この記事のまとめ
- メタバース市場は急拡大しており、VR・AR・XR開発エンジニアの需要が急増している
- Unity・Unreal Engine・WebXR技術習得により、年収1800万円クラスの高収入が実現可能
- 3D数学・グラフィックス・UI/UX設計スキルが転職成功の重要なポイント
仮想現実技術の飛躍的な進歩により、メタバース業界は今最も注目される成長分野となっています。Facebook(現Meta)の社名変更やApple Vision Proの発表など、大手テック企業がこぞって投資する領域として、VR・AR・XR開発エンジニアへの需要は爆発的に高まっています。
実は多くのエンジニアが気づいていませんが、メタバース開発の世界は従来のWeb開発とは全く異なる専門性を要求される一方で、そのスキルを持つ人材は圧倒的に不足しているのが現状です。そのため適切な知識と戦略を持って転職活動を行えば、年収1800万円を超える高待遇のポジションも十分に狙える状況にあります。
この記事では、メタバース・VR・AR・XR開発エンジニアとして成功するための転職戦略を、技術的な専門知識から実践的なキャリア構築まで包括的に解説していきます。
メタバース市場の爆発的成長とエンジニア需要の現状
メタバース業界は現在、史上最大級の技術革新の波に乗っています。グローバル市場調査会社のデータによると、メタバース市場規模は2023年の約780億ドルから2030年には約8,280億ドルまで拡大する見込みで、年平均成長率は39.4%に達すると予測されています。
この市場拡大を支えているのは、VR・AR・XR技術の急速な進歩と、企業のデジタルトランスフォーメーションの加速です。特に注目すべきは、メタバース関連技術に精通したエンジニアの深刻な人材不足です。経済産業省の調査では、VR・AR開発エンジニアの不足数は2025年までに約43万人に達するとされており、この需給ギャップが高年収のチャンスを生み出しています。
大手テック企業の積極投資が示す市場ポテンシャル
Meta(旧Facebook)がReality Labsに年間130億ドル以上を投資し、Appleが200億ドルを投じてVision Proを開発したことからも分かるように、テック業界の巨人たちはメタバース技術を次世代のプラットフォームとして位置づけています。国内でも、ソニー、任天堂、ソフトバンクといった企業がVR・AR分野への大規模投資を続けており、これに伴ってエンジニアの採用競争も激化しています。
こうした状況下で、適切なスキルセットを持つメタバース開発エンジニアは、従来のWebエンジニアの1.5倍から2倍の年収を実現することも珍しくありません。特に3D空間設計、リアルタイムレンダリング、そしてマルチユーザー同期技術に精通したエンジニアは、年収1800万円を超える提示を受けるケースも増えています。
20代:メタバース技術習得の黄金期
20代は、メタバース開発エンジニアとしてのキャリアを築く最適な時期といえます。この年代の最大の強みは、新しい技術への適応力と学習スピードの高さです。VR・AR技術は日々進歩しており、従来のプログラミング経験がなくても、Unity・Unreal Engineを集中的に学習することで、短期間でプロフェッショナルレベルに到達することが可能です。
特に注目したいのは、メタバース業界では年功序列よりもスキル重視の評価体制が確立されていることです。実際に、25歳でUnityエキスパート認定を取得し、VRゲーム開発企業で年収1200万円からスタートしたエンジニアや、28歳でAR/VRスタートアップのテックリードとして年収1500万円を実現した事例も珍しくありません。
また、多くの企業がOculus SDK、ARCore、ARKitなどの最新技術の習得をサポートする研修制度を整備しているため、学習環境の面でも20代は非常に恵まれています。
30代:専門性とマネジメント力の融合期
30代のメタバース開発エンジニアは、技術的専門性とプロジェクト管理能力を両立させることで、極めて高い市場価値を発揮できます。この年代では、単なる開発スキルだけでなく、VRプロジェクトの企画立案、チームリード、クライアントとの技術的折衝など、多岐にわたる責任を担うことが期待されます。
実際に30代のエンジニアが重宝されるのは、3Dモデリング、シェーダープログラミング、パフォーマンス最適化といった高度な技術領域と、アジャイル開発手法、プロジェクトマネジメントなどのビジネススキルを統合的に活用できるからです。
大手VR開発会社では、この年代のエンジニアをシニア開発者やテクニカルディレクターとして採用するケースが増えており、年収1600万円から1800万円の高待遇も決して珍しくありません。
40代:戦略的エキスパートとしての新たなステージ
40代でメタバース業界に参入する場合、過去の業界経験を戦略的に活用することが成功の鍵となります。例えば、製造業でのCAD設計経験は3D空間設計に、金融業でのシステム開発経験はブロックチェーン連携メタバース開発に、建築業界での経験はメタバース内の仮想建築設計に直結します。
実際に、自動車業界出身の42歳エンジニアが、VRカーシミュレーター開発でCTOに就任し、年収2000万円を実現した事例もあります。この年代では、既存の専門知識とメタバース技術を掛け合わせることで、他のエンジニアにはない独自の価値を提供できるのです。
また、40代のエンジニアは、チームマネジメント、事業戦略立案、技術選定といった上流工程での貢献が高く評価されるため、スタートアップのCTO候補としての採用も活発化しています。
メタバース・VR・AR・XR業界の主要職種と専門分野
メタバース開発エンジニアといっても、その専門分野は多岐にわたります。「VRアプリケーション開発」「ARエクスペリエンス設計」「3D空間デザイン」「リアルタイム通信システム」の4つの主要領域に分類され、それぞれが異なる技術スタックと専門知識を要求します。
転職を成功させるためには、自分の興味と既存スキルに最も適した専門分野を見極めることが重要です。ここでは、各分野の特徴と求められるスキルセット、そして代表的な職種について詳しく解説していきます。
VRアプリケーション開発分野
VRアプリケーション開発分野は、没入型仮想現実体験の創造を中心とした最先端の技術領域です。ゲーム、教育、医療、建築など多様な分野でVR技術が活用されており、ユーザーを別世界に誘う魔法のような体験設計が求められます。この分野で活躍する主な職種をご紹介します。
VRゲーム開発エンジニア
VRゲーム開発エンジニアは、UnityやUnreal Engineを駆使して、プレイヤーが物理的に体験できるゲーム世界を構築します。従来の2Dゲームとは異なり、3D空間での移動、手の動き、視線追跡といった複雑なインタラクションを実装する必要があります。
この職種では、C#やC++のプログラミングスキルに加えて、3D数学、物理エンジンの理解、VRプラットフォーム(Oculus、PICO、PlayStation VR)の特性把握が不可欠です。年収レンジは800万円から1600万円と高く、特にマルチプレイヤーVRゲームの開発経験があるエンジニアは極めて高い評価を受けています。
VRエクスペリエンスデザイナー
VRエクスペリエンスデザイナーは、ユーザーの感情と行動を深く理解し、VR空間での最適な体験フローを設計する専門家です。単なる技術実装にとどまらず、人間工学、認知心理学、UI/UX理論を駆使して、酔いにくく直感的なVR体験を創造します。
この職種では、3DモデリングツールSparkAR、Lens Studio)の習得、プロトタイピング能力、そしてユーザーテストの設計・実行スキルが重要です。特に医療や教育分野のVRアプリケーション設計では、ドメイン知識も求められるため、異業界からの転職組が活躍しやすい領域でもあります。
VRテクニカルアーティスト
VRテクニカルアーティストは、美術的センスと技術的専門知識を融合させる希少性の高い職種です。リアルタイムレンダリング、シェーダープログラミング、3Dアセット最適化を通じて、美しく滑らかなVR体験を実現します。
Blender、Maya、3ds Maxでの3Dモデリング経験、HLSL/GLSLシェーダーコーディング、パフォーマンス最適化技術が必須スキルとなります。この分野のスペシャリストは年収1400万円を超えることも多く、特にリアルタイムレイトレーシングや光学的リアルレンダリングに精通したエンジニアは、各社が奪い合う人材です。
VRプラットフォームエンジニア
VRプラットフォームエンジニアは、VRデバイスとアプリケーションを繋ぐ基盤技術の開発を担当します。ハードウェア制御、デバイスドライバー開発、SDK設計といった低レベルな技術領域から、クラウド連携、マルチプラットフォーム対応まで幅広い知識が要求される非常に専門性の高い職種です。
OpenXR、WebXR、Vulkan API、DirectXの深い理解、C/C++による低レベルプログラミング、そしてリアルタイムシステムの設計経験が重要な要素となります。プラットフォーム全体のアーキテクチャを決定する責任重大なポジションのため、年収は1500万円から2000万円の高水準が期待できます。
ARエクスペリエンス設計分野
ARエクスペリエンス設計分野は、現実世界とデジタル情報を融合させる革新的な技術領域です。スマートフォンアプリから産業用ARグラス、自動車のヘッドアップディスプレイまで、私たちの日常生活を変革する様々なソリューションを創造します。この分野で求められる専門職種をご紹介します。
ARアプリケーション開発エンジニア
ARアプリケーション開発エンジニアは、ARCore(Android)やARKit(iOS)を駆使して、現実空間にデジタル情報をリアルタイムで重畳表示するアプリケーションを開発します。位置追跡、平面検出、光推定といった高度な技術を組み合わせ、直感的で魅力的なAR体験を実現します。
この職種では、SwiftやKotlin/Javaでのモバイル開発経験、コンピュータビジョンの基礎知識、そして3D空間認識技術の理解が必要です。特にSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術に精通したエンジニアは、年収1200万円から1700万円の高水準での採用が期待できます。小売業、教育、製造業でのAR導入プロジェクトが急増しており、実用的なARソリューション開発経験は極めて価値が高く評価されています。
ARインタラクションデザイナー
ARインタラクションデザイナーは、ユーザーが現実世界でデジタル情報とどのように相互作用するかを設計する専門家です。ジェスチャー認識、音声入力、視線追跡などの入力方法を組み合わせ、直感的で自然なARインターフェースを創造します。
Figma、Sketch、Adobe XDでのプロトタイピング能力、ユーザビリティテスト設計、そして空間UI/UX理論の深い理解が求められます。また、人間の知覚特性、認知負荷理論、インタラクションデザイン原則の知識も不可欠です。この分野のスペシャリストは、医療、製造業、教育といった特定業界での専門知識を活かすことで、年収1400万円クラスのポジションも狙えます。
ARコンピュータビジョンエンジニア
ARコンピュータビジョンエンジニアは、カメラから取得した映像データを解析し、現実世界の3D構造を理解するアルゴリズムを開発します。物体認識、空間マッピング、リアルタイム追跡といった技術を通じて、ARアプリケーションの基盤となる視覚認識システムを構築します。
OpenCV、PCL(Point Cloud Library)、TensorFlow/PyTorchでの画像処理・機械学習経験、線形代数・微積分の数学的基礎、そしてC++による高性能アルゴリズム実装スキルが必要です。特に、リアルタイム3D復元、SLAM、深度推定といった先端技術に精通したエンジニアは、研究開発部門で年収1600万円を超える待遇を受けることも珍しくありません。
AR企業ソリューションアーキテクト
AR企業ソリューションアーキテクトは、企業の業務プロセスにAR技術を統合するためのシステム全体設計を担当します。製造業の組立支援、物流業の作業指示、建設業の施工管理など、各業界特有の課題をAR技術で解決するソリューションを企画・設計します。
この職種では、エンタープライズシステム設計経験、業務プロセス分析能力、そして顧客との技術的コミュニケーション能力が重要です。また、クラウド連携、データベース設計、セキュリティ対策といったシステム全体の知識も求められます。業界知識と技術的専門性を兼ね備えたアーキテクトは、コンサルティングファームやシステムインテグレーターで年収1500万円から1800万円の高待遇を受けることが可能です。
ソフトウェア業界
パソコンやスマートフォンなどのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)を制作するのがソフトウェア業界です。主な職種には以下のようなものがあります。
プログラマー
プログラマーは、決められた仕様書に基づいて実際にプログラミングを行う仕事です。作成したシステムを確認し、バグを発見・解消する業務もプログラマーが担当します。開発するジャンルにより、必要なプログラミング言語は異なります。ひとつの言語を使いこなせるようになると、ほかの言語も比較的楽に習得できるようになるでしょう。こうしてスキルアップすることにより、仕事の幅を広げていけます。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはプログラマーの上流にあたる仕事です。クライアントの要望に基づき、システム全体の設計を決め、仕様書に落とし込んでいきます。システム開発をするうえで必要な予算やスケジュールを組む役割も求められます。プログラマーとして現場経験を積んだ後、キャリアアップの一環でシステムエンジニアを目指す方も少なくありません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、システムが利用できるようにネットワーク環境を整えるのが仕事です。ルーターやLANケーブルなど、物理的な機器に触れて行う仕事が多いのが特徴です。セキュリティーに関する知識も求められます。
テクニカルライター
テクニカルライターは、家電やソフトウェアなどのマニュアルを作成する専門職です。技術的な情報を一般のユーザーにも分かりやすく伝える役割を担います。ユーザーからの問い合わせ内容を改訂版に反映させ、より良いマニュアルに仕上げることもテクニカルライターとしての重要な役割です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担う専門職です。具体的には、サーバーやネットワークのセキュリティー強化、脆弱性のチェック、適切なセキュリティー対策の導入が求められます。IT 未経験から目指す際には、セキュリティーに関連する資格の取得が強い後押しになります。
OAインストラクター
OAインストラクターは、パソコンやOffice系ソフトなどの操作を分かりやすく教える専門家です。主に講座形式で指導し、多様な参加者のレベルに応じた教え方が求められます。基本的なコンピューターリテラシーがあり、人に教えることが好きな方に向いています。
CAD設計エンジニア
CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。