エンジニアとして転職を考える際、職場のハラスメント問題は深刻な懸念事項の一つです。技術職特有の環境では、コードレビューでの厳しい指摘がパワハラに発展したり、男性が多い職場でのセクハラ被害など、特有の問題が存在します。
実は、エンジニア業界では約3割の技術者がなんらかのハラスメントを経験しているという調査結果があります。しかし適切な知識と対策を身につけることで、これらの問題から身を守ることができるのも事実です。
転職活動では、理想的な技術環境だけでなく、心理的安全性の高い職場を見極めることが重要です。この記事では、エンジニア転職時に知っておくべきハラスメント対策について、予防から対処法まで実践的に解説していきます。
エンジニア業界におけるハラスメントの現状
IT業界は急成長を続ける一方で、職場環境の課題も表面化しています。エンジニアが直面するハラスメント問題は、技術職特有の背景があることを理解しておく必要があります。
技術系職場で起こりやすいハラスメントの特徴
エンジニアの職場では、コードレビューや技術的な議論が日常的に行われています。これらの場面では、建設的な批判と破壊的な攻撃の境界が曖昧になりがちです。例えば、経験の浅いエンジニアのコードに対して「こんなコードを書くなんて、プログラマーとして失格だ」といった人格否定を含む指摘が行われることがあります。
男性比率の高い職場環境も特徴の一つです。女性エンジニアが少数派である環境では、無意識のバイアスや性別に基づいた偏見が発生しやすくなります。また、長時間労働が常態化しやすい業界でもあるため、ストレスによる感情的な爆発や、プレッシャーを他者に転嫁する行動が見られることもあります。
リモートワークの普及により、オンライン上でのハラスメントも新たな問題として浮上しています。チャットやビデオ会議での不適切な発言、プライベートな連絡の強要など、従来の対面でのハラスメントとは異なる形態も増えています。
統計で見るIT業界のハラスメント実態
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、IT業界におけるハラスメントの発生率は他業界と比較しても決して低くありません。特に、技術的な能力を理由とした精神的な攻撃や、性別による差別的な扱いが報告されています。
転職を検討する理由として「職場の人間関係」を挙げるエンジニアも多く、その背景にはハラスメント問題が潜んでいるケースが少なくありません。健全な職場環境で働くことは、技術者としてのパフォーマンス向上にも直結する重要な要素なのです。
エンジニア職場で起こりがちなハラスメントの種類
エンジニア業界では、一般的なハラスメントに加えて技術職特有の問題が発生することがあります。それぞれの特徴を理解することで、適切な対応策を講じることができます。
テクニカルハラスメント(技術力に関する嫌がらせ)
プログラミング能力や技術スキルを理由とした嫌がらせです。具体的には、経験の浅いエンジニアに対して「こんなコードも書けないのか」「センスがない」といった人格否定的な指摘が行われることがあります。建設的なフィードバックとは異なり、相手の成長を阻害し、自信を失わせることを目的とした行為です。
コードレビューの場面では特に発生しやすく、技術的な指摘に感情的な要素が混入することで、受け手に深刻な心理的ダメージを与えることがあります。また、新しい技術トレンドについていけないベテランエンジニアが、若手に対して嫉妬心から嫌がらせを行うケースも報告されています。
性別に基づくハラスメント
女性エンジニアが少数派である環境では、性別に基づいた偏見や差別的な扱いが問題となります。例えば、「女性だから技術力が劣る」といった先入観や、技術的な議論の場で女性の意見が軽視される、重要なプロジェクトから外されるなどの事例が報告されています。
また、飲み会や懇親会での不適切な発言、プライベートな質問の強要、身体的接触なども深刻な問題です。リモートワーク環境においても、ビデオ会議での不適切な発言や、プライベートチャットでの迷惑行為が新たな課題として浮上しています。
パワーハラスメント(権力の濫用)
上司や先輩エンジニアが立場を利用して行う嫌がらせです。過度な長時間労働の強要、理不尽な締切の設定、人格否定的な叱責などが典型例です。特に、技術職においては「技術力向上のため」という名目で、実際には不当な扱いが正当化されることがあります。
プロジェクトマネージャーやテックリードによる権威的な態度、部下の意見を聞かない独断的な決定、失敗に対する過度な責任追及なども該当します。また、昇進や昇格を人質に取った脅迫的な行為も深刻な問題となっています。
オンラインハラスメント(デジタル環境での嫌がらせ)
リモートワークの普及により、オンライン上でのハラスメントも新たな問題となっています。チャットツールでの不適切な発言、プライベートなメッセージの送信、ビデオ会議での迷惑行為などがこれに該当します。
特に、Slackや社内チャットでの陰湿ないじめ、GitHubでのコードに対する人格攻撃的なコメント、社内SNSでの誹謗中傷などが報告されています。デジタル環境では証拠が残りやすい反面、24時間いつでも被害を受ける可能性があるという特徴があります。
モラルハラスメント(精神的な嫌がらせ)
エンジニア特有のモラルハラスメントには、技術的な無視や孤立化があります。重要な技術情報を共有しない、チーム会議から意図的に外す、質問に答えない、などの行為です。また、新しいプロジェクトやスキルアップの機会から排除することで、キャリア形成を阻害する行為も含まれます。
エイジハラスメント(年齢に関する嫌がらせ)
技術の進歩が速いIT業界では、年齢に関するハラスメントも発生しやすい環境です。ベテランエンジニアに対して「新しい技術についていけない」「もう時代遅れ」といった発言や、逆に若手エンジニアに対して「経験が浅い」「まだ何もわかっていない」といった年齢を理由とした差別的扱いがあります。
転職前に見極めるべき職場の危険サイン
転職活動では、企業の技術環境だけでなく、職場の人間関係や組織文化も重要な判断材料となります。面接や企業見学の際に、以下のようなサインを見逃さないよう注意深く観察することが大切です。
面接での危険サイン
面接官の態度や質問内容から、職場環境の健全性を推測することができます。まず注意すべきは、面接官が応答者の人格を否定するような発言をする場合です。例えば、「前職ではどんなミスをしましたか?」といった質問に対して、回答内容を一方的に批判したり、「そんな考え方だから成長できない」といった人格攻撃的な発言をする面接官がいる企業は要注意です。
技術面接においても、問題を解けなかった際の面接官の反応に注目しましょう。建設的なヒントを出さず、冷笑的な態度を取ったり、「この程度も分からないのか」といった見下すような発言をする場合は、日常的にそうした文化がある可能性が高いといえます。
女性の場合は、「結婚や出産の予定はありますか?」「残業や休日出勤は大丈夫ですか?」といった性別に基づく質問が繰り返される企業も避けるべきでしょう。これらは法的にも問題のある質問であり、ダイバーシティへの意識が低い組織の表れです。
オフィス見学での確認ポイント
可能であれば、実際の職場を見学させてもらうことをお勧めします。その際、従業員同士のコミュニケーションの様子を観察してみてください。異常に静寂な環境や、ピリピリとした緊張感が漂っている職場は、心理的安全性が確保されていない可能性があります。
逆に、適度な雑談や笑い声があり、困っている人がいれば自然に助け合う光景が見られる職場は、健全な組織文化を持っている証拠です。また、女性エンジニアの存在やその活躍ぶりも重要な指標となります。女性が極端に少ない、または補助的な役割に限定されている場合は、ジェンダーバイアスが存在する可能性があります。
求人情報や企業ホームページでの確認事項
求人情報の文言にも注意を払いましょう。「体育会系の雰囲気」「アットホームな職場」「厳しい指導で成長できる」といった曖昧な表現は、実際にはハラスメントが常態化している職場を美化している可能性があります。
企業のホームページやSNSで、ダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組みが明記されているか、ハラスメント防止に関する方針が明確に示されているかも確認ポイントです。また、従業員の声や働き方に関する情報が透明性を持って公開されている企業は、オープンな企業文化を持っている可能性が高いといえます。
現在の従業員からの情報収集
SNSや転職口コミサイト、業界の勉強会などを通じて、実際にその企業で働いている(または働いていた)エンジニアから生の声を聞くことは非常に有効です。特に、転職理由や職場の人間関係について率直な意見を聞ける機会があれば、積極的に活用しましょう。
ただし、口コミサイトの情報は主観的で偏りがある場合も多いため、複数の情報源から総合的に判断することが重要です。また、直接的にハラスメントについて質問するのは難しい場合もあるため、「働きやすさ」「チームの雰囲気」「上司との関係」といった間接的な質問から情報を得ることをお勧めします。
企業の対応履歴の確認
可能であれば、過去にその企業でハラスメント問題が発生した際の対応についても調べてみましょう。ニュース記事や企業の公式発表、労働基準監督署の指導歴なども参考になります。問題が発生した際に適切に対処し、再発防止策を講じている企業は信頼できると判断できます。
逆に、問題を隠蔽したり、被害者を責める姿勢を見せたりする企業は避けるべきでしょう。また、離職率の高さや頻繁な組織改編も、職場環境に問題がある可能性を示唆している場合があります。
ハラスメント予防のための実践的対策
エンジニアとして健全な職場環境で働くためには、ハラスメントを未然に防ぐための知識と準備が欠かせません。個人レベルでできる対策から、組織的な取り組みまで、包括的なアプローチが重要です。
個人でできる予防策
自分自身を守るための最も基本的な対策は、ハラスメントの定義と自身の権利について正しく理解することです。労働法や男女共同参画社会基本法などの法的知識を身につけることで、不当な扱いを受けた際に適切に対処できるようになります。
日々のコミュニケーションでは、明確な境界線を設定することが重要です。例えば、技術的な議論において感情的な攻撃を受けた際は、冷静に「技術的な指摘に留めてください」と伝えることで、相手に問題行動を認識させることができます。また、不適切な発言や行動については、その場で明確に拒否の意思を示すことが大切です。
記録を残すことも重要な予防策の一つです。日常的な業務メモに、日時、場所、関係者、内容を詳細に記録する習慣をつけましょう。デジタルツールを活用して、チャットのスクリーンショットやメールの保存、音声録音(法的に許される範囲で)なども有効な証拠となります。
チームレベルでの取り組み
チームリーダーやプロジェクトマネージャーの立場にある場合は、心理的安全性の高いチーム文化を積極的に構築しましょう。定期的な1on1ミーティングの実施、匿名で意見を投稿できるフィードバックシステムの導入、多様性を尊重する価値観の共有などが効果的です。
コードレビューのガイドラインを明確に定めることも重要です。技術的な指摘に留める、建設的なフィードバックを心がける、人格攻撃は一切行わない、といったルールを設定し、チーム全体で共有します。また、新人エンジニアに対するメンタリング体制を整備し、技術的な成長をサポートする環境を作ることで、ハラスメントの発生を防ぐことができます。
組織としての制度整備
企業レベルでの対策として、ハラスメント防止に関する明確な方針の策定と周知徹底が必要です。就業規則にハラスメント禁止条項を明記し、違反者への処分規定も明確にしておくことで、抑制効果を期待できます。
相談窓口の設置も重要な取り組みです。人事部門だけでなく、外部の専門機関との提携、匿名相談システムの導入、男女両方のカウンセラーの配置など、被害者が相談しやすい環境を整備することが大切です。
定期的な研修や啓発活動も効果的です。管理職向けのマネジメント研修、全社員対象のダイバーシティ研修、技術職特有のハラスメント防止研修などを実施することで、組織全体の意識向上を図ることができます。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。