エンジニアとして働く上で、タイピング速度は意外と軽視されがちなスキルです。しかし、1日8時間以上キーボードに向かう私たちにとって、タイピング速度の差は年間で見ると膨大な時間の差となって現れます。実際、私がブラインドタッチを習得してから、コーディング効率が劇的に改善した経験があります。
そういえば、ある調査によると、平均的なプログラマーのタイピング速度は1分間に40〜50語程度ですが、ブラインドタッチをマスターした上級者は100語以上を打つことができるそうです。この差は単純計算で2倍以上の生産性の違いを生み出します。しかも、ブラインドタッチができると画面から目を離さずに済むため、思考の流れを妨げることなくコーディングに集中できるのです。
では、なぜ多くのエンジニアがブラインドタッチの習得を後回しにしてしまうのでしょうか。それは「今の速度でも仕事はこなせている」という現状維持バイアスと、新しいスキルを身につける時間的投資を惜しむ心理が働いているからです。しかし、一度習得してしまえば、その恩恵は一生続きます。この記事では、効率的にブラインドタッチを身につける方法と、エンジニアならではの練習テクニックを詳しく解説していきます。
ブラインドタッチがエンジニアの生産性に与える影響
エンジニアの仕事において、タイピング速度は直接的に生産性に影響を与えます。単純に考えて、同じコードを半分の時間で書けるようになれば、その分だけ設計や問題解決に時間を割けるようになります。しかし、ブラインドタッチの真の価値は、単なる速度向上だけではありません。
私が以前勤めていた開発チームで興味深い現象がありました。ブラインドタッチができるメンバーとそうでないメンバーを比較したところ、コーディング速度の差は予想通り大きかったのですが、それ以上に顕著だったのはバグの発生率の違いでした。キーボードを見ながら打つ開発者は、画面とキーボードの間で視線を頻繁に移動させるため、タイプミスやシンタックスエラーが多く発生していたのです。
実は、人間の脳は視線を移動させるたびに一瞬の「リセット」が起こり、集中力が途切れてしまいます。プログラミングのような高度な論理的思考を要する作業では、この一瞬の途切れが致命的になることがあります。変数名を間違えたり、セミコロンを忘れたりといった単純なミスは、後から見つけるのに意外と時間がかかるものです。
タイピング速度とコード品質の相関関係
タイピング速度が向上すると、コードの品質も向上するという興味深い相関関係があります。これは一見すると不思議に思えるかもしれませんが、理由を考えると納得できます。ブラインドタッチができる開発者は、頭の中のアイデアを即座にコードに落とし込めるため、思考の流れが途切れにくいのです。
プログラミングは本質的に創造的な作業です。アルゴリズムを考え、データ構造を設計し、エレガントな解決策を見つける過程では、深い集中状態(フロー状態)に入ることが重要です。キーボードを見ながら打っていると、この貴重なフロー状態が頻繁に中断されてしまいます。結果として、場当たり的なコードや、設計の一貫性に欠けたプログラムが生まれやすくなるのです。
さらに、ブラインドタッチができると、リファクタリングへの心理的ハードルも下がります。コードを書き直すことに対する抵抗感が減り、より良い実装を思いついたときに躊躇なく修正できるようになります。これは長期的に見て、コードベースの品質維持に大きく貢献します。
エンジニア特有のタイピング課題
エンジニアのタイピングは、一般的な文章作成とは異なる特徴があります。プログラミング言語では、記号や特殊文字を頻繁に使用します。セミコロン、括弧、中括弧、アンダースコア、ハイフンなど、通常の文章ではあまり使わない文字が頻出するのです。
私も最初は英数字のブラインドタッチはできていたものの、記号類になると途端に速度が落ちていました。特に苦労したのは、シフトキーを使った記号入力です。例えば、JavaScriptでオブジェクトを定義する際の波括弧 {}
や、配列を表す角括弧 []
は、最初はキーボードを見ないと打てませんでした。
また、プログラミングでは変数名やメソッド名にキャメルケースやスネークケースを使うことが多く、大文字と小文字の切り替えも頻繁に発生します。getUserName()
や user_name
といった命名規則に従って素早く正確に入力するには、シフトキーの使い方を完全にマスターする必要があります。
こうしたエンジニア特有の課題を克服するには、通常のタイピング練習に加えて、実際のコードを使った練習が欠かせません。一般的なタイピングソフトでは、これらの記号や命名規則に対応した練習ができないことが多いのです。
効率的なブラインドタッチ習得法
ブラインドタッチを習得する最も効率的な方法は、正しい指の配置(ホームポジション)を最初から徹底的に身につけることです。多くの人が陥りがちな失敗は、自己流の指使いのまま速度だけを追求してしまうことです。これでは一定以上の速度向上は望めませんし、疲労も蓄積しやすくなります。
私がブラインドタッチを習得した際は、まず1週間は速度を完全に無視して、正しい指使いだけに集中しました。最初は1分間に10語程度しか打てず、イライラすることもありました。しかし、この基礎固めの期間を経たことで、その後の上達速度が飛躍的に向上したのです。
具体的な練習方法として、私が実践して効果があったのは「段階的習得法」です。まず、ホームポジションの8文字(ASDF、JKL;)だけを完璧にマスターします。次に、その上下の列を順番に追加していきます。この方法なら、常に「できている感覚」を持ちながら練習を続けられるため、モチベーションを維持しやすいのです。
ホームポジションの重要性
ホームポジションとは、キーボード上で指を置く基本的な位置のことです。左手の人差し指を「F」に、右手の人差し指を「J」に置き、そこから他の指を自然に配置します。多くのキーボードでは、これらのキーに小さな突起がついているため、目で見なくても正しい位置を確認できます。
ところで、なぜホームポジションがそれほど重要なのでしょうか。それは、すべてのキーまでの距離と動作が最適化されているからです。各指には担当するキーが決まっており、その配置は人間工学的に最も効率的になるよう設計されています。自己流の指使いでは、特定の指に負担が集中したり、無駄な動きが増えたりして、結果的に速度の限界が低くなってしまうのです。
実際、私が観察した限りでは、自己流でタイピングしている人の多くが人差し指と中指だけを酷使していました。これでは残りの指が遊んでしまい、本来の能力の半分も発揮できません。10本の指をフル活用することで、初めて真の高速タイピングが可能になるのです。
エンジニア向けタイピング練習ツール
エンジニアがブラインドタッチを習得する際には、通常のタイピングソフトではなく、プログラミングに特化したツールを使うことをお勧めします。私が実際に使って効果を実感したツールをいくつか紹介しましょう。
Typing.io は、実際のプログラミング言語のコードを使ってタイピング練習ができる優れたツールです。JavaScript、Python、Java、C++など、様々な言語のサンプルコードが用意されており、実践的な練習が可能です。特に優れている点は、括弧やセミコロンなどの記号も含めた練習ができることです。私はこのツールを使い始めてから、記号入力の速度が劇的に向上しました。
Keybr.com も素晴らしいツールです。このサイトの特徴は、あなたの弱点を分析して、苦手なキーを重点的に練習させてくれることです。例えば、私は最初「P」と「Q」の入力が遅かったのですが、これらのキーを含む単語が頻繁に出題されるようになり、自然と克服できました。
また、10FastFingers では、プログラミング用語に特化した練習モードがあります。function
、variable
、const
、return
といった頻出キーワードを繰り返し練習することで、コーディング時の入力速度が確実に向上します。
実践的な練習方法とスケジュール
ブラインドタッチを確実に習得するためには、計画的な練習が不可欠です。私が実際に3ヶ月でブラインドタッチをマスターした際のスケジュールを共有します。この方法なら、忙しいエンジニアでも無理なく習得できるはずです。
第1週〜第2週:基礎固め期間 最初の2週間は、ホームポジションの定着に専念します。1日15分、朝の仕事開始前に練習することを習慣化しました。この期間は速度を一切気にせず、正確性だけを追求します。具体的には、「asdf jkl;」の8文字だけを繰り返し入力し、指の動きを体に覚えさせます。退屈に感じるかもしれませんが、この基礎があるかないかで、その後の上達速度が大きく変わります。
第3週〜第6週:範囲拡張期間 基本の8文字が完璧になったら、徐々に範囲を広げていきます。まず上段(QWERT YUIOP)、次に下段(ZXCVB NM)と、段階的に習得していきます。この時期から、実際のプログラミングコードを使った練習も取り入れ始めます。簡単な変数宣言やループ文など、よく使う構文を繰り返し入力することで、実践的なスキルが身につきます。
第7週〜第12週:速度向上期間 すべてのキーをブラインドタッチできるようになったら、いよいよ速度向上に取り組みます。この段階では、1日30分の練習時間を確保し、実際の開発作業でも意識的にブラインドタッチを使うようにします。最初は普段より遅く感じてイライラすることもありますが、ここが踏ん張りどころです。2週間も経てば、以前より速く正確に入力できるようになっていることに気づくでしょう。
練習時の注意点
練習を始める前に、いくつか重要な注意点があります。これらを守ることで、効率的に、そして健康的にブラインドタッチを習得できます。
姿勢とキーボードの位置 正しい姿勢は、タイピング速度だけでなく、長期的な健康にも影響します。椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、肘が90度になるようにキーボードの高さを調整します。手首は真っ直ぐに保ち、手のひらでキーボードを支えないよう注意しましょう。私は以前、手首を曲げた状態でタイピングしていたため、腱鞘炎になりかけたことがあります。
休憩の重要性 連続して長時間練習することは避けましょう。25分練習したら5分休憩する「ポモドーロ・テクニック」を活用すると良いでしょう。休憩中は手首や指のストレッチを行い、目を休めることも忘れずに。集中力が続かない状態で練習を続けても、悪い癖がつくだけです。
完璧主義の罠 ブラインドタッチの習得において、最大の敵は完璧主義です。最初から100%の正確性を求めると、挫折しやすくなります。私の経験では、80%の正確性で速度を上げていき、徐々に正確性を高めていく方が効果的でした。ミスを恐れず、リズミカルに打つことを心がけましょう。
CAD設計エンジニア
CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。