この記事のまとめ
- Firebase Authenticationの実装経験があるエンジニアは、認証認可エンジニアとして高年収転職が可能
- JWT、OAuth2.0、ゼロトラストアーキテクチャの理解は現代のセキュリティエンジニアに必須
- Identity as a Service(IDaaS)分野の専門家として年収1500万円以上の求人が増加中
近年、企業のデジタル変革が加速する中で、認証認可システムの重要性が大幅に高まっています。Firebase AuthenticationやJWTトークンの実装経験を持つエンジニアは、まさにこの変革の最前線で活躍できる貴重な人材として企業から求められているのです。
実際、多くの企業がレガシーな認証システムからモダンなID管理システムへの移行を進めており、Firebase AuthとOAuth2.0の設計・実装ができるエンジニアに対する需要は過去最高レベルに達しています。この記事では、認証認可技術のエキスパートとして年収1500万円を実現するための具体的な転職戦略を解説していきます。
セキュリティ要件が厳格化する現代において、適切な認証認可設計ができる技術者は企業にとって不可欠な存在です。あなたの技術力を正しく評価してくれる企業との出会いが、理想的なキャリアの扉を開くことになるでしょう。
Firebase Auth・JWT認証エンジニアの市場価値が急上昇している理由
現代のセキュリティ環境において、Firebase AuthenticationとJWTトークンベースの認証システムに精通したエンジニアの価値は急激に高まっています。従来のセッションベース認証からトークンベース認証への移行が業界全体で進んでいる今、これらの技術を深く理解し、実装できるエンジニアは企業にとって戦略的な人材として認識されているのです。
特に注目すべきは、ゼロトラストセキュリティモデルの普及により、従来の境界防御型セキュリティから「決して信頼せず、常に検証する」というアプローチへの転換が求められていることです。この変革において、Firebase AuthやOAuth2.0、JWTといった技術は中核的な役割を担っています。
Firebase Auth経験者への企業からの期待値が高い理由
Firebase Authenticationの実装経験を持つエンジニアに対する企業の期待値は、単なる認証機能の実装能力を大きく超えています。Firebase Authを理解しているということは、Googleの設計思想やセキュリティベストプラクティスを実践レベルで習得していることを意味するからです。
実際、多くの企業がユーザー認証システムの刷新を検討している現在、Firebase Authの豊富な認証プロバイダー(Google、Facebook、Twitter、メール認証など)を適切に選択し、セキュリティ要件に応じてカスタマイズできるエンジニアは貴重な存在です。さらに、Firebase AuthとReact、Vue.js、Angular等のフロントエンドフレームワークとの統合経験があれば、フルスタック開発者として更なる高評価を得られます。
企業が特に重視するのは、Firebase Authのセキュリティルールの設計・実装経験です。適切なアクセス制御を実装できるエンジニアは、企業のセキュリティリスクを大幅に軽減できる専門家として認識されています。
JWTトークン設計の実務経験は転職市場で圧倒的に有利
JWT(JSON Web Token)の設計・実装経験を持つエンジニアは、認証認可分野における技術的深度の高さを証明できるため、転職市場で極めて有利なポジションに立てます。JWTは単なるトークン形式ではなく、ステートレスな認証システムを実現するための重要な技術基盤だからです。
特に企業が評価するのは、JWTのペイロード設計におけるセキュリティ配慮です。機密情報を避けて必要最小限のクレームのみを含める設計や、トークンの有効期限とリフレッシュトークンの適切な管理、JWS(JSON Web Signature)による署名検証の実装経験は、セキュリティ意識の高いエンジニアとして高く評価されます。
さらに、マイクロサービスアーキテクチャにおけるサービス間認証でJWTを活用した経験があれば、分散システム設計の専門家として年収1200万円〜1800万円のポジションにも挑戦可能です。
OAuth2.0フロー設計経験は企業のアーキテクチャ刷新で重宝される
OAuth2.0の各種フロー(Authorization Code Flow、Implicit Flow、Client Credentials Flow等)を深く理解し、企業の要件に応じて適切なフローを選択・実装できるエンジニアは、API経済時代の戦略的人材として企業から高く評価されています。
とりわけ企業が注目するのは、OAuth2.0とOpenID Connectを組み合わせた認証・認可システムの設計経験です。SaaSアプリケーションとの連携や、社内システムのSSO(Single Sign-On)実装において、適切なスコープ設計とセキュリティ考慮ができるエンジニアは、デジタル変革を推進する企業にとって不可欠な存在となっています。
さらに、PKCE(Proof Key for Code Exchange)の実装やセキュリティベストプラクティスを踏まえたOAuth実装経験があれば、セキュリティエンジニアとしての専門性も同時にアピールできます。
ゼロトラスト時代の認証アーキテクチャ設計が最高年収への鍵
ゼロトラストセキュリティモデルの普及により、従来の境界防御型からアイデンティティ中心のセキュリティアーキテクチャへの転換が加速しています。この変革において、Firebase Auth、JWT、OAuth2.0を統合したゼロトラスト認証システムの設計・実装経験は、年収1500万円を超える高年収ポジションへの確実な道筋となっています。
ゼロトラストアーキテクチャでは、「誰も信頼しない、すべてを検証する」という原則に基づき、ユーザーやデバイス、アプリケーションのすべてについて継続的な認証・認可が求められます。Firebase Authのマルチファクタ認証(MFA)機能や、カスタムクレームを活用した細かなアクセス制御、JWTトークンベースの動的認証など、これらの技術を組み合わせたセキュリティアーキテクチャを設計できるエンジニアは、企業のセキュリティ戦略を根本から支える人材として評価されます。
特に大手金融機関や医療系企業、政府関連システムでは、コンプライアンス要件を満たすゼロトラスト認証システムの構築が急務となっており、経験豊富なアーキテクトには年収2000万円を超えるオファーも珍しくありません。
Firebase Auth・JWT認証エンジニアが活躍できる4つの転職先カテゴリー
Firebase AuthenticationとJWT技術を習得したエンジニアは、認証・認可システムが重要な役割を果たす様々な業界で高い評価を受けることができます。特に「エンタープライズSaaS企業」「フィンテック・決済系企業」「ヘルステック・医療IT企業」「エデュテック・学習管理システム企業」の4つの分野において、セキュリティとユーザビリティを両立した認証システムの専門家として重宝されています。
これらの業界では、適切な認証・認可設計ができるエンジニアの不足が深刻な問題となっており、Firebase AuthとJWTの実装経験を持つエンジニアに対して積極的な採用活動を行っています。ここでは、各業界における認証エンジニアの具体的な役割と期待される技術レベルについて詳しく解説していきます。
エンタープライズSaaS企業での認証エンジニア
エンタープライズ向けSaaS企業では、数万人規模の従業員を抱える大企業のワークフローシステムや生産性向上ツールにおいて、高度な認証・認可システムの実装が求められています。Firebase AuthのEnterprise機能を活用し、SAML SSO、LDAP連携、カスタムクレーム設計などの企業レベルのID管理システムを構築できるエンジニアは、特に高く評価されます。
シニア認証アーキテクト
シニア認証アーキテクトは、企業の全社的なID管理戦略を設計・実装する上級職種です。Firebase Auth管理コンソールでの高度な設定、マルチテナント対応、カスタム認証プロバイダーの実装などを担当します。年収1500万円~2000万円のポジションが多く、大手SaaS企業では特に需要が高い職種となっています。
プロダクトセキュリティエンジニア
プロダクトセキュリティエンジニアは、SaaSプロダクトのセキュリティ要件を満たす認証システムの実装を主導します。JWT署名検証の実装、OAuth2.0スコープ設計、Firebase Security Rulesの最適化など、技術的な深さとプロダクト理解の両方が求められる重要なポジションです。年収1200万円~1800万円のレンジで募集されることが多く、成長中のSaaS企業では特に重宝される職種です。
フルスタック認証エンジニア
フルスタック認証エンジニアは、フロントエンドからバックエンドまで一貫した認証フローの実装を担当します。React + Firebase AuthのSPA実装、Node.js/Python/Go等でのJWT検証API開発、マイクロサービス間認証の設計など、幅広い技術スタックを駆使した開発が求められます。年収1000万円~1500万円の案件が豊富で、スタートアップから大手企業まで幅広い選択肢があります。
IDaaS実装スペシャリスト
IDaaS(Identity as a Service)実装スペシャリストは、Firebase AuthとOkta、Auth0、Azure ADなどの他のIDaaSサービスとの連携を専門とする技術者です。SCIM(System for Cross-domain Identity Management)プロトコルの実装、ディレクトリサービス統合、プロビジョニング自動化などの高度な技術を扱います。企業のIT部門から直接雇用されるケースが多く、年収1300万円~1700万円の好条件での転職が期待できます。
フィンテック・決済系企業での認証エンジニア
金融サービスやデジタル決済プラットフォームでは、極めて高いセキュリティレベルが求められるため、Firebase AuthとJWT技術を活用した特殊な認証システムの構築が必要です。金融庁のガイドラインやPCI DSS準拠、KYC(Know Your Customer)手続きと連携した高度な本人確認システムの実装経験を持つエンジニアは、極めて希少な人材として高く評価されています。
フィンテックセキュリティアーキテクト
フィンテックセキュリティアーキテクトは、金融サービス特有のリスク管理とFirebase Authの実装を組み合わせた高度な認証システムを設計します。反マネーロンダリング(AML)規制や個人情報保護法への対応、フラウド検知システムとの連携など、法律・規制要件を満たしながらユーザビリティを確保する高度なバランス感覚が求められます。年収1800万円~2500万円の範囲で募集されることが多く、フィンテック業界でのキャリア頂点ともいえるポジションです。
ブロックチェーン認証エンジニア
ブロックチェーン認証エンジニアは、暗号資産ウォレットやDeFiプラットフォームにおいて、Firebase Authとウォレットアドレスを組み合わせたハイブリッド認証システムを構築します。MetaMask、WalletConnectなどのWeb3ウォレットとFirebase Authのシームレスな統合、スマートコントラクトベースのアクセス制御など、最先端技術を活用した革新的な認証システムの開発が主な業務です。Web3業界の急成長に伴い、年収2000万円を超える高年収案件も珍しくありません。
フィンテックコンプライアンスエンジニア
フィンテックコンプライアンスエンジニアは、金融業界の厳格な規制要件を満たす認証システムの設計・監査を専門とします。金融庁のガイドライン、FATF勧告、ISO27001等の国際的なセキュリティ標準への準拠を確保しながら、Firebase Authの実装を適切に行う高度な専門性が求められます。法務・リスク管理・技術の三つの領域を横断する専門家として、高い評価と年収1600万円~2200万円の待遇を得られる職種です。
フィンテックプロダクトマネージャー
フィンテックプロダクトマネージャーは、決済サービスや投資アプリのプロダクト戦略とFirebase Authを中心とした認証機能の企画・開発を統括するポジションです。金融サービスのユーザーエクスペリエンスとセキュリティ要件のバランスを取りながら、適切な認証フローやリスクベースアクセス制御の仕様を決定し、エンジニアリングチームとの密接な連携で高品質なプロダクトを届ける仕事です。技術的な背景とビジネスセンスの両方を持つ人材として、年収1400万円~1900万円のポジションが用意されています。
ソフトウェア業界
パソコンやスマートフォンなどのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)を制作するのがソフトウェア業界です。主な職種には以下のようなものがあります。
プログラマー
プログラマーは、決められた仕様書に基づいて実際にプログラミングを行う仕事です。作成したシステムを確認し、バグを発見・解消する業務もプログラマーが担当します。開発するジャンルにより、必要なプログラミング言語は異なります。ひとつの言語を使いこなせるようになると、ほかの言語も比較的楽に習得できるようになるでしょう。こうしてスキルアップすることにより、仕事の幅を広げていけます。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはプログラマーの上流にあたる仕事です。クライアントの要望に基づき、システム全体の設計を決め、仕様書に落とし込んでいきます。システム開発をするうえで必要な予算やスケジュールを組む役割も求められます。プログラマーとして現場経験を積んだ後、キャリアアップの一環でシステムエンジニアを目指す方も少なくありません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、システムが利用できるようにネットワーク環境を整えるのが仕事です。ルーターやLANケーブルなど、物理的な機器に触れて行う仕事が多いのが特徴です。セキュリティーに関する知識も求められます。
テクニカルライター
テクニカルライターは、家電やソフトウェアなどのマニュアルを作成する専門職です。技術的な情報を一般のユーザーにも分かりやすく伝える役割を担います。ユーザーからの問い合わせ内容を改訂版に反映させ、より良いマニュアルに仕上げることもテクニカルライターとしての重要な役割です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担う専門職です。具体的には、サーバーやネットワークのセキュリティー強化、脆弱性のチェック、適切なセキュリティー対策の導入が求められます。IT 未経験から目指す際には、セキュリティーに関連する資格の取得が強い後押しになります。
OAインストラクター
OAインストラクターは、パソコンやOffice系ソフトなどの操作を分かりやすく教える専門家です。主に講座形式で指導し、多様な参加者のレベルに応じた教え方が求められます。基本的なコンピューターリテラシーがあり、人に教えることが好きな方に向いています。
CAD設計エンジニア
CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。