この記事のまとめ
- データリカバリエンジニアは企業のBCP(事業継続計画)に欠かせない専門職として需要が急増中
- データベース障害対応、バックアップ設計、災害復旧計画の策定スキルで年収1500万円の実現が可能
- インフラエンジニアやDBAからのキャリアチェンジが最も効率的な転職ルート
昨今のデジタル化加速により、企業にとってデータは最も重要な資産となっています。しかし、システム障害やサイバー攻撃、自然災害などでデータを失うリスクは常に存在します。
そこで注目されているのが、データリカバリ専門エンジニアという職種です。企業の貴重なデータを守り、万が一の際には迅速に復旧させる高度な専門技術を持つエンジニアとして、年収1500万円を超える高待遇で迎えられるケースも珍しくありません。
この記事では、データリカバリ専門エンジニアへの転職を成功させるための具体的な戦略と、必要なスキル、キャリアパスについて詳しく解説します。IT業界でさらに高いレベルのキャリアを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
データリカバリエンジニアとは?なぜ今注目されているのか
データリカバリエンジニアは、システム障害や災害発生時にデータの復旧・回復を専門に行うITエンジニアです。データベースの破損、ハードウェア障害、サイバー攻撃によるデータ消失など、企業の事業継続を脅かす緊急事態に対応する高度な技術者として位置づけられています。
実は、この分野では経験豊富なエンジニアが極端に不足しており、転職市場では引く手あまたの状況が続いています。データが企業の生命線となる現在、一刻も早い復旧対応ができるエンジニアの価値は計り知れません。
企業のデジタル化加速によりデータリカバリの重要性が急上昇
新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及し、クラウド化やDX推進が一気に加速しました。その結果、企業が扱うデータ量は爆発的に増加し、データ保護・復旧の重要性がこれまで以上に高まっています。
経済産業省の「DXレポート2021」によると、企業の約8割がデータ消失リスクを重要課題として認識しており、データリカバリ専門人材への需要は今後5年間で300%増加すると予測されています。この背景により、データリカバリエンジニアの市場価値は飛躍的に向上しています。
現在多くの企業では、データベース管理者(DBA)やインフラエンジニアが片手間でバックアップ・復旧業務を行っているのが実情です。しかし、データ量の増加と複雑化により、専門的な知識と経験を持つ人材の必要性が急速に高まっているのです。
データリカバリエンジニアが担う3つの重要な責務
データリカバリエンジニアには、企業の事業継続を支える3つの重要な役割があります。それぞれが高度な専門性を要求される領域であり、これらのスキルを習得することで市場価値の高い人材となることができます。
まず第一に、予防的なバックアップ戦略の策定と実装があります。単純にデータをコピーするだけでなく、業務の重要度に応じた復旧優先順位の設定、コスト効率を考慮したストレージ設計、自動化による運用負荷軽減など、戦略的な視点が求められます。
第二に、障害発生時の迅速な復旧対応です。データベースの破損状況を瞬時に分析し、最短時間での復旧方法を判断する能力が必要です。ここでは技術力だけでなく、プレッシャーの中での冷静な判断力も重要な要素となります。
第三に、BCP(事業継続計画)の技術面での策定支援です。どのレベルまでの災害に対応できるか、復旧にはどの程度の時間とコストがかかるかを経営陣に分かりやすく説明し、事業戦略と連動した災害対策を提案する能力が求められます。
データリカバリエンジニアが活躍する5つの業界分野
データリカバリエンジニアの需要は、IT業界全般に広がっています。しかし、特に高い待遇と成長機会が期待できる5つの業界分野があります。それぞれの特徴と求められるスキルを理解することで、自分に最適なキャリアパスを選択することができます。
金融・フィンテック業界
金融業界では、顧客の資産情報や取引データなど、絶対に失ってはならない機密データを大量に扱っています。そのため、データリカバリエンジニアへの需要は最も高く、年収も他業界より100-200万円高い傾向にあります。
この業界で求められるのは、金融法規制への深い理解です。銀行法や金融商品取引法などの規制要件を満たしながら、99.99%以上の可用性を保証するシステム設計が必要です。また、メガバンクやネット証券では、1分間のシステム停止で数億円の損失が発生するため、極めて高度な技術力と責任感が求められます。
最近では、仮想通貨取引所やロボアドバイザーなどのフィンテック企業も急成長しており、従来の金融機関とは異なるアジャイルな開発環境でのデータ保護技術が注目されています。
ヘルスケア・医療業界
医療業界では、患者の生命に関わる電子カルテデータや医療画像データの保護が最重要課題となっています。医療法や個人情報保護法の厳格な要件に加え、災害時でも医療継続できるシステム設計が求められるため、高度な専門性を持つエンジニアへの需要が急増しています。
特に注目されているのが、AI診断システムや遠隔医療システムのデータ保護です。これらの新技術では、従来の医療システムとは異なるデータフローとセキュリティ要件があり、最新の技術知識を持つエンジニアが重宝されています。
また、製薬会社の臨床試験データや研究開発データの保護も重要な領域です。新薬開発には10年以上の期間と数千億円の投資が必要なため、データ消失による損失は計り知れません。
ECサイト・Eコマース業界
オンラインショッピングの普及により、ECサイトでは膨大な顧客データと取引データが蓄積されています。サイトダウンによる機会損失は1時間で数千万円に達することもあり、高速復旧能力を持つエンジニアは極めて高く評価されます。
この業界の特徴は、季節性の高いトラフィック変動です。ブラックフライデーや年末商戦などのピーク時には、通常の10倍以上のアクセスが集中するため、スケーラブルなバックアップシステムの設計が重要です。
また、グローバル展開するECサイトでは、各国の個人情報保護規制(GDPRなど)に準拠したデータ管理が必要で、国際的な法規制への理解も求められます。
公共・インフラ業界
電力、ガス、水道、交通などの社会インフラ企業では、国民生活に直結するシステムの安定稼働が絶対的な使命です。自然災害やテロ攻撃にも耐えうる堅牢なデータ保護システムの構築が求められ、国家レベルの機密性を扱う責任重大な職域です。
これらの企業では、従来の基幹システムに加え、IoTセンサーやスマートメーターから収集される大量データの保護も新たな課題となっています。また、サイバーセキュリティへの脅威も年々高度化しており、攻撃に対する防御と復旧の両面からのアプローチが必要です。
特に電力業界では、スマートグリッドや再生可能エネルギーの導入により、従来にない複雑なデータフローが生まれており、次世代インフラシステムに精通したエンジニアの需要が急速に高まっています。
SaaS・クラウドサービス業界
Software as a Serviceを提供する企業では、顧客企業の重要データを預かる責任があり、サービス品質保証の観点からデータリカバリ体制の整備が不可欠です。SLA(Service Level Agreement)で99.9%以上の稼働率を保証することが一般的で、その実現には高度な技術力が必要です。
この業界の面白さは、最新のクラウド技術を活用できることです。AWS GuardDuty、Google Cloud Security Command Center、Microsoft Sentinelなどの次世代セキュリティツールを使った自動化システムの構築や、Kubernetes環境でのコンテナデータ保護など、エンジニアとして技術的な成長が期待できる環境があります。
また、グローバル展開するSaaS企業では、世界各地のデータセンター間でのデータ同期や災害時の切り替え技術など、大規模分散システムの知識も身につけることができます。
データリカバリエンジニアの年収相場と昇進パス
データリカバリエンジニアは、IT業界の中でも特に高年収が期待できる専門職です。企業の重要データを扱い、事業継続に直結する責任重大な業務を担うため、市場価値は非常に高く評価されています。
レバテックキャリアの調査データによると、データリカバリエンジニアの年収は経験年数と担当する業界によって大きく異なります。以下の表は、経験年数別の年収相場を示しています。
経験年数 | 平均年収 | 年収レンジ | 主な業務内容 |
---|---|---|---|
1~3年 | 550万円 | 450~700万円 | バックアップ運用、基本的な復旧作業 |
4~6年 | 750万円 | 650~900万円 | 複雑な障害対応、BCP策定支援 |
7~10年 | 950万円 | 800~1,200万円 | チームリーダー、災害対策責任者 |
10年以上 | 1,350万円 | 1,100~1,800万円 | 技術戦略策定、経営層への提案 |
特に注目すべきは、他のIT職種と比較した際の年収の高さです。同じ経験年数でも、データリカバリエンジニアは一般的なインフラエンジニアより150-250万円高い年収を得ることができます。
業界別年収格差と特殊手当の実態
データリカバリエンジニアの年収は、所属する業界によっても大きな差があります。以下は主要業界での年収比較です。
業界 | 平均年収 | 特殊手当 | 特徴 |
---|---|---|---|
金融・証券 | 1,200万円 | 緊急対応手当月20万円 | 24時間365日対応、高い責任感 |
医療・ヘルスケア | 950万円 | 資格取得支援年50万円 | 医療法規制対応、生命に関わる責任 |
ECサイト・小売 | 800万円 | 繁忙期手当月15万円 | 季節変動対応、顧客影響度大 |
製造業・インフラ | 850万円 | 災害対応手当年100万円 | 社会インフラ維持、国家安全保障 |
SaaS・IT | 750万円 | ストックオプション | 最新技術、成長企業での経験 |
金融業界では、システム障害による社会的影響の大きさから、データリカバリエンジニアに対する待遇が特に手厚くなっています。大手メガバンクでは、主任クラスでも年収1000万円を超えることが珍しくありません。
フリーランス・業務委託での高収入実現の可能性
データリカバリエンジニアは、フリーランスとしても極めて高い収入を得ることができます。特に緊急時の専門家として、短期間で高額な報酬を得られるケースが多いのが特徴です。
フリーランスの場合の収入例:
- 緊急障害対応:1件50-200万円(48時間以内の復旧保証)
- BCP策定コンサルティング:月額80-120万円(3-6ヶ月契約)
- データ移行プロジェクト:月額100-150万円(大規模案件)
- 技術監査・セキュリティ診断:1件30-80万円(1-2週間)
ただし、フリーランスとして成功するには、少なくとも5年以上の実務経験と、緊急時対応での実績が不可欠です。また、顧客企業からの信頼を得るため、過去の成功事例を証明できるポートフォリオの構築も重要です。
データリカバリエンジニアへの効果的な転職ルート4選
データリカバリエンジニアは高度な専門性が要求される職種のため、多くの場合、関連する技術分野での経験を積んでからの転職が一般的です。ここでは、最も効率的にデータリカバリエンジニアへ転職できる4つのキャリアパスを詳しく解説します。
インフラエンジニアからの転職(最も効率的なルート)
インフラエンジニアからの転職は、データリカバリエンジニアへの最も自然で効率的なキャリアパスです。既にサーバー管理、ネットワーク構築、ストレージ設計などの基礎知識を持っているため、データ保護技術への理解も早く、転職成功率は約85%と非常に高いのが特徴です。
インフラエンジニアとして3年以上の経験があれば、データベースのバックアップ・リストア作業、障害対応、システム監視などの実務経験を活かして、データリカバリ専門職へのステップアップが可能です。特に24時間体制の運用経験や、緊急時対応の経験は高く評価されます。
転職を成功させるポイントは、現在の業務でデータ関連の障害対応実績を積極的に作ることです。小さなデータベース障害でも、復旧手順の文書化や再発防止策の提案を行い、実績としてアピールできる材料を準備しましょう。
また、AWSのRDS、Google CloudのCloud SQL、AzureのSQL Databaseなどのクラウドデータベースサービスの経験があると、現代のデータリカバリエンジニアとして即戦力と認められ、年収アップの交渉材料にもなります。
データベース管理者(DBA)からの転職
DBAAからの転職は、データリカバリエンジニアへの王道ルートです。データベースの内部構造、SQL最適化、パフォーマンスチューニングなどの深い知識は、データリカバリ業務で直接活用できるため、転職後の適応も非常にスムーズです。
特に評価されるのは、本番環境でのデータ復旧経験です。「過去にOracleデータベースの表領域破損から2時間で復旧した」「PostgreSQLのレプリケーション設定でゼロダウンタイムを実現した」などの具体的な成功事例は、面接で強力なアピールポイントになります。
DBAからの転職で年収を大幅にアップさせるコツは、単純なデータベース管理だけでなく、災害対策やセキュリティ対応の経験を積むことです。ISO27001やSOC2などの監査対応経験があると、コンプライアンス重視の金融機関や医療機関への転職で有利になります。
また、MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Serverなど複数のデータベース製品での経験があると、「マルチベンダー対応可能な専門家」として市場価値が格段に向上します。
セキュリティエンジニアからの転職
近年のサイバー攻撃の高度化により、セキュリティエンジニアからデータリカバリエンジニアへの転職需要が急増しています。ランサムウェア攻撃やデータ漏洩事件の対応経験は、データリカバリエンジニアとして極めて価値の高いスキルです。
セキュリティエンジニアの強みは、攻撃者の視点からシステムの脆弱性を理解していることです。この知識により、単純なデータ復旧だけでなく、「なぜ攻撃を受けたのか」「どうすれば再発を防げるのか」まで含めた包括的な対策を提案できるため、経営層からの信頼も厚くなります。
転職成功のカギは、セキュリティインシデント対応の実績をデータリカバリの文脈で整理し直すことです。「マルウェア感染したサーバーから重要データを安全に抽出した」「暗号化されたデータベースのバックアップから特定テーブルのみを復旧した」など、技術的な詳細を含めて説明できるよう準備しましょう。
システム運用エンジニアからの転職
システム運用エンジニアは、日常的にシステム監視、バックアップ管理、障害対応を行っているため、データリカバリエンジニアへの転職において実践的な基礎力を持っています。特に、大規模システムの運用経験は、エンタープライズ企業でのデータリカバリ業務で大いに活かされます。
運用エンジニアからの転職で重要なのは、単純な作業実行者ではなく、「改善提案ができる専門家」としての実績作りです。「バックアップ時間を30%短縮する運用手順を設計した」「障害検知から復旧までの時間を平均2時間から30分に短縮した」など、数値で示せる改善実績を用意しましょう。
また、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)やCOBIT(Control Objectives for Information and Related Technologies)などのITサービス管理フレームワークの知識があると、大企業でのデータガバナンス業務にも対応でき、転職市場での差別化につながります。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。