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エンジニア転職時の退職代行サービス活用術:円満退職が難しい技術者のための実践的キャリア移行戦略

この記事のまとめ

  • エンジニアの退職時に退職代行サービスを利用することで、精神的負担を大幅に軽減できる
  • IT業界特有の引き継ぎ問題や有給消化、退職引き止めなどのトラブルを専門家が代行して解決
  • 退職代行の費用は3~5万円程度で、弁護士対応型なら未払い残業代請求も可能
  • 利用前に必要な準備と、サービス選びの重要ポイントを理解することが成功の鍵

エンジニアとして働いていると、プロジェクトの途中での退職や、強い引き止めに遭うなど、退職が困難な状況に直面することがあります。特にIT業界では人材不足が深刻で、退職の意思を伝えても受け入れてもらえないケースも少なくありません。

そんな時に頼りになるのが退職代行サービスです。しかし「本当に使って大丈夫なのか」「転職に影響はないか」といった不安を抱える方も多いでしょう。

本記事では、エンジニアが退職代行サービスを利用する際のメリット・デメリット、選び方のポイント、実際の活用方法まで詳しく解説します。この記事を読めば、退職代行サービスを上手に活用して、スムーズな転職を実現する方法が分かります。

エンジニアが退職代行サービスを利用する背景

IT業界で働くエンジニアの中には、退職を決意しても実際に会社を辞めることが困難な状況に置かれている方が少なくありません。技術者特有の事情や、IT業界の慢性的な人材不足が背景にあり、退職代行サービスの需要が高まっています。

IT業界特有の退職困難な理由

エンジニアが退職を困難に感じる理由は複数あります。まず第一に、プロジェクトの進行中であることが挙げられます。開発プロジェクトは数ヶ月から数年にわたることも珍しくなく、「プロジェクトが終わるまで待ってほしい」という引き止めに遭うことがよくあります。

次に、技術的な引き継ぎの複雑さも大きな要因です。エンジニアが担当しているシステムやコードは、その人にしか分からない部分も多く、引き継ぎに時間がかかることを理由に退職を先延ばしにされるケースがあります。また、ドキュメント不足や属人化した業務により、後任者への引き継ぎが困難になっている現場も少なくありません。

さらに、IT業界の慢性的な人材不足も影響しています。経済産業省の調査によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると予測されており、企業側も優秀なエンジニアを手放したくないという思いが強くなっています。

精神的・身体的な負担から退職を決意するケース

IT業界では長時間労働や納期のプレッシャーなど、精神的・身体的な負担が大きい職場環境も存在します。デスマーチと呼ばれる過酷な開発スケジュールや、深夜残業が常態化している職場では、心身の健康を害してしまうエンジニアも少なくありません。

厚生労働省の調査によると、情報通信業の年間総労働時間は全産業平均を上回っており、特に繁忙期には月80時間を超える残業も珍しくありません。このような環境下で、うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調を発症し、医師から休養を勧められるケースも増えています。

こうした状況では、自ら退職を申し出ることさえ困難になり、退職代行サービスを利用せざるを得ない状況に追い込まれることがあります。

パワハラ・職場環境の問題

残念ながら、IT業界でもパワーハラスメントや劣悪な職場環境に悩むエンジニアは存在します。技術力の差を理由にした暴言や、過度な叱責、人格否定などのハラスメントが横行している職場では、通常の退職手続きを踏むことすら困難になります。

特に、上司や先輩エンジニアからの技術的な指導を装ったパワハラは、周囲から見えにくく、被害者も「自分の技術力不足」と思い込んでしまうケースがあります。また、客先常駐型のSES企業では、常駐先と自社の板挟みになり、どちらにも相談できない状況に陥ることもあります。

このような環境では、退職の意思を伝えること自体が新たなハラスメントのきっかけになる恐れもあり、第三者である退職代行サービスの介入が有効な解決策となります。

有給休暇の未消化や残業代未払いなどの労働問題

エンジニアの退職時によくあるトラブルとして、有給休暇の未消化や残業代の未払いがあります。法律上、有給休暇は労働者の権利であり、退職時には残日数を消化する権利がありますが、「プロジェクトが忙しい」「引き継ぎがある」などの理由で取得を拒否される場合があります。

また、みなし残業制度や裁量労働制を悪用し、実際の労働時間に見合った残業代が支払われていないケースも少なくありません。特に、開発の納期前には深夜残業や休日出勤が常態化していても、「裁量労働だから」という理由で適切な対価が支払われないことがあります。

これらの問題は、個人で会社と交渉するには限界があり、法的知識を持った専門家の介入が必要になることがあります。弁護士が運営する退職代行サービスであれば、これらの労働問題も含めて対応してもらえる可能性があります。

退職代行サービスとは何か

退職代行サービスとは、労働者本人に代わって退職の意思を会社に伝え、退職手続きを代行するサービスです。法律の専門家や専門業者が間に入ることで、直接対面での退職交渉を避けることができ、精神的な負担を大幅に軽減できます。

退職代行サービスには大きく分けて3つのタイプがあります。民間企業が運営するもの、労働組合が運営するもの、そして弁護士が運営するものです。それぞれに特徴があり、対応できる範囲や費用が異なります。

民間企業の退職代行サービス

民間企業が運営する退職代行サービスは、最も一般的で利用しやすいタイプです。費用は2万円から3万円程度と比較的安価で、24時間対応している業者も多く、スピーディーな対応が期待できます。ただし、法的な交渉権限がないため、会社との交渉が必要な場合(未払い賃金の請求など)には対応できません。

主な業務範囲は、退職の意思伝達、退職届の提出代行、貸与物の返却調整、私物の回収依頼などです。単純に退職の意思を伝えるだけで良い場合には、コストパフォーマンスが高い選択肢と言えるでしょう。

労働組合の退職代行サービス

労働組合が運営する退職代行サービスは、団体交渉権を持っているため、会社との交渉が可能です。費用は2万5千円から3万5千円程度で、民間企業よりやや高めですが、有給休暇の取得交渉や退職日の調整など、より踏み込んだ対応が可能です。

労働組合法によって保護された活動として退職代行を行うため、会社側も無視することができません。特に、有給休暇の消化を希望する場合や、退職日について会社と調整が必要な場合には有効な選択肢です。

弁護士による退職代行サービス

弁護士が行う退職代行サービスは、最も強力で包括的な対応が可能です。費用は5万円から10万円程度と高額ですが、未払い残業代の請求、パワハラやセクハラに対する慰謝料請求、労働審判の申立てなど、法的措置を含む幅広い対応が可能です。

弁護士は法律の専門家として、会社との交渉において強い立場を持ちます。特に、労働問題が複雑化している場合や、金銭的な請求を伴う場合には、弁護士による退職代行が最も適しています。また、万が一トラブルになった場合でも、そのまま法的手続きに移行できる安心感があります。

エンジニアが退職代行サービスを利用するメリット

エンジニアが退職代行サービスを利用することには、多くのメリットがあります。IT業界特有の事情を考慮すると、これらのメリットは特に大きな価値を持ちます。

精神的ストレスの大幅な軽減

退職の意思を直接上司に伝えることは、多くの人にとって大きなストレスとなります。特に、パワハラを受けている場合や、強い引き止めが予想される場合には、その精神的負担は計り知れません。退職代行サービスを利用することで、これらの対面でのやり取りを完全に回避できます。

実際に、退職代行サービスを利用した多くのエンジニアが「退職を言い出せずに何ヶ月も悩んでいたが、代行を使ったことで一気に解決した」「上司と顔を合わせずに済んだので、精神的にとても楽だった」といった感想を述べています。心理的な壁を越えられずに退職を先延ばしにしている場合、退職代行は有効な解決策となります。

確実でスピーディーな退職

法律上、労働者には退職の自由が保障されており、民法627条により、退職の意思表示から2週間で雇用関係は終了します。しかし、実際には会社側が様々な理由をつけて退職を引き延ばそうとするケースが少なくありません。

退職代行サービスを利用すれば、法的根拠に基づいた適切な手続きが行われるため、確実に退職できます。多くの場合、依頼から数日以内に退職が完了し、最短では即日退職も可能です。転職先が決まっていて入社日が迫っている場合など、スピーディーな退職が必要な状況では特に有効です。

有給休暇の確実な消化

日本の企業では、退職時の有給休暇消化を渋る傾向があります。特にIT業界では、プロジェクトの都合を理由に有給取得を拒否されることがあります。しかし、有給休暇は労働者の権利であり、退職時には原則として全て消化することができます。

労働組合や弁護士が運営する退職代行サービスであれば、有給休暇の取得交渉も代行してもらえます。これにより、本来の権利である有給休暇を確実に消化し、その分の給与を受け取ることができます。有給が20日以上残っている場合、1ヶ月分以上の給与に相当するため、経済的にも大きなメリットとなります。

未払い賃金や残業代の請求が可能

多くのIT企業では、みなし残業制度や裁量労働制が採用されていますが、実際の労働時間に見合った賃金が支払われていないケースがあります。また、サービス残業が常態化している職場も少なくありません。

弁護士による退職代行サービスを利用すれば、これらの未払い賃金を請求することができます。タイムカードやメールの送信履歴、プロジェクト管理ツールのログなどを証拠として、過去2年分まで遡って請求することが可能です。場合によっては、数百万円の未払い残業代が認められることもあります。

引き継ぎトラブルの回避

エンジニアの退職で最も問題になりやすいのが、業務の引き継ぎです。特に、属人化した業務を担当している場合、「引き継ぎが終わるまで退職は認めない」といった圧力をかけられることがあります。

退職代行サービスを利用すれば、引き継ぎに関する会社との交渉も代行してもらえます。法的には、引き継ぎは労働者の義務ではなく、会社側が適切な体制を整えるべき問題です。必要最低限の引き継ぎ資料を用意すれば、それ以上の責任を負う必要はありません。

エンジニアが退職代行サービスを利用するデメリット

退職代行サービスには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。利用を検討する際は、これらのデメリットも十分に理解しておく必要があります。

費用がかかる

退職代行サービスの最大のデメリットは、費用がかかることです。通常の退職であれば無料で行えることに、2万円から10万円程度の費用を支払う必要があります。特に、弁護士による代行サービスは高額になりがちです。

ただし、有給休暇の消化や未払い残業代の請求により、支払った費用以上の金銭的メリットを得られることも多いです。また、精神的な苦痛から解放されることの価値を考えれば、決して高い投資ではないという見方もできます。

円満退職にはならない

退職代行サービスを利用した場合、会社との関係は確実に悪化します。これは避けられない事実であり、将来的にその会社や関連会社に再就職することは困難になるでしょう。

IT業界は意外と狭い世界で、転職先で元同僚と再会することもあります。退職代行を利用したことが噂として広まる可能性もあり、人間関係に影響を与える可能性は否定できません。ただし、パワハラや劣悪な労働環境から逃れるためであれば、これらのリスクを取る価値はあると考える人も多いです。

同業他社への転職時の影響

退職代行サービスの利用が転職活動に直接的な悪影響を与えることは少ないですが、間接的な影響は考慮する必要があります。転職先の企業が前職に在籍確認を行った際、退職代行を利用したことが判明する可能性があります。

特に、同じ業界内での転職では、人事担当者同士のネットワークで情報が共有されることもあります。ただし、パワハラや違法な労働環境が原因で退職代行を利用した場合は、むしろ正当な理由として理解される可能性もあります。

必要書類の受け取りに時間がかかる場合がある

退職後に必要な離職票や源泉徴収票などの書類は、通常は会社から郵送されますが、退職代行を利用した場合、これらの書類の発行が遅れることがあります。会社側が嫌がらせとして意図的に遅らせるケースも報告されています。

このような場合は、退職代行サービスを通じて督促してもらうことになりますが、それでも時間がかかることがあります。転職先への提出期限がある場合は、余裕を持ったスケジュールで退職手続きを進める必要があります。

退職代行サービスを利用する際の注意点

退職代行サービスを利用する際には、いくつかの注意点があります。これらを事前に理解しておくことで、トラブルを回避し、スムーズに退職手続きを進めることができます。

悪質な業者の存在

退職代行サービスの需要が高まるにつれ、悪質な業者も増えています。高額な費用を請求しながら、実際には退職手続きを進めない、追加料金を次々と請求する、個人情報を悪用するなどのトラブルが報告されています。

信頼できる業者を選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう:

  • 運営会社の情報が明確に記載されているか
  • 弁護士が監修または運営に関わっているか
  • 利用者の口コミや評判が確認できるか
  • 料金体系が明確で追加料金の説明があるか
  • 返金保証制度があるか

会社からの損害賠償請求の可能性

非常に稀なケースですが、退職代行を利用したことで会社から損害賠償を請求される可能性がゼロではありません。特に、引き継ぎを全く行わずに退職し、それによって会社に大きな損害が生じた場合などです。

ただし、法的には退職の自由が保障されており、引き継ぎ義務も明文化されていないため、実際に損害賠償が認められることはほとんどありません。心配な場合は、弁護士が運営する退職代行サービスを利用するとよいでしょう。

退職後のサポートの限界

退職代行サービスのサポート範囲は、基本的に退職手続きまでです。退職後に発生した問題(書類の不備、保険の手続きミスなど)については、自分で対応する必要があります。

また、退職代行サービスはあくまで「退職の意思を伝える」サービスであり、転職活動のサポートは含まれません。転職先が決まっていない場合は、退職代行と並行して転職活動を進める必要があります。

退職代行サービスを利用するタイミング

退職代行サービスの利用を検討すべきタイミングはいくつかあります。以下のような状況に置かれている場合は、退職代行サービスの利用を積極的に検討することをおすすめします。

パワハラや職場環境に悩んでいる場合

上司からのパワーハラスメント、同僚からのいじめ、違法な長時間労働など、労働環境に問題がある場合は、自分で退職を申し出ることが困難になります。特に、退職の意思を伝えたことで更なる嫌がらせを受ける可能性がある場合は、第三者の介入が有効です。

退職代行サービスを利用すれば、直接対峽することなく退職でき、精神的なダメージを最小限に抑えることができます。また、弁護士が運営するサービスであれば、ハラスメントに対する慰謝料請求なども同時に進めることが可能です。

精神的・身体的に限界を感じている場合

長時間の残業、休日出勤、深夜までのデバッグ作業など、IT業界特有の過酷な労働環境により、心身の不調をきたしている場合も、退職代行サービスの利用を検討すべきです。

うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調を抱えている場合、通常の退職交渉は大きな負担となり、症状を悪化させる可能性があります。医師の診断書があれば、休職扶助金の申請なども同時に進めることができます。

引き止めが激しく退職を言い出せない場合

IT業界の人材不足を背景に、退職の意思を伝えても、強引な引き止めに遭うことがあります。「後任が見つかるまで待ってほしい」「プロジェクトが終わるまでは絶対に辞められない」など、様々な理由で退職を拒否されるケースです。

しかし、法的には退職の意思表示から2週間で雇用関係は終了するため、会社に退職を拒否する権利はありません。退職代行サービスを利用すれば、法的根拠に基づいた適切な対応が可能です。

労働問題を抱えている場合

有給休暇の取得拒否、残業代の未払い、不当な賃金カットなど、明らかな労働基準法違反がある場合は、退職代行サービスの利用が特に有効です。特に、弁護士が運営するサービスであれば、これらの問題を法的に解決することができます。

多くの場合、会社側は弁護士からの連絡を受けると態度が変わり、適切な対応をするようになります。過去2年分の未払い残業代を請求した結果、数百万円が支払われたケースも実際に存在します。

未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント

未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

未経験者を募集している求人を探す

未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。

さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。

教育制度の有無を確認して企業を選ぶ

未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。

逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。

IT業界に役立つ資格を取得する

IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
  • 応用情報技術者試験

また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。

  • 論理的思考力
  • プログラミングスキル
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンスキル
  • 資料作成能力
  • 英語力

IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。

文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする

IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。

たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。

また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。

【例文あり】志望動機を明確にしておく

未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。

  • 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
  • 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
  • 自分自身のエピソードを盛り込む

3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。

プログラマー

【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。

現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。

システムエンジニア

【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。

現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。

上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。

【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要

未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。

プログラマー

【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。

目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。

システムエンジニア

【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。

転職エージェントを活用した準備がおすすめ

未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。

また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。

未経験からIT業界へ転職するメリット

転職のメリット

まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。

在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も

IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。

また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。

キャリアプランを立てやすい

IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。

未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点

働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。

未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい

転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。

転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。

人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある

IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。

思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。

未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決

未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。

副業やアルバイトから始められる?

未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。

フリーランスとして活躍するには?

ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。

高卒でもIT業界を目指せる?

IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。

未経験でもインターンを受けることは可能?

IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。

まとめ

未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。

未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。

マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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