「エンジニアとして転職を考えているけれど、技術文書作成スキルってどのくらい重要なのか分からない...」「設計書や仕様書を書いた経験がないので、転職活動でアピールできるか不安...」
エンジニア転職において、多くの方がプログラミングスキルや開発経験に注目しがちですが、実は技術文書作成スキルは非常に高く評価される能力です。なぜなら、現代のソフトウェア開発では、コードを書くだけでなく、チーム全体でプロジェクトを成功に導くためのドキュメンテーションが欠かせないからです。
実際に、多くのIT企業では「技術力はあるけれど、ドキュメントが書けない」「保守性の高いシステムを作るためのドキュメンテーションができない」といった課題を抱えています。そのため、技術文書作成スキルを持つエンジニアは、開発チームにとって非常に価値の高い存在として重宝されているのです。
この記事では、エンジニア転職で評価される技術文書作成スキルの習得法について、要件定義から仕様書まで開発プロセス全体を通じた実践的なドキュメンテーション戦略を詳しく解説します。これを読むことで、あなたも企業から求められる技術文書作成のプロフェッショナルになれるでしょう。
エンジニア転職で技術文書作成スキルが重要視される理由
現代のソフトウェア開発において、技術文書作成スキルは単なる「おまけのスキル」ではありません。むしろ、開発プロセス全体の成功を左右する重要な能力として位置づけられています。これは、ソフトウェア開発がますます複雑化し、チーム規模も大規模化している現代において、情報共有と知識継承の重要性が飛躍的に高まっているからです。
多くのIT企業では、優秀なプログラマーを採用したにも関わらず、「コードは書けるが設計思想が伝わらない」「メンテナンス時に仕様が分からない」「チームメンバーとの認識齟齬が頻発する」といった課題に直面しています。そういった背景から、技術文書作成スキルを持つエンジニアは、開発プロセス全体の品質向上に貢献できる人材として高く評価されているのです。
企業が求める技術文書作成の3つの価値
企業が技術文書作成スキルを持つエンジニアを求める理由は、大きく3つに分類されます。まず、開発効率の向上です。適切にドキュメント化されたシステムは、新しいメンバーのオンボーディング時間を大幅に短縮し、既存メンバーも迷うことなく開発を進められます。
次に、品質保証の強化です。要件定義から設計、実装、テストまでの各工程で作成される技術文書は、品質を担保するための重要なチェックポイントとして機能します。特に、要件の抜け漏れや設計の不整合を早期に発見できるため、後工程での大幅な手戻りを防げるのです。
最後に、知識継承とリスク管理です。システムの保守・運用において、担当者の退職や異動があっても、適切な技術文書があることで業務の継続性を保てます。これは企業にとって、事業継続リスクを大幅に軽減する重要な要素となっています。
転職市場で求められる技術文書作成レベル
転職市場において、技術文書作成スキルのレベルは職種や経験年数によって異なる期待値が設定されています。ジュニアレベルのエンジニアには、基本的なコードコメントや簡単な作業手順書の作成能力が求められます。一方、ミドルレベル以上では、要件定義書や設計書、運用手順書といった、より高度で体系的なドキュメント作成能力が必要とされるのです。
特に注目すべきは、技術文書作成スキルが高いエンジニアは、プログラミングスキル単体での評価よりも高い年収を獲得している傾向があることです。これは、技術文書作成能力がプロジェクトマネジメントやチームリーダーシップに直結する能力として認識されているためです。実際に、多くの企業では技術文書作成スキルを持つエンジニアをテックリードやシニアエンジニアのポジションに抜擢するケースが増えています。
年代別に見る技術文書作成スキルの重要度変化
20代のエンジニア転職では、技術文書作成スキルがあることで「成長ポテンシャルの高い人材」として評価されます。若手であっても、適切なドキュメント作成能力があることで、将来的にチームを率いる人材として期待される傾向があります。
30代になると、技術文書作成スキルは「必要不可欠な基本スキル」として位置づけられます。この年代でドキュメント作成能力が不足していると、マネジメント職への昇進や転職において大きなハンディキャップとなってしまいます。逆に、高い技術文書作成スキルを持つ30代エンジニアは、プロジェクトマネージャーやアーキテクトといった上級職種への転職で非常に有利になります。
40代以上のベテランエンジニアにとって、技術文書作成スキルは「差別化要因」として機能します。技術的な深い知識と豊富な経験を、適切にドキュメント化して組織に還元できる能力は、企業にとって極めて価値の高いスキルとして認識されているのです。
開発プロセス別:技術文書作成スキルの具体的内容
エンジニア転職で評価される技術文書作成スキルは、開発プロセス全体を通じて多岐にわたります。ここでは、要件定義から運用保守まで、各工程で必要となる技術文書作成スキルを具体的に解説します。これらのスキルを習得することで、あなたも開発チーム全体の生産性向上に貢献できる価値の高いエンジニアとして評価されるでしょう。
プロジェクト企画・要件定義段階の技術文書作成
要件定義段階では、ステークホルダーとの認識合わせや開発方針の決定が重要な作業となります。この段階で求められる技術文書作成スキルは、主に要件定義書と機能仕様書の作成能力です。要件定義書では、システムが解決すべき課題や実現すべき機能を、技術者以外のステークホルダーにも理解しやすい形で整理・記述する能力が必要です。
特に重要なのは、曖昧な要求を具体的な仕様に落とし込む際の表現力です。「使いやすいシステムを作りたい」といった抽象的な要求を、「ユーザーが3クリック以内で目的の機能にアクセスできるUI設計」といった具体的で測定可能な要件に変換できる能力は、転職市場で非常に高く評価されます。また、要件変更が発生した際の影響範囲分析や変更履歴の管理も、要件定義書作成スキルの重要な要素として位置づけられています。
システム設計段階での技術文書作成
システム設計段階では、要件定義で決定した仕様を実装可能な形に具体化する設計書の作成が中心となります。ここで求められるのは、基本設計書と詳細設計書の作成能力です。基本設計書では、システム全体のアーキテクチャや主要な機能の設計方針を、チーム全体が理解しやすい形で記述する必要があります。
詳細設計書の作成では、実装者が迷うことなく開発を進められるレベルの詳細な仕様記述能力が求められます。例えば、データベース設計においては、テーブル構造やリレーション、インデックス設計の根拠を明確に記述し、パフォーマンス要件や拡張性の観点からの設計判断を文書化する能力が重要です。また、API設計書では、エンドポイントの仕様だけでなく、エラーハンドリングやレスポンス形式、認証方式まで網羅的に記述できるスキルが評価されます。
実装・開発段階での技術文書作成
実装段階では、開発者自身とチームメンバーが効率的に開発を進めるための技術文書作成スキルが重要となります。ここで中心となるのは、コードコメントと開発ガイドラインの作成です。優れたコードコメントは、単なる処理内容の説明ではなく、「なぜその実装方式を選択したのか」「どのような制約や前提条件があるのか」といった設計判断の根拠を記述します。
特に、複雑なアルゴリズムやビジネスロジックを実装する際には、将来の保守担当者が理解しやすい形でコメントを記述する能力が求められます。例えば、パフォーマンス最適化のために採用した特殊な実装については、通常の実装との比較や性能改善効果の定量的データを含めたコメントを記述できるスキルが評価されます。また、開発ガイドラインの作成では、チーム全体のコード品質を統一するためのルールやベストプラクティスを明文化する能力も重要な要素です。
テスト段階での技術文書作成
テスト段階では、品質保証の観点から体系的な技術文書作成スキルが要求されます。テスト仕様書とテスト結果報告書の作成が主要な成果物となります。テスト仕様書では、テストケースの設計根拠や期待値の設定理由を明確に記述し、第三者が同様のテストを実行できるレベルの詳細度で文書化する能力が必要です。
また、バグ報告書の作成スキルも重要な評価ポイントです。単に「動かない」ではなく、再現条件や環境情報、期待する動作との差異を具体的に記述し、開発者が効率的に問題を特定・修正できる形で情報を整理する能力が求められます。特に、本番環境でのみ発生する問題や、特定の条件下でのみ発生する間欠的な問題については、詳細な調査結果と推定原因をまとめる高度な技術文書作成スキルが評価されます。
リリース・デプロイ段階での技術文書作成
リリース段階では、システムの安全な本番環境投入と運用開始のための技術文書作成スキルが求められます。リリース手順書と設定変更手順書の作成が中心的な作業となります。リリース手順書では、デプロイの各ステップを詳細に記述し、問題が発生した際のロールバック手順も含めた包括的な作業指示書を作成する能力が必要です。
特に重要なのは、リスク管理の観点からの文書化です。各手順における潜在的なリスクと対処法を事前に洗い出し、問題発生時の対応手順を明確に記述するスキルが評価されます。また、複数の環境(開発、ステージング、本番)での設定差異を管理するための環境別設定書や、データ移行が必要な場合のデータ移行手順書の作成能力も、転職市場で高く評価されるスキルの一つです。
運用・保守段階での技術文書作成
運用保守段階では、システムの継続的な安定稼働を支援するための技術文書作成スキルが重要となります。運用手順書、障害対応手順書、定期メンテナンス手順書などが主要な成果物です。運用手順書では、日常的な監視項目やアラート対応手順を、運用担当者が迷うことなく実行できるレベルで記述する能力が求められます。
障害対応手順書の作成では、過去の障害事例を分析し、症状別の対応フローを体系化する能力が重要です。単なる手順の羅列ではなく、問題の切り分け方法や原因調査のためのログ確認ポイント、エスカレーション基準などを含めた実践的な文書を作成できるスキルが高く評価されます。また、システムの改修履歴や設定変更履歴を適切に管理するための変更管理文書の作成能力も、運用保守における重要な技術文書作成スキルとして位置づけられています。
プロジェクト管理・マネジメント文書の作成
プロジェクト管理段階では、開発プロセス全体を統制するための技術文書作成スキルが必要となります。プロジェクト計画書、進捗管理資料、品質管理資料などが主要な成果物です。プロジェクト計画書では、技術的な実装方針だけでなく、リスク管理やコミュニケーション計画、品質保証計画を包括した文書を作成する能力が求められます。
進捗管理においては、単なる作業完了率の報告ではなく、技術的な課題や依存関係、リスク要因を含めた状況分析を文書化するスキルが重要です。特に、遅延が発生した場合の影響分析や対策案の提示、ステークホルダーへの分かりやすい状況説明資料の作成能力は、転職市場で非常に高く評価されます。また、プロジェクト完了後の振り返り文書(レトロスペクティブ)や、得られた知見を次のプロジェクトに活用するためのナレッジ文書の作成スキルも重要な要素として位置づけられています。
技術文書作成スキルが年収に与える具体的なインパクト
技術文書作成スキルを持つエンジニアの年収は、一般的なプログラマーと比較して大幅に高い傾向にあります。転職サイトの統計データによると、ドキュメンテーションスキルを強みとしてアピールできるエンジニアの平均年収は以下のようになっています。
職種・レベル | 技術文書作成スキル有 | 一般的な相場 | 差額 |
---|---|---|---|
ジュニアエンジニア(1-3年) | 420万円 | 350万円 | +70万円 |
ミドルエンジニア(4-7年) | 650万円 | 520万円 | +130万円 |
シニアエンジニア(8年以上) | 850万円 | 720万円 | +130万円 |
テックリード・アーキテクト | 1,200万円 | 950万円 | +250万円 |
特に注目すべきは、技術文書作成スキルを持つエンジニアは、プログラミングスキル単体でのキャリアアップよりも早い段階でマネジメント職やアーキテクト職への道筋が開けることです。多くの企業では、優れた技術文書作成能力を持つエンジニアを「将来のテックリード候補」として育成する傾向があり、昇進・昇格においても有利に働きます。
実際に、技術文書作成スキルが高いエンジニアの約70%が、転職後3年以内にチームリーダーやプロジェクトマネージャーなどの上位職種に昇進しているというデータもあり、キャリア形成における重要な差別化要因となっていることがわかります。
技術文書作成スキル習得のための具体的な学習ロードマップ
技術文書作成スキルを効率的に習得するためには、体系的な学習アプローチが重要です。ここでは、転職活動で評価される実践的なドキュメンテーション能力を身につけるための、段階別学習ロードマップを詳しく解説します。
【段階1】基礎的な文章作成スキルの習得(学習期間:1-2ヶ月)
技術文書作成の出発点となるのは、論理的で読みやすい文章を書く基礎スキルの習得です。まず、技術文書特有の文体や表現方法を身につけることから始めましょう。技術文書では、主観的な表現を避け、客観的で正確な情報伝達を重視します。例えば、「システムが遅くなる」ではなく「レスポンス時間が3秒を超過する」といった、具体的で測定可能な表現を使う習慣を身につけることが重要です。
併せて、読み手を意識した文書構成の技法も学習します。技術文書では、結論や要点を最初に提示し、その後に詳細な説明を展開する「PREP法」(Point・Reason・Example・Point)の活用が効果的です。また、箇条書きや番号付きリスト、表組みなどを適切に使い分けて、情報を整理・可視化する技術も重要なスキルとなります。この段階では、日常的に技術ブログを読み、優れた技術文書の文体や構成を分析することで、実践的な表現力を身につけていきます。
【段階2】技術仕様書・設計書作成スキルの習得(学習期間:2-3ヶ月)
基礎的な文章作成スキルを身につけた後は、より専門的な技術仕様書や設計書の作成スキル習得に進みます。この段階では、システムの機能や動作を体系的に記述する能力の開発が中心となります。まず、要件定義書の作成から始めましょう。ユーザーストーリーの形式で機能要件を整理し、非機能要件(性能、セキュリティ、運用性など)を明確に定義する技法を学習します。
設計書の作成では、UML(統一モデリング言語)を活用したシステム設計の可視化技術が重要です。クラス図、シーケンス図、ER図などを適切に使い分けて、システムの構造や動作を表現する能力を身につけます。また、API仕様書の作成では、OpenAPI(Swagger)などの標準的な記述形式を習得し、実装者が迷うことなく開発を進められるレベルの詳細な仕様記述能力を養います。この段階では、実際のオープンソースプロジェクトのドキュメントを参考にしながら、実践的な技術仕様書作成の経験を積むことが効果的です。
【段階3】プロジェクト管理・運用文書作成スキルの習得(学習期間:2-3ヶ月)
上級レベルの技術文書作成スキルとして、プロジェクト管理や運用保守に関わる文書作成能力を習得します。この段階では、プロジェクト計画書やリスク管理文書、品質保証計画書などの作成技法を学習します。プロジェクト計画書では、技術的な実装計画だけでなく、リソース配分、スケジュール管理、リスク分析を統合した包括的な文書作成能力が求められます。
運用文書の作成では、システム運用者の視点に立った実践的な手順書作成技術を身につけます。障害対応手順書では、問題の切り分けフローや対応優先度の設定、エスカレーション基準などを明確に記述する能力が重要です。また、変更管理文書や構成管理文書の作成では、システムの変更履歴や影響範囲を適切に記録・管理するための文書化技術を習得します。この段階では、ITIL(ITサービス管理のベストプラクティス)などの標準的なフレームワークに基づいた文書作成技法を学ぶことで、業界標準に準拠した高品質な技術文書を作成できるようになります。
【段階4】実践的なポートフォリオ作成(学習期間:1-2ヶ月)
学習の総仕上げとして、転職活動で活用できる実践的なポートフォリオを作成します。ここでは、これまで習得した技術文書作成スキルを統合し、実際のプロジェクトを想定した技術文書一式を作成します。例えば、Webアプリケーション開発プロジェクトを想定し、要件定義書から運用手順書まで一連の文書を体系的に作成することで、技術文書作成スキルの幅広さと深さをアピールできます。
ポートフォリオには、異なる種類の技術文書(機能仕様書、API設計書、テスト仕様書、運用手順書など)を含め、各文書間の整合性や連携も考慮した構成とします。また、GitHubなどのプラットフォームを活用して、バージョン管理された技術文書を公開することで、実際の開発現場での文書管理能力もアピールできます。完成したポートフォリオは、転職面接での具体的な成果物として活用し、技術文書作成スキルを客観的に証明する材料として効果的に活用していきます。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
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未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
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まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。