正確に把握していることが、転職時の大きな差別化要因になります。
ここでは、エンジニアが押さえておくべき暗号資産関連税務の核心的なポイントを、実際の転職活動での活用方法と併せて詳しく解説していきます。これらの知識を身につけることで、単なる技術者ではなく、ビジネス全体を理解した価値の高い人材として評価されるでしょう。
暗号資産の所得分類と課税方式の理解
暗号資産から生じる所得は、その取得方法や利用目的によって異なる所得分類が適用されます。エンジニアとして理解しておくべき基本的な分類は以下の通りです。まず、個人での暗号資産取引による利益は原則として「雑所得」として総合課税の対象となり、最大55%(所得税・住民税合計)の税率が適用される可能性があります。
個人取引における雑所得の計算方法
個人で行う暗号資産取引では、売却時点での時価と取得価格の差額が所得として認識されます。しかし、実際の計算は想像以上に複雑です。例えば、同じ銘柄の暗号資産を複数回に分けて購入した場合、売却時の取得価格は「移動平均法」または「総平均法」で計算する必要があります。
さらに注意が必要なのは、暗号資産同士の交換(例:ビットコインでイーサリアムを購入)も課税対象となることです。この場合、交換時点でのビットコインの時価で売却したものとみなされ、取得価格との差額が所得として計上されます。DeFiプロトコルでのスワップ取引も同様の扱いとなるため、頻繁に取引を行うエンジニアは特に注意深い記録管理が求められます。
マイニング・ステーキング報酬の税務処理
マイニングやステーキングによって得られる報酬は、受け取った時点での時価で収入として認識されます。この点は多くのエンジニアが見落としがちな部分です。例えば、イーサリアムのステーキング報酬として月々0.1ETHを受け取っている場合、その時点でのETHの円換算価格が所得となります。
特に注意すべきは、報酬として受け取った暗号資産をそのまま保有し、後日価格が上昇してから売却した場合です。この場合、受け取り時点の価格で雑所得が発生し、さらに売却時には値上がり分についても追加で雑所得が発生することになります。つまり、二重に課税される可能性があるのです。このような複雑な税務処理を正確に理解しているエンジニアは、企業から非常に高く評価されます。
DeFi(分散型金融)取引の課税上の注意点
DeFiプロトコルでの取引は、従来の金融商品とは異なる複雑な税務処理が必要になります。例えば、Uniswapでの流動性提供(LPトークンの発行)は、提供時点での時価で税務上の取得価格が確定されます。その後のLPトークンの価格変動や、流動性撤退時の時価との差額が課税所得となります。
さらに複雑なのは、流動性マイニングやイールドファーミングで得られる報酬の扱いです。これらは継続的に発生するため、日々の記録管理が不可欠です。より複雑なのは、フラッシュローンやレンディングプロトコルでの借入・貸出で、これらは課税タイミングや所得計算の方法が特に複雑です。このようなDeFi取引の税務処理を理解しているエンジニアは、金融機関やフィンテック企業において特に高く評価されています。
NFT取引と知的財産法の関連性
NFT(Non-Fungible Token)の取引における税務処理は、従来の暗号資産とは異なる複雑さを持っています。NFTの作成・発行は、著作権法上の「複製権」や「公衆送信権」と関連し、単なる雑所得ではなく「事業所得」として扱われる場合があります。この場合、青色申告や消費税の課税対象となる可能性があります。
また、NFTの売買においても、その内容が「美術品」に該当するかどうかで税務上の扱いが変わります。例えば、一点の価格が100万円を超えるNFTの場合、美術品と同等の扱いを受け、売却時の課税方法が通常の雑所得と異なる可能性があります。さらに、NFTマーケットプレイスでのロイヤルティ収入についても、その計上タイミングや所得分類に特別な配慮が必要です。これらの知識を持つエンジニアは、NFTプラットフォームやコンテンツ企業で非常に求められています。
暗号資産の企業会計上の扱いと税務影響
企業が暗号資産を保有・運用する場合の会計処理は、個人とは全く異なる複雑なルールが適用されます。国税庁の「企業が保有する暗号資産の税務上の取り扱いについて」(2023年改訂)によると、暗号資産は原則として「棚卸資産」として評価され、期末時点での時価評価が必要となります。
特に注意すべきは、暗号資産の時価評価による含み益の計上です。例えば、企業が1BTCを200万円で取得し、期末時点での時価が500万円であった場合、300万円の含み益が計上され、法人税の課税対象となります。しかし、実際に売却していないため、キャッシュフローの裏付けのない税金負担が発生することになります。これらの複雑な会計処理を理解したエンジニアは、企業のCFOや経理企画部門で非常に求められる人材です。
クロスボーダー取引と国際税務の複雑性
暗号資産の国際取引における税務処理は、国内取引よりもさらに複雑な要素を含んでいます。特に、日本の居住者が海外の暗号資産取引所で取引を行った場合、日本の税法だけでなく、取引所が所在する国の税法も同時に適用される可能性があります。
例えば、米国のBinance.USで取引した場合、米国の連邦税や州税の影響を受ける可能性があります。また、欧州EU内の取引所では、MiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation)に基づく新しい規制が適用され、税務上の扱いが日本と異なる場合があります。さらに、二重課税防止条約や税務情報交換協定(CRS:Common Reporting Standard)による自動情報交換の影響も考慮しなければなりません。こうした国際税務の専門知識を持つエンジニアは、グローバル企業や国際的な法律事務所で非常に高く評価されています。
セールスエンジニア
セールスエンジニアは、営業をサポートして製品・サービスの販売を促進する仕事です。自社の製品を活用できるよう、情報提供や実演を行うこともあります。知識・スキル面から営業をフォローし、クライアントの満足度を上げるのが役割です。クライアントの疑問に答えるため、技術面の深い知識に加え、分かりやすく伝える能力も求められます。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、ITシステムの利用における技術的な問題に対応する問い合わせ窓口です。「操作の仕方が分からない」「動かなくなった」などの問い合わせに対し、電話やメール、チャットなどを使って解決に導きます。問い合わせの一次対応をするヘルプデスクよりも高度な知識が求められる職種です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、システム開発などのプロジェクト全体の進行を管理する職種です。具体的には、計画立案や予算管理、リソースや工程の管理、さらにはステークホルダーとのコミュニケーションも業務内容に含まれます。いわば、プロジェクトを成功へ導く重要な役割を担うといえます。
ソフトウェア業界
パソコンやスマートフォンなどのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)を制作するのがソフトウェア業界です。主な職種には以下のようなものがあります。
プログラマー
プログラマーは、決められた仕様書に基づいて実際にプログラミングを行う仕事です。作成したシステムを確認し、バグを発見・解消する業務もプログラマーが担当します。開発するジャンルにより、必要なプログラミング言語は異なります。ひとつの言語を使いこなせるようになると、ほかの言語も比較的楽に習得できるようになるでしょう。こうしてスキルアップすることにより、仕事の幅を広げていけます。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはプログラマーの上流にあたる仕事です。クライアントの要望に基づき、システム全体の設計を決め、仕様書に落とし込んでいきます。システム開発をするうえで必要な予算やスケジュールを組む役割も求められます。プログラマーとして現場経験を積んだ後、キャリアアップの一環でシステムエンジニアを目指す方も少なくありません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、システムが利用できるようにネットワーク環境を整えるのが仕事です。ルーターやLANケーブルなど、物理的な機器に触れて行う仕事が多いのが特徴です。セキュリティーに関する知識も求められます。
テクニカルライター
テクニカルライターは、家電やソフトウェアなどのマニュアルを作成する専門職です。技術的な情報を一般のユーザーにも分かりやすく伝える役割を担います。ユーザーからの問い合わせ内容を改訂版に反映させ、より良いマニュアルに仕上げることもテクニカルライターとしての重要な役割です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担う専門職です。具体的には、サーバーやネットワークのセキュリティー強化、脆弱性のチェック、適切なセキュリティー対策の導入が求められます。IT 未経験から目指す際には、セキュリティーに関連する資格の取得が強い後押しになります。
OAインストラクター
OAインストラクターは、パソコンやOffice系ソフトなどの操作を分かりやすく教える専門家です。主に講座形式で指導し、多様な参加者のレベルに応じた教え方が求められます。基本的なコンピューターリテラシーがあり、人に教えることが好きな方に向いています。
CAD設計エンジニア
CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
参照:職種別平均年収ランキング【2020年版】|マイナビエージェント
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。