この記事のまとめ
- 声優・音声制作経験は音響エンジニア・オーディオテック分野で高く評価される
- ボイス技術とプログラミングを組み合わせることで、年収1500万円以上のポジションを狙える
- 音声処理技術、リアルタイム音響システム、AI音声合成分野が特に有望
あなたは声優志望やナレーション、音声制作の経験を持ちながら、エンジニアとしてのキャリアも築きたいと考えていませんか。
実は、音声表現力とプログラミング技術を融合することで、次世代のオーディオテクノロジー分野で圧倒的な優位性を発揮できるのです。VTuberブームやポッドキャスト市場の急拡大により、音声技術エンジニアの需要は爆発的に増加しています。
この記事では、声優・音声制作経験を持つエンジニアが、オーディオテック分野で高年収転職を実現する具体的な戦略を詳しく解説します。読み終える頃には、あなたの音声スキルをエンジニアリングキャリアの武器として最大限活用する方法が明確になるでしょう。
声優・音声制作経験がオーディオテック分野で圧倒的優位性を生み出す理由
声優や音声制作の経験を持つエンジニアは、オーディオテクノロジー業界で極めて貴重な存在です。技術者の多くは音響理論は理解していても、実際の音声表現や録音現場での実践的知識を持っていないからです。
あなたが培ってきた発声技術、音響機材への理解、音質に対する敏感な感覚は、音声技術開発において技術仕様を超えた価値を生み出します。例えば、音声圧縮アルゴリズムの開発では、「技術的に可能」と「実際に聞きやすい」の間には大きな違いがあります。
実際の制作現場で培った「聞き手の感情に響く音」への理解は、ユーザビリティを重視する現代のオーディオテック企業が最も求めているスキルなのです。AI音声合成技術が進歩する今、「自然で人間らしい音声」を実現するには、技術者自身が優れた音声感覚を持つことが不可欠になっています。
急成長するオーディオテック市場の現状
音声技術市場は2024年時点で約280億ドル規模となり、2030年には570億ドルに達すると予測されています。この成長を牽引しているのが、ポッドキャスト配信プラットフォーム、VTuber関連技術、リアルタイム音声変換システム、そしてメタバース空間での3D音響技術です。
特に日本では、VTuber市場の急拡大により音声技術エンジニアの需要が爆発的に増加しています。Live2D技術と組み合わせたリアルタイム音声処理、感情認識による音声調整、複数人同時配信での音質最適化など、従来の音響エンジニアリングを超えた新たな技術領域が次々と生まれています。
こうした分野では、プログラミングスキルだけでなく、実際の音声表現への深い理解を持つ技術者が圧倒的に不足しているのが現状です。
声優経験者が活躍できる主要なオーディオテック分野
声優・音声制作経験を持つエンジニアが特に重宝される技術分野があります。これらの領域では、音声への深い理解と技術力の両方を兼ね備えた人材が極めて希少な存在となっています。
音声AI・合成技術開発では、自然な音声生成アルゴリズムの改良において、実際の発声経験が invaluable な知見をもたらします。どのような音声パラメータが「人間らしさ」を演出するのか、感情表現をどう音響特性に反映させるかといった課題に対し、声優経験者ならではの直感的理解が開発チームに革新をもたらすのです。
リアルタイム音声処理システムの分野でも、配信や通話における音質改善技術で実用的な知見を発揮できます。ノイズキャンセリング、エコー除去、音声増強といった技術を、実際の使用感を重視して設計できる能力は、ユーザー満足度の高いプロダクト開発に直結します。
年代別キャリア戦略:声優経験を最大限活用する転職アプローチ
声優・音声制作経験を持つエンジニアの転職戦略は、年代によって最適なアプローチが異なります。重要なのは、あなたの音声スキルとプログラミング能力のバランスを年齢に応じて効果的にアピールすることです。
20代の場合は、ポテンシャル重視の採用が多いため、基礎的なプログラミングスキルと音声制作経験の組み合わせを前面に押し出しましょう。音声処理ライブラリ(Web Audio API、FFmpeg等)の学習と、実際の音声作品制作を並行して進めることで、理論と実践の両面をアピールできます。
30代の声優経験者は、より戦略的なアプローチが求められます。単なる趣味レベルの音声制作ではなく、プロフェッショナルな音声表現技術と、それを裏付ける音響理論への理解を体系的に整理しましょう。音声解析ツールの開発や、音質評価システムの構築といった具体的なプロジェクト経験があると、技術力の証明として非常に効果的です。
40代以上の声優経験者が狙うべきニッチな高年収ポジション
40代以上の声優経験者は、豊富な人生経験と音声表現の蓄積を武器に、極めて専門性の高いポジションを狙うことができます。この年代では、単なるエンジニアではなく、音声技術のコンサルタントや技術アドバイザーとしての価値を最大化する戦略が効果的です。
音声UX設計コンサルタントとして、企業の音声インターフェース戦略を技術面からサポートする役割は、声優経験者の独壇場といえます。音声アシスタント開発、カスタマーサポートシステムの音声設計、ブランディングにおける音声戦略など、技術力と表現力を融合させた高度な専門知識が求められる分野です。
音声技術エバンジェリストとして、企業の音声関連プロダクトの普及活動を技術面から支援するポジションも有望です。技術カンファレンスでの講演、開発者向けワークショップの企画運営、音声技術に関する啓発活動などを通じて、年収1800万円以上のエグゼクティブポジションを狙うことも可能です。
これらのポジションでは、長年の声優活動で培った「聴衆の心を掴む表現力」と「音声技術への深い理解」が圧倒的な差別化要因となります。
声優スキルを最大限活用できる具体的なオーディオテック職種
声優・音声制作経験を持つエンジニアが直接的に活躍できるオーディオテック分野は、広範囲にわたって存在しています。ここでは、あなたの音声スキルを最大限活用できる具体的な職種と、それぞれのキャリアパスを詳しく解説します。
特に重要なのは、単なるプログラマーとしてではなく、音声表現への深い理解を武器にしたスペシャリストとしての価値を発揮できるポジションを狙うことです。これらの分野では、音声スキルとプログラミングスキルの組み合わせによって、年収1500万円から2000万円以上の高収入ポジションを実現することが十分可能です。
AI音声合成・音声生成エンジニア
AI音声合成分野は、声優経験者にとって最も直接的に価値を発揮できる最先端分野です。この分野で求められる人材は、単なるプログラミングスキルだけではなく、「自然で人間らしい音声」が何かを真に理解しているエンジニアです。
音声AIアルゴリズム開発者
音声AIアルゴリズム開発者は、声優経験の価値が最も直接的に発揮されるポジションです。VITS、WaveNet、Tacotronなどの最新音声合成モデルの改良において、あなたの声優経験から得た「人間らしい音声表現」への深い理解が直接的にアルゴリズムの改善に繋がります。感情表現のニュアンス、息づかいのタイミング、言葉の音響的特性など、技術者だけでは気づかない細かな調整ポイントを理解していることが、革新的な技術開発につながります。年収レンジは1800万円から2500万円程度です。
音声データサイエンティスト
音声データサイエンティストは、声優経験者の独特な強みを活かせる新しいポジションです。音声データの前処理、特徴量抽出、品質評価指標の設計などにおいて、実際の音声表現への理解が数値的な指標設計に直接反映されます。例えば、「自然さ」や「感情的表現力」を定量化するための新しいメトリクス開発において、声優としての経験が直感的な適切性判断を可能にします。Python、R、TensorFlowなどのデータ解析スキルと組み合わせることで、年収1400万円から1800万円のポジションを狙えます。
リアルタイム音声処理システムエンジニア
リアルタイム音声処理システムの開発は、声優経験者が技術的な知識と実用的な音声知識を融合させて最大の価値を発揮できる分野です。ゲーム配信、ライブストリーミング、ビデオ会議システムなどで求められる低遅延音声処理技術の開発において、声優としての経験が無駄になることはありません。
リアルタイム音声効果エンジニア
リアルタイム音声効果エンジニアは、声優経験者にとって非常に魅力的なポジションです。VTuberのリアルタイム音声変換、ゲーム内音声チャットの音質改善、ライブ配信でのリアルタイム音声エフェクト適用など、実際の音声表現を理解しているからこそできるシステム設計が求められます。
この分野では、C++やRustでの低レベル音声処理プログラミング、DSP(デジタル信号処理)アルゴリズムの実装、そしてWebRTCやWeb Audio APIなどの最新ウェブオーディオ技術への理解が必要です。声優経験から得た音声品質への敏感さと、技術的な最適化スキルを組み合わせることで、年収1600万円から2200万円のポジションを狙えます。
VTuber・バーチャルコンテンツ技術部門
VTuber・バーチャルコンテンツ技術部門は、声優経験者にとって最も直接的に価値を発揮できる急成長分野です。この分野では、単なる技術開発だけでなく、コンテンツ作成者としての経験やパフォーマンスへの理解が技術仕様に直接反映されます。この分野で活躍する主な職種を紹介します。
VTuberテクニカルディレクター
VTuberテクニカルディレクターは、声優経験と技術的知識を最高度に融合させたポジションです。Live2Dモデルの技術仕様策定、リアルタイムモーションキャプチャーシステムの設計、配信システムの音声品質最適化など、技術的な判断とパフォーマンスへの理解を両立させる必要があります。
声優としての経験から、「どのような技術的制約がパフォーマンスに影響するか」を直感的に理解できるため、技術チームとコンテンツチームの間で適切な意思決定を行えます。プロジェクトマネジメントスキルと組み合わせることで、年収1500万円から1900万円のポジションを狙えます。
セールスエンジニア
セールスエンジニアは、営業をサポートして製品・サービスの販売を促進する仕事です。自社の製品を活用できるよう、情報提供や実演を行うこともあります。知識・スキル面から営業をフォローし、クライアントの満足度を上げるのが役割です。クライアントの疑問に答えるため、技術面の深い知識に加え、分かりやすく伝える能力も求められます。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、ITシステムの利用における技術的な問題に対応する問い合わせ窓口です。「操作の仕方が分からない」「動かなくなった」などの問い合わせに対し、電話やメール、チャットなどを使って解決に導きます。問い合わせの一次対応をするヘルプデスクよりも高度な知識が求められる職種です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、システム開発などのプロジェクト全体の進行を管理する職種です。具体的には、計画立案や予算管理、リソースや工程の管理、さらにはステークホルダーとのコミュニケーションも業務内容に含まれます。いわば、プロジェクトを成功へ導く重要な役割を担うといえます。
ソフトウェア業界
パソコンやスマートフォンなどのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)を制作するのがソフトウェア業界です。主な職種には以下のようなものがあります。
プログラマー
プログラマーは、決められた仕様書に基づいて実際にプログラミングを行う仕事です。作成したシステムを確認し、バグを発見・解消する業務もプログラマーが担当します。開発するジャンルにより、必要なプログラミング言語は異なります。ひとつの言語を使いこなせるようになると、ほかの言語も比較的楽に習得できるようになるでしょう。こうしてスキルアップすることにより、仕事の幅を広げていけます。
関連記事 IT・エンジニアの職種図鑑|プログラマー
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはプログラマーの上流にあたる仕事です。クライアントの要望に基づき、システム全体の設計を決め、仕様書に落とし込んでいきます。システム開発をするうえで必要な予算やスケジュールを組む役割も求められます。プログラマーとして現場経験を積んだ後、キャリアアップの一環でシステムエンジニアを目指す方も少なくありません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、システムが利用できるようにネットワーク環境を整えるのが仕事です。ルーターやLANケーブルなど、物理的な機器に触れて行う仕事が多いのが特徴です。セキュリティーに関する知識も求められます。
テクニカルライター
テクニカルライターは、家電やソフトウェアなどのマニュアルを作成する専門職です。技術的な情報を一般のユーザーにも分かりやすく伝える役割を担います。ユーザーからの問い合わせ内容を改訂版に反映させ、より良いマニュアルに仕上げることもテクニカルライターとしての重要な役割です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担う専門職です。具体的には、サーバーやネットワークのセキュリティー強化、脆弱性のチェック、適切なセキュリティー対策の導入が求められます。IT 未経験から目指す際には、セキュリティーに関連する資格の取得が強い後押しになります。
OAインストラクター
OAインストラクターは、パソコンやOffice系ソフトなどの操作を分かりやすく教える専門家です。主に講座形式で指導し、多様な参加者のレベルに応じた教え方が求められます。基本的なコンピューターリテラシーがあり、人に教えることが好きな方に向いています。
CAD設計エンジニア
CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
関連記事 IT業界の転職知識まとめ
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
参照:職種別平均年収ランキング【2020年版】|マイナビエージェント
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
関連記事 IT未経験者必見!IT業界へ転職する際の志望動機は?おすすめ文例もご紹介 未経験からITエンジニアになるには?目指す方法や向いている人の特徴について解説
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
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まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。