エンジニア転職の成功には、企業研究が欠かせません。しかし、多くの転職者が表面的な情報収集に留まり、面接で企業への理解不足を露呈してしまうケースが後を絶ちません。
実は、適切な企業研究を行うことで、志望動機の説得力が格段に向上し、面接でも自信を持って自分をアピールできるようになります。技術スキルが重要視されるエンジニア転職においても、企業との適性を理解し、それを効果的に伝える能力は極めて重要です。
そこで本記事では、エンジニア転職において企業研究を戦略的に進める方法を詳しく解説します。情報収集のポイントから、それを活かした志望動機の構築、面接対策まで、実践的なノウハウを体系的に紹介していきます。
なぜエンジニア転職で企業研究が重要なのか
エンジニア転職における企業研究の重要性は、技術力だけでは測れない「企業との適性」を見極めるためにあります。同じプログラミング言語を使用する企業でも、開発方針や技術選定の考え方、チーム体制は大きく異なります。
多くのエンジニアが転職で後悔する理由として、「想像していた開発環境と違った」「技術的な成長が期待できなかった」といったミスマッチがあります。これらの問題は、表面的な求人情報だけでは判断できない企業の実情を知らないまま転職してしまうことが原因です。
企業研究を適切に行うことで、自分の技術的な志向やキャリアビジョンと企業の方向性が一致しているかを事前に確認できます。さらに、面接の場で企業の課題や方向性を理解していることを示すことができれば、採用担当者に対して強い印象を与えることができるでしょう。
エンジニア転職における企業研究の3つのメリット
企業研究を徹底することで得られるメリットは多岐にわたります。第一に、志望動機の説得力が格段に向上します。「御社の技術スタックに興味があります」といった抽象的な志望動機ではなく、「御社が力を入れているマイクロサービス化の取り組みに共感し、私の前職でのコンテナ技術の経験を活かしたい」といった具体的で説得力のある志望動機を構築できます。
第二に、面接でのアピールポイントが明確になります。企業が抱えている技術的な課題や今後の方向性を理解していれば、自分のスキルや経験がどのように貢献できるかを具体的に示すことができます。これは面接官にとっても、候補者の入社後の活躍イメージを描きやすくなる重要な要素です。
第三に、転職後のミスマッチを防ぐことができます。企業の開発文化、技術選定の基準、チーム体制などを事前に把握することで、自分が求める環境と企業の実態が一致しているかを判断できます。これにより、転職後の満足度も大幅に向上するでしょう。
エンジニア転職で調べるべき企業情報の全体像
エンジニア転職における企業研究では、技術的な側面だけでなく、ビジネス面や組織面、文化面など多角的に企業を理解することが重要です。表面的な情報だけでは、入社後のミスマッチを防ぐことができません。
企業研究で押さえるべき主要な項目は、技術面では使用している技術スタック、開発体制、技術選定の基準、インフラ環境などがあります。ビジネス面では事業内容、市場でのポジション、成長性、競合他社との差別化要因などを把握する必要があります。
組織面では会社の規模、チーム構成、意思決定プロセス、キャリアパス、評価制度などが重要な要素となります。また、企業文化については働き方、コミュニケーションスタイル、学習支援制度、エンジニアの裁量権なども確認しておきたいポイントです。
技術面での企業研究のポイント
技術面での企業研究では、まず現在使用されている技術スタックを詳しく調査することから始めます。プログラミング言語、フレームワーク、データベース、クラウドサービス、開発ツールなど、具体的な技術要素を把握することで、自分のスキルとの適合性を判断できます。
開発体制についても深く理解する必要があります。アジャイル開発やウォーターフォール開発といった開発手法、コードレビューの仕組み、テスト自動化の導入状況、CI/CDパイプラインの構築状況なども重要な要素です。これらは日常的な開発業務の質に直結するため、しっかりと確認しておきましょう。
技術選定の基準や方針も企業研究の重要な要素です。新しい技術の導入に積極的な企業なのか、安定性を重視して枯れた技術を選択する企業なのかによって、エンジニアとしての成長環境は大きく変わります。技術ブログやカンファレンスでの発表内容から、企業の技術的な方向性を読み取ることができます。
ビジネス面での企業研究のポイント
ビジネス面での企業研究では、まず企業の事業内容と市場での立ち位置を正確に把握することが重要です。同じテクノロジーを使っていても、BtoBかBtoCか、自社サービスかクライアントワークかによって、エンジニアの役割や成長機会は大きく異なります。
企業の成長性についても詳しく調査する必要があります。売上高の推移、新規事業への投資状況、海外展開の有無、資金調達の状況など、企業の将来性を示す指標を確認しましょう。成長している企業では新しい技術への投資も積極的に行われる傾向があり、エンジニアとしての成長機会も豊富に用意されています。
競合他社との差別化要因も重要な調査項目です。技術的な優位性、サービスの独自性、顧客基盤の強さなど、企業が市場で競争優位を保つための要因を理解することで、その企業で働く意義や将来性を判断できます。また、業界全体のトレンドと企業の戦略の整合性も確認しておきましょう。
組織面での企業研究のポイント
組織面での企業研究では、チーム構成や意思決定プロセスを詳しく調査することが重要です。フラットな組織構造なのか、階層的な組織なのか、エンジニアの意見がプロダクトに反映されやすい環境なのかなど、働きやすさに直結する要素を把握しましょう。
キャリアパスについても詳しく調査する必要があります。技術職としてのスペシャリストコースがあるのか、マネジメント職への道筋が明確なのか、社内での職種転換が可能なのかなど、自分のキャリアビジョンと企業の制度が合致しているかを確認しましょう。
評価制度も重要な調査項目です。技術的な成果がどのように評価されるのか、昇進や昇給の基準は何なのか、360度評価やピアレビューなど、どのような評価手法が採用されているのかを理解することで、自分の能力を適切に評価してもらえる環境かどうかを判断できます。
効率的な企業研究の進め方とは
企業研究を効率的に進めるためには、情報収集の手順を体系化し、限られた時間で最大の成果を得られるよう戦略的にアプローチすることが重要です。やみくもに情報を収集するのではなく、調査の目的を明確にし、優先順位をつけて進めることで、質の高い企業研究が可能になります。
最初に取り組むべきは、公開情報の収集です。企業の公式ウェブサイト、IR情報、プレスリリース、技術ブログなど、企業が発信している情報を網羅的に確認しましょう。これらの情報は信頼性が高く、企業の公式見解を知ることができます。
次に、第三者の視点から企業を分析した情報を収集します。業界レポート、競合分析、従業員の口コミサイト、技術カンファレンスでの発表内容などから、より客観的な企業像を把握できます。複数の情報源から情報を収集することで、企業の実態をより正確に理解できるでしょう。
公開情報から読み取れる企業の実態
企業の公式ウェブサイトは、企業研究の出発点となる重要な情報源です。事業内容、企業理念、技術的な取り組み、社員インタビューなど、企業が伝えたいメッセージを読み取ることができます。特に、技術ブログやエンジニア向けの採用ページは、開発環境や技術文化について詳しい情報を得られる貴重な情報源です。
IR情報からは、企業の財務状況や事業戦略、将来計画などを把握できます。売上高の推移、研究開発費の投資状況、新規事業への取り組みなど、企業の成長性や安定性を判断する重要な指標が含まれています。上場企業の場合は、四半期ごとの業績発表や中期経営計画なども確認しましょう。
プレスリリースも重要な情報源です。新サービスの発表、技術提携、人材採用方針の発表など、企業の最新の動向を把握できます。特に、技術的な取り組みや新しい挑戦に関するプレスリリースは、企業の技術的な方向性を理解するのに役立ちます。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
関連記事 IT業界の転職知識まとめ
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
参照:職種別平均年収ランキング【2020年版】|マイナビエージェント
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
関連記事 IT未経験者必見!IT業界へ転職する際の志望動機は?おすすめ文例もご紹介 未経験からITエンジニアになるには?目指す方法や向いている人の特徴について解説
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
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まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。