技術記事を書くことが、エンジニアのキャリアアップに直結することをご存知でしょうか。私の周りでも、Qiitaでの積極的な情報発信をきっかけに、年収が300万円以上アップした例が複数あります。
実は、多くのIT企業の採用担当者が、候補者のQiitaやZenn、技術ブログをチェックしています。履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない、技術への理解度や説明力、問題解決能力が、記事を通じて自然に伝わるからです。私自身も採用に関わる立場として、技術記事を書いているエンジニアは、そうでない人と比べて技術への向き合い方が違うと感じています。
しかし「何を書けばいいかわからない」「書く時間がない」「批判されるのが怖い」といった理由で、多くのエンジニアが技術記事執筆を敬遠しています。この記事では、そんな不安を解消し、戦略的な技術記事執筆で転職市場での価値を高める方法を詳しく解説します。
なぜ技術記事執筆がエンジニアの転職に有利なのか
技術記事の執筆が転職活動において強力な武器になる理由は、大きく分けて3つあります。それぞれの理由を深掘りしてみると、単なる情報発信以上の価値があることがわかります。
技術記事は、エンジニアとしての能力を多角的に証明できる最良のツールです。コードを書く能力だけでなく、問題解決への思考プロセス、技術への理解度、そして何より「他人に分かりやすく説明する力」が如実に表れます。採用担当者の立場から見ると、技術記事を定期的に書いているエンジニアは、技術的な成長意欲が高く、チーム内での知識共有にも積極的である可能性が高いと判断できるのです。
さらに興味深いのは、技術記事の執筆が「受動的な転職活動」として機能することです。良質な記事を公開していると、企業の採用担当者やリクルーターから直接スカウトが来ることも珍しくありません。私の知人のケースでは、Qiitaで公開したTypeScriptの型パズルに関する記事がきっかけで、大手IT企業から声がかかり、結果的に年収が400万円アップしたという例もあります。
そして何より重要なのは、技術記事の執筆を通じて、自分自身の理解が深まることです。人に説明するためには、自分が本当に理解していなければなりません。曖昧な理解では記事は書けないのです。この過程で得られる深い理解は、面接での技術的な質問に対する回答の質を格段に向上させます。
採用担当者が技術記事をチェックする理由
私が採用に関わってきた経験から言えることは、多くの企業で技術記事の有無が選考の重要な判断材料になっているということです。特にスタートアップやテック系企業では、候補者のGitHubアカウントと同じくらい、QiitaやZennのプロフィールをチェックすることが一般的になっています。
採用担当者が技術記事を重視する理由は明確です。技術記事からは、履歴書では見えない候補者の素顔が見えてくるからです。どんな技術に興味を持っているか、問題にどうアプローチするか、コードの品質はどうか、説明は論理的か、といった点が手に取るようにわかります。
実際、ある大手Web系企業の採用マネージャーは「技術記事を書いている候補者は、書いていない候補者と比べて書類選考の通過率が約2倍高い」と話していました。これは単に技術力の差だけでなく、アウトプットの習慣がある人は入社後も積極的に知識共有をしてくれる可能性が高いという期待値も含まれています。
技術記事が証明する5つの能力
技術記事の執筆を通じて証明できる能力は、実は技術力だけではありません。優れた技術記事は、エンジニアとして必要な総合的な能力を示すショーケースとなります。
第一に、当然ながら技術的な理解度が証明されます。しかし、それ以上に重要なのは「問題解決能力」です。多くの技術記事は「こんな問題があった」「こう解決した」という構成になっています。この問題解決のプロセスを言語化できることは、実務でも同様のアプローチができることの証左となります。
第二に、コミュニケーション能力が明確に示されます。技術的な内容を、読者のレベルに合わせて分かりやすく説明する能力は、チーム開発において極めて重要です。コードレビューでの指摘、仕様の説明、新人への技術指導など、あらゆる場面で必要とされる能力です。
第三に、学習意欲と成長志向が見て取れます。定期的に記事を書いているということは、常に新しい技術や知識を吸収し、それを整理してアウトプットしているということです。これは「学び続けるエンジニア」という、多くの企業が求める人材像と合致します。
転職市場で評価される技術記事の特徴
技術記事といっても、ただ書けばいいというものではありません。転職市場で高く評価される記事には、いくつかの共通した特徴があります。これらの特徴を理解し、意識的に取り入れることで、より効果的なアウトプットが可能になります。
私が多くの採用担当者や技術責任者と話す中で見えてきたのは、彼らが求めているのは「実務で役立つ実践的な内容」だということです。理論的な解説も重要ですが、それ以上に「実際にどう使うか」「どんな問題が起きて、どう解決したか」という実践的な内容が評価されます。
さらに重要なのは、記事の構成と読みやすさです。技術的に優れた内容でも、構成が乱雑で読みにくければ、その価値は半減してしまいます。優れた技術記事は、問題提起から解決までの流れが明確で、読者が迷うことなく理解できるよう工夫されています。
実務経験に基づく問題解決型の記事
最も評価が高いのは、実際の開発現場で遭遇した問題と、その解決過程を詳細に記述した記事です。「Reactのパフォーマンスが悪化した原因を特定し、改善した話」「マイクロサービス間の通信でデッドロックが発生した際の調査と対策」といった、具体的な問題解決の記録は、読者にとって非常に価値があります。
こうした記事が評価される理由は明確です。同じような問題に直面している他のエンジニアにとって、実践的な解決策を提供できるからです。また、採用担当者から見れば、実務で問題に直面した際の思考プロセスや解決能力を具体的に確認できる貴重な資料となります。
私の経験では、こうした問題解決型の記事は、単なる技術解説記事と比べて約3倍のブックマーク数を獲得する傾向があります。読者にとって「いつか役立つかもしれない」知識として保存される価値があるからです。
初心者にも分かりやすい技術解説
技術記事で陥りがちな罠は、自分の理解レベルを基準に書いてしまうことです。しかし、本当に価値のある記事は、初心者から上級者まで、幅広い読者層に価値を提供できるものです。
優れた技術解説記事は、専門用語を使う際に必ず簡潔な説明を添え、前提知識を明確にし、段階的に理解を深められるよう構成されています。「なぜこの技術が必要なのか」という背景から始まり、基本的な概念を説明し、徐々に応用的な内容へと展開していく。この流れが、読者の理解を確実なものにします。
特に効果的なのは、図解やコード例を豊富に使うことです。抽象的な概念も、適切な図解があれば理解しやすくなります。また、実際に動くコードサンプルを提供することで、読者は手を動かしながら理解を深めることができます。
Qiitaで記事を書く際の戦略的アプローチ
Qiitaは日本最大級の技術情報共有プラットフォームとして、多くのエンジニアに利用されています。月間アクティブユーザー数は600万人を超え、技術記事の投稿先として最も影響力のあるプラットフォームの一つです。しかし、ただ記事を投稿すればいいというものではありません。戦略的にアプローチすることで、より多くの読者に届き、転職活動にも有利に働く記事を作ることができます。
Qiitaの特徴として押さえておきたいのは、読者層の大半が現役のエンジニアであるということです。つまり、技術的に正確で実践的な内容が求められます。一方で、初心者エンジニアも多く利用しているため、分かりやすさも重要な要素となります。このバランスを取ることが、Qiitaで評価される記事を書くポイントです。
また、Qiitaには独自の文化があります。建設的な議論を重視し、批判よりも改善提案を歓迎する風土があります。この文化を理解し、尊重することで、コミュニティから良い反応を得られる可能性が高まります。
読まれる記事タイトルの作り方
記事の内容がどんなに優れていても、タイトルが魅力的でなければ読まれません。Qiitaのトップページやタイムラインで、数多くの記事の中から選んでクリックしてもらうためには、タイトルが極めて重要です。
効果的なタイトルの特徴として、まず具体性が挙げられます。「JavaScriptの小技」というような漠然としたタイトルよりも、「JavaScriptで配列から重複を削除する3つの方法とパフォーマンス比較」のように、何が学べるかが明確なタイトルの方が圧倒的にクリック率が高くなります。
もう一つ重要なのは、読者のメリットを明確にすることです。「〜を解決する方法」「〜を高速化する技」「〜のエラーを回避する」といった、読者が得られる価値を明示することで、記事への関心を高めることができます。実際、私が分析した限りでは、問題解決型のタイトルは、単なる解説型のタイトルと比べて約2.5倍のページビューを獲得しています。
Webデザイナー
Webデザイナーは、企業や個人から依頼されたWebサイトのデザインを制作する仕事です。サイトの企画や実際のサイトを制作するコーディングまで担当することもあります。そのため、高いデザインスキルに加え、コーディングするためのプログラミングスキルも求められます。
Webディレクター
Webディレクターは、Web制作の中心的な役割を担います。プロジェクトのスケジュールを立て、管理・進行するのが主な業務です。現場の責任者として全体に指示を出しつつ、クライアントの窓口にもなります。要望をヒアリングして現場に伝えるコミュニケーション能力に加え、Webに関する幅広い知識が求められる職種です。
Webマーケター
Webマーケターは、主にWebを活用した集客や売り上げ増進を狙う職種です。具体的には、SEO施策やSNSの運用、広告の管理などを行い、ターゲットとなる顧客にアプローチします。特にWebマーケティングの成果はデータ分析によって可視化されやすく、施策の効果測定がしやすいのが特徴です。資格が不要なため、IT未経験者でも入りやすい職種ですが、Google Analyticsなどを用いたデータ分析スキルが求められます。
DTPオペレーター
DTPオペレーターは、Webデザイナーが作成したレイアウトを基に、印刷用のデータを作成する重要な職種です。具体的には、Adobe IllustratorやAdobe Photoshopなどのソフトを使用し、テキスト入力やレイアウト調整を行います。
未経験からでも挑戦可能ですが、印刷物を完成させるための正確な作業とコミュニケーション能力が求められます。さまざまな業務を経験でき、自身が関わった作品が世に出ることにやりがいを感じられる仕事です。
技術記事のジャンル選びで差をつける
技術記事を書く際、何について書くかは非常に重要な選択です。適切なジャンル選びは、多くの読者に届き、転職活動でも有利に働く記事を生み出す第一歩となります。
私が多くのエンジニアの記事を分析した結果、読まれやすく評価されやすい記事には共通のパターンがあります。それは「実務で直面する具体的な問題を解決する」記事です。理論的な解説よりも、「この問題で3時間ハマった」「このエラーメッセージの解決に苦労した」といった、生々しい体験談を含む記事の方が、共感を呼び、多くのブックマークを集める傾向があります。
技術記事のジャンル選びにおいて、もう一つ重要なのは自分の専門性を活かすことです。たとえば、フロントエンドエンジニアならReactのパフォーマンス最適化、バックエンドエンジニアならデータベースのチューニング、といった具合に、日々の業務で培った知見を記事にすることで、説得力のある内容を生み出すことができます。
また、新しい技術の検証記事も高い評価を得やすいジャンルです。新しいフレームワークやライブラリがリリースされた際に、いち早く試して感想や使い方をまとめる。こうした記事は、同じ技術に興味を持つエンジニアから注目を集めやすく、技術トレンドへの感度の高さもアピールできます。
技術記事執筆を習慣化するコツ
技術記事の価値は理解していても、多くのエンジニアが「続かない」という問題に直面します。私も最初は月に1本書くのがやっとでしたが、今では週に1本以上のペースで記事を公開できるようになりました。その過程で学んだ習慣化のコツをお伝えします。
最も重要なのは、記事を書くハードルを下げることです。完璧な記事を書こうとすると、いつまでも公開できません。「とりあえず公開して、後から修正する」というスタンスの方が、結果的により多くの価値ある記事を生み出せます。実際、私の最も読まれている記事の多くは、最初は簡単なメモ程度から始まり、読者のフィードバックを受けながら改善していったものです。
もう一つ効果的なのは、日々の業務で遭遇した問題や学びを、その場でメモしておくことです。私はNotionに「記事ネタ帳」を作り、エラーメッセージや解決方法、新しく学んだ技術などを随時記録しています。週末にそのメモを見返すと、記事にできそうなネタがたくさん見つかります。問題解決の記憶が新鮮なうちにメモしておくことで、後から記事を書く際も具体的で臨場感のある内容にできます。
小さく始めて継続する
技術記事執筆の習慣化において、「小さく始める」ことは極めて重要です。最初から5000文字の大作を書こうとすると挫折します。まずは500文字程度の「今日学んだこと」シリーズから始めてみましょう。
私が実践している方法は、「15分ライティング」です。毎日15分だけ、その日に学んだことや解決した問題について書く。この短い時間なら、どんなに忙しい日でも確保できます。そして意外なことに、15分で書き始めると、気づけば30分、1時間と書き続けていることも多いのです。
継続のもう一つのコツは、公開のリズムを作ることです。「毎週金曜日に公開する」といったルールを決めると、そのリズムに合わせて記事を準備する習慣が身につきます。締切効果により、記事の完成度にこだわりすぎることなく、定期的にアウトプットできるようになります。
モチベーション維持の秘訣
技術記事執筆のモチベーション維持は、多くのエンジニアにとって課題です。しかし、適切な方法を知れば、楽しみながら継続できるようになります。
最大のモチベーション源は、読者からの反応です。記事にいいねやコメントがつくと、次も書こうという気持ちになります。ただし、最初は反応が少ないかもしれません。そんな時は、社内のSlackで記事を共有したり、Twitterで記事を告知したりして、まずは身近な人に読んでもらうことから始めましょう。
もう一つ効果的なのは、記事執筆を自己成長の指標として捉えることです。私は記事を書くたびに、その技術への理解が深まることを実感しています。人に説明するためには、自分が本当に理解していなければならないからです。この「教えることで学ぶ」効果は、技術者としての成長を加速させます。
記事のフィードバックを成長につなげる
技術記事を公開すると、様々なフィードバックが寄せられます。このフィードバックをどう受け止め、活用するかが、エンジニアとしての成長を大きく左右します。
肯定的なコメントはもちろん嬉しいものですが、実は批判的なフィードバックの方が学びが多いことがあります。「この実装方法は非効率では?」「セキュリティ的に問題がある」といった指摘は、自分の知識の穴を埋める貴重な機会です。私も過去に、SQLインジェクションの脆弱性を指摘されたことがあり、それをきっかけにセキュリティについて深く学ぶようになりました。
フィードバックへの対応で重要なのは、感情的にならず、建設的に受け止めることです。批判的なコメントに対しても、「ご指摘ありがとうございます。確かにその観点は見落としていました」と素直に認め、記事を修正する。この姿勢が、コミュニティからの信頼を得ることにつながります。
技術記事が転職活動に与えるインパクト
技術記事の執筆が転職活動に与える影響は、多くのエンジニアが想像する以上に大きいものです。私自身、そして私の周りのエンジニアたちの実例を通じて、その具体的なインパクトをお伝えします。
最も直接的な効果は、書類選考の通過率の向上です。ある大手IT企業の採用担当者によると、「技術記事を定期的に書いているエンジニアは、そうでない人と比べて書類選考の通過率が約2.3倍高い」とのことです。これは単に技術力の証明だけでなく、アウトプット習慣があることで、入社後も積極的に知識共有してくれるという期待値が高まるためです。
面接においても、技術記事は強力な武器となります。「なぜこの技術を選んだのか」「どのような問題に直面し、どう解決したか」といった質問に対し、自分の記事を参照しながら具体的に説明できます。実際のコードやアーキテクチャ図を見せながら説明できるため、面接官の理解も深まり、技術的な議論も活発になります。
年収交渉での優位性
技術記事の執筆は、年収交渉においても有利に働きます。なぜなら、あなたの技術力と市場価値が可視化されているからです。
私の知人のケースでは、Qiitaで公開していたGraphQLの実装に関する記事が評価され、当初提示された年収から150万円アップでオファーを受けました。企業側も「この技術領域でこれだけの知見を持っている人材は貴重」と判断し、相応の評価をしてくれたのです。
技術記事は、あなたの専門性を証明する最良のポートフォリオです。GitHubのコードだけでは伝わらない、問題解決のプロセスや技術選定の理由、実装の工夫などが記事には詰まっています。これらは、あなたがシニアエンジニアやテックリードとして活躍できる素養を持っていることの証明となります。
スカウトメールの質と量の変化
定期的に技術記事を公開していると、転職サイトやLinkedInでのスカウトメールの質が明らかに変わります。「とりあえず送りました」という汎用的なメールではなく、「〇〇の記事を拝見しました。弊社でも同様の課題を抱えており...」といった、具体的で真剣度の高いオファーが増えます。
実際、私が技術記事を本格的に書き始めてから、月に受け取るスカウトメールの数は約3倍に増え、そのうち「記事を読んで連絡した」という内容が半数以上を占めるようになりました。こうしたスカウトは、すでにあなたの技術力や考え方を理解した上での打診なので、ミスマッチも少なく、条件交渉もスムーズに進む傾向があります。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。