グローバル化が加速するIT業界において、技術英語は単なるスキルを超えた「キャリアの分岐点」となっています。私が過去にサポートした転職成功者の中でも、英語力を武器にGAFAやユニコーン企業への転職を実現した方が数多くいます。
実は多くのエンジニアが見落としているのですが、日本のIT企業と海外企業では技術英語に対する要求水準が大きく異なります。ところで、英語ができるエンジニアは年収で平均300万円以上の差がつくというデータもあり、これは決して偶然ではありません。
本記事では、技術英語の習得からグローバル企業への転職成功まで、実践的な戦略を段階的に解説していきます。単なる語学学習ではなく、エンジニアとしてのキャリア価値を最大化する技術英語の活用法をお伝えします。
なぜエンジニアに技術英語が必要なのか
現代のIT業界では、技術の最新情報はほぼすべて英語で発信されています。Stack Overflow、GitHub、各種技術ドキュメント、そして重要なOSSプロジェクトのコミュニケーションまで、すべて英語が標準言語です。
技術英語ができるエンジニアは、情報収集の速度と質が圧倒的に向上します。新しいフレームワークや技術トレンドを日本語訳を待つことなく、リアルタイムで習得できるのです。これは競合他社のエンジニアに対する大きなアドバンテージとなります。
さらに重要なのは、グローバル企業での働き方です。Googleやマイクロソフト、Meta(旧Facebook)などの外資系IT企業では、技術仕様書から設計会議、コードレビューまで、すべて英語で行われます。ここで求められるのは日常英会話ではなく、技術的な議論を正確に理解し、自分の意見を論理的に表現する「技術英語」なのです。
グローバル企業が求める技術英語レベル
グローバルIT企業では、以下のような技術英語スキルが求められます。まず、技術ドキュメントの読解力は必須です。API仕様書、アーキテクチャ設計書、セキュリティガイドラインなど、複雑な技術文書を正確に理解できることが前提となります。
次に重要なのが、技術的なディスカッション能力です。オンライン会議での技術議論、Slackでのリアルタイムコミュニケーション、PullRequestでのコードレビューコメントなど、様々な場面で技術的な内容を英語で表現する能力が必要です。
最後に、プレゼンテーション能力も重要な要素です。自分が開発したシステムの説明、技術提案の発表、障害対応の報告など、聴衆に対して技術内容を分かりやすく伝える英語力が求められます。
技術英語習得の体系的アプローチ
技術英語の習得には、一般的な英語学習とは異なる戦略的アプローチが必要です。まず理解すべきは、技術英語には独特の文体と専門用語があるということです。
技術文書では受動態が多用され、簡潔で論理的な表現が好まれます。また、IT業界特有の専門用語や略語が頻繁に使用されるため、これらを体系的に習得する必要があります。
フェーズ1:基礎的な技術英語の構築
最初の段階では、技術英語の基礎となる語彙力と読解力を身につけます。推奨する学習方法は、毎日30分間の技術文書読解練習です。具体的には、GitHubの有名なOSSプロジェクトのREADMEファイルや、AWS・Azure・GCPの公式ドキュメントを読むことから始めましょう。
この段階で重要なのは、分からない単語をそのまま放置しないことです。技術用語専用の単語帳を作成し、文脈と合わせて記録していきます。例えば「scalability」という単語も、インフラの文脈では「拡張性」、データベースの文脈では「スケーラビリティ」と、具体的な技術領域での使われ方を理解することが重要です。
さらに効果的なのは、自分の専門分野に関連する英語の技術ブログを定期購読することです。Medium、Dev.to、Hacker Noonなどのプラットフォームで、自分の得意領域(フロントエンド、バックエンド、DevOps等)の記事を継続的に読むことで、自然と専門用語に慣れ親しむことができます。
フェーズ2:アウトプット能力の強化
読解力がある程度身についたら、次は英語での技術的アウトプット能力を鍛えます。最も効果的な方法は、自分の技術ブログを英語で書くことです。最初は短い記事から始めて、徐々に技術チュートリアルやプロジェクト解説などの長文に挑戦していきます。
GitHubのコミットメッセージやPull Requestの説明を英語で書く練習も非常に有効です。これは実際の開発業務で使用する英語表現を自然に身につけられる方法です。「Fix bug in user authentication」「Add unit tests for payment module」など、簡潔で分かりやすい技術英語の表現パターンを習得できます。
また、StackOverflowでの質問や回答も優れた学習機会です。技術的な問題を英語で正確に表現し、他の開発者からの回答を理解することで、実際の開発現場で使われる生きた技術英語を学べます。
フェーズ3:コミュニケーション能力の向上
技術英語の最終段階は、リアルタイムでのコミュニケーション能力の向上です。この分野では、オンライン英会話サービスの中でも技術系に特化したプログラムを活用することをお勧めします。
効果的な練習方法として、技術プレゼンテーションの英語版作成があります。自分が参加したプロジェクトや開発した機能について、10分程度の英語プレゼンテーションを作成し、実際に声に出して練習します。この際、技術的な質問に英語で答える練習も併せて行うと、より実践的なスキルが身につきます。
海外のオンライン技術カンファレンスやWebinarへの参加も貴重な学習機会です。リアルタイムで技術的な議論を聞き、チャットでの質問やコメントを通じて、グローバルな技術コミュニティとの交流を図ることができます。
グローバル企業転職への実践的戦略
技術英語力が一定水準に達したら、いよいよグローバル企業への転職戦略を立てましょう。まず重要なのは、ターゲット企業の技術スタックと企業文化を深く理解することです。
グローバル企業の採用プロセスは、日本企業とは大きく異なります。技術面接では、ホワイトボードコーディングやシステム設計を英語で説明する能力が求められます。また、行動面接(Behavioral Interview)では、過去の経験を英語で論理的に説明し、困難な状況での問題解決能力をアピールする必要があります。
英語での技術面接対策
英語での技術面接に向けた準備では、まず典型的な技術質問への回答パターンを英語で練習します。「Explain the difference between SQL and NoSQL databases」「How would you design a scalable web application?」といった質問に対して、構造化された回答ができるよう訓練します。
重要なのは、単に技術的な知識を英語で説明するだけでなく、なぜその技術選択をしたのか、どのような問題を解決したのかといった背景も含めて論理的に説明することです。これにより、技術力だけでなく問題解決思考力もアピールできます。
コーディング面接では、アルゴリズムの実装過程を英語で説明しながら進める練習が必要です。「I'm going to use a hash map to store...」「The time complexity of this approach would be...」といった表現を自然に使えるよう、繰り返し練習することが重要です。
履歴書・職務経歴書の英語化戦略
英語の履歴書(Resume)作成では、日本の履歴書とは全く異なるアプローチが必要です。まず、技術的な成果を定量的に表現することが重要です。「システムパフォーマンスを40%改善」「API応答時間を200ms短縮」といった具体的な数値を用いて、自分の貢献を明確に示します。
プロジェクトの説明では、使用した技術スタック、自分の役割、達成した成果を簡潔にまとめます。「Led a team of 5 engineers to migrate legacy system to microservices architecture using Docker and Kubernetes, resulting in 50% improvement in deployment frequency」といった具合に、技術的な詳細と業務への影響を両方含めることが重要です。
また、オープンソースへの貢献、技術ブログの執筆、カンファレンスでの発表など、技術コミュニティでの活動も積極的にアピールしましょう。これらの活動は、技術に対する熱意と継続的な学習姿勢を示す重要な要素となります。
年収1500万円を実現するキャリア戦略
グローバル企業で高年収を実現するためには、技術英語力に加えて戦略的なキャリア構築が必要です。まず理解すべきは、海外企業では職種別の年収レンジが明確に設定されているということです。
Senior Software Engineer、Staff Engineer、Principal Engineerといった技術職のキャリアラダーを理解し、それぞれのレベルで求められるスキルセットを把握することが重要です。年収1500万円レベルは、通常Senior Engineer以上のポジションで実現可能となります。
技術的専門性の深化
高年収を実現するための重要な要素の一つが、深い技術的専門性です。単に複数の技術を浅く知っているだけでなく、特定の領域で深い専門知識を持つことが評価されます。
例えば、分散システムの設計、大規模システムのパフォーマンス最適化、機械学習アルゴリズムの実装、セキュリティアーキテクチャの構築など、高度な技術領域での専門性を身につけることで、市場価値を大幅に向上させることができます。
また、新しい技術トレンドを早期にキャッチアップし、実際のプロジェクトで活用した経験も高く評価されます。クラウドネイティブ技術、コンテナオーケストレーション、マイクロサービスアーキテクチャなど、現在需要が高まっている技術領域での実績を積むことが重要です。
リーダーシップとコミュニケーション能力
技術的なスキルに加えて、リーダーシップとコミュニケーション能力も年収向上の重要な要素です。特にグローバル企業では、多様な文化的背景を持つチームメンバーと効果的に協働できる能力が高く評価されます。
プロジェクトマネジメント経験、後輩エンジニアのメンタリング、ステークホルダーとの技術調整など、技術力を基盤としたリーダーシップ経験を積むことで、より高いポジションへの道筋が見えてきます。
英語でのプレゼンテーション能力、技術文書の作成能力、クロスファンクショナルチームでの協働経験なども、グローバル企業で重視されるスキルです。
継続的な成長のための学習戦略
技術英語とグローバルキャリアの発展は、一度習得すれば終わりではありません。IT業界の急速な変化に対応するため、継続的な学習と成長が必要です。
まず重要なのは、技術トレンドの英語情報源を常にモニタリングすることです。Hacker News、Reddit(/r/programming)、Twitter上の技術リーダーたちのツイートなど、最新の技術情報を英語で収集する習慣を身につけましょう。
また、グローバルな技術カンファレンスやWebinarへの定期的な参加も重要です。Google I/O、AWS re:Invent、Microsoft Build、DockerCon、KubeCon等の主要なイベントでは、最新技術の発表と同時に、業界のトップエンジニアたちの英語プレゼンテーションを学ぶことができます。
ネットワーキングとコミュニティ参加
グローバルなキャリア発展には、国際的な技術コミュニティとのネットワーキングが不可欠です。LinkedInでの技術リーダーとの繋がり、GitHubでのオープンソース活動、技術ブログでの情報発信など、様々なチャンネルを通じて自分の存在感を高めていきます。
特に効果的なのは、英語での技術ブログ執筆です。自分の専門領域に関する深い洞察や、プロジェクトでの課題解決事例を英語で発信することで、グローバルな技術コミュニティでの認知度を高めることができます。
また、オープンソースプロジェクトへの貢献も重要な活動です。コードの実装だけでなく、ドキュメントの改善、バグレポートの作成、コミュニティでの技術的議論への参加など、様々な形でのコントリビューションが可能です。
まとめ
技術英語の習得は、現代のエンジニアにとって単なるスキルアップを超えた「キャリアの投資」です。グローバル化が進むIT業界において、技術英語力はキャリアの選択肢を大幅に拡大し、年収向上の確実な手段となります。
重要なのは、体系的な学習アプローチと継続的な実践です。読解力から始まり、ライティング、そして最終的にはリアルタイムコミュニケーション能力まで、段階的にスキルを積み上げていくことで、確実な成長を実現できます。
年収1500万円というレベルは決して夢物語ではありません。技術英語力を武器に、グローバル企業での専門性を磨き、リーダーシップを発揮することで、多くのエンジニアが実際に実現している現実的な目標です。
今すぐ行動を起こし、技術英語の学習を開始することで、あなたのエンジニアキャリアは新たな次元へと進化するでしょう。グローバルな舞台で活躍するエンジニアとしての第一歩を、今日から踏み出してください。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。