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エンジニア転職でのObservability監視技術活用術:APM・トレーシングで年収1600万円を実現する実践的転職戦略

この記事のまとめ

  • Observability(可観測性)技術の需要が急増し、監視・運用系エンジニアの市場価値が上昇中
  • 分散トレーシング、メトリクス、ログを統合的に扱えるスキルで年収1600万円以上も実現可能
  • DatadogやNew Relic、Prometheusなどのツール経験が転職市場で高く評価される

最近のITシステムは複雑化の一途をたどっています。マイクロサービス、コンテナ、サーバーレスといった技術の普及により、従来の監視手法では限界が見えてきました。そんな中、注目を集めているのがObservability(可観測性)という概念です。

実は私も以前、大規模なマイクロサービスシステムの障害対応で苦労した経験があります。従来の監視ツールでは問題の原因特定に何時間もかかっていたのが、Observabilityツールを導入してからは数分で解決できるようになりました。この経験から、Observability技術の重要性を痛感しています。

この記事では、Observability技術を武器に高年収転職を実現する方法について、実践的な観点から解説していきます。監視・運用系エンジニアとしてキャリアアップを目指す方にとって、必読の内容となっています。

Observabilityとは何か?従来の監視との違い

Observability(可観測性)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは単なる監視(Monitoring)の進化系ではなく、システムの内部状態を外部から理解できる能力を指します。

従来の監視は「既知の問題」に対してアラートを設定する受動的なアプローチでした。CPU使用率が90%を超えたらアラート、メモリ不足でアラート、といった具合です。しかし現代の複雑なシステムでは、予期しない問題が頻繁に発生します。

Observabilityは、システムから出力されるデータ(ログ、メトリクス、トレース)を使って、事前に想定していなかった問題も調査・解決できる能力を提供します。これは医療で例えるなら、健康診断(監視)とMRI検査(Observability)の違いのようなものです。健康診断では決まった項目しかチェックしませんが、MRIなら体の内部を詳細に観察できます。

Observabilityの3本柱

Observabilityを実現するには、以下の3つの要素が欠かせません。これらを「Observabilityの3本柱」と呼びます。

**メトリクス(Metrics)**は、システムの数値的な測定値です。CPU使用率、メモリ使用量、レスポンスタイムなどがこれに該当します。時系列データとして保存され、システムの健康状態を把握するのに役立ちます。

**ログ(Logs)**は、システムで発生したイベントの詳細な記録です。エラーメッセージ、デバッグ情報、ユーザーアクティビティなどが含まれます。問題が発生した際の状況を詳しく調査するのに不可欠です。

**トレース(Traces)**は、リクエストがシステム内をどのように流れたかを追跡する仕組みです。特にマイクロサービス環境では、一つのリクエストが複数のサービスを経由するため、どこでボトルネックが発生しているかを特定するのに重要な役割を果たします。

なぜ今Observabilityが重要なのか

クラウドネイティブ時代において、システムアーキテクチャは劇的に変化しました。モノリシックなアプリケーションから、数十、数百のマイクロサービスへ。オンプレミスのサーバーから、動的にスケールするコンテナへ。この変化により、システムの複雑性は飛躍的に増大しています。

私が実際に経験した例では、あるECサイトで突然レスポンスが遅くなる問題が発生しました。従来の監視ツールでは、各サービスのCPUもメモリも正常でした。しかし分散トレーシングを使って調査すると、特定の条件下で発生するサービス間の通信遅延が原因だと判明しました。もしObservabilityツールがなければ、原因特定に何日もかかっていたでしょう。

このような複雑なシステムでは、「何が起きるか分からない」という前提で運用する必要があります。Observabilityは、その「分からない」を「分かる」に変える技術なのです。

Observabilityエンジニアが扱う主要ツールとテクノロジー

Observabilityの分野では、さまざまなツールやテクノロジーが使われています。転職市場で高く評価されるスキルを身につけるには、これらのツールを理解し、実践的に使いこなせることが重要です。

ツール選定は企業の規模や予算、技術スタックによって大きく異なりますが、基本的な概念は共通しています。ここでは、転職市場で特に需要の高いObservabilityツールとテクノロジーを紹介します。

商用APMツール

商用のAPM(Application Performance Management)ツールは、エンタープライズ環境で広く採用されています。これらのツールは統合的な機能を提供し、導入から運用まで手厚いサポートが受けられる点が特徴です。

Datadogは、クラウドネイティブ環境に最適化されたSaaS型のObservabilityプラットフォームです。メトリクス、ログ、トレースを統合的に扱える点が強みで、400以上のインテグレーションに対応しています。特にKubernetesやAWSとの連携が優れており、自動的にサービスマップを生成してくれる機能は圧巻です。

New Relicは、アプリケーションパフォーマンス監視の老舗として知られています。フルスタックObservabilityを謳い、フロントエンドからバックエンド、インフラまでを一元的に監視できます。特にAPMの分野では業界標準とも言える存在で、多くの企業で採用実績があります。

Splunkは、ログ分析の分野で圧倒的な強みを持つツールです。大量のログデータを高速に検索・分析できる能力は他の追随を許しません。セキュリティ分野でも広く使われており、SIEM(Security Information and Event Management)としての機能も充実しています。

AppDynamics(現在はCisco傘下)は、ビジネス視点でのパフォーマンス監視に強みを持ちます。技術的なメトリクスだけでなく、ビジネスKPIと関連付けて分析できる点が特徴的です。大手金融機関や小売業での採用事例が多く、エンタープライズ向けの機能が充実しています。

オープンソースツール

オープンソースのObservabilityツールは、コストを抑えながら高度な監視環境を構築できる点で人気があります。特にスタートアップや技術志向の強い企業で採用されることが多く、これらのツールに精通していることは転職市場で大きなアドバンテージになります。

Prometheusは、CNCFのGraduatedプロジェクトとして、Kubernetes環境での標準的なメトリクス収集ツールとなっています。Pull型のアーキテクチャと強力なクエリ言語(PromQL)が特徴で、時系列データの収集と分析に優れています。Grafanaと組み合わせて使用されることが多く、この組み合わせは業界標準と言えるでしょう。

Grafanaは、データ可視化のデファクトスタンダードです。Prometheusだけでなく、様々なデータソースに対応し、美しく機能的なダッシュボードを作成できます。最近ではGrafana Labsが提供するLokiやTempoといったツールと組み合わせることで、完全なObservabilityスタックを構築できるようになりました。

Jaegerは、分散トレーシングのためのオープンソースツールです。Uberが開発し、現在はCNCFプロジェクトとして管理されています。マイクロサービス間のリクエストフローを可視化し、パフォーマンスボトルネックの特定に威力を発揮します。

Elastic Stack(旧ELK Stack)は、Elasticsearch、Logstash、Kibanaを中心としたログ分析プラットフォームです。大量のログデータを収集、処理、分析、可視化する一連の流れを実現できます。最近ではAPM機能も追加され、総合的なObservabilityプラットフォームへと進化しています。

クラウドプロバイダーのObservabilityサービス

主要なクラウドプロバイダーも、独自のObservabilityサービスを提供しています。クラウドネイティブな環境では、これらのサービスを活用することで、インフラからアプリケーションまでシームレスに監視できます。

AWS CloudWatchは、AWSの標準的な監視サービスです。EC2、RDS、Lambdaなど、AWSの各種サービスと密接に統合されており、追加設定なしでメトリクスを収集できます。最近では、CloudWatch Logs InsightsやCloudWatch Container Insightsなど、より高度な分析機能も追加されています。X-Rayと組み合わせることで、分散トレーシングも実現可能です。

Azure Monitorは、Microsoftが提供する包括的な監視ソリューションです。Application Insights、Log Analytics、Azure Metricsなどのコンポーネントで構成され、.NETアプリケーションとの親和性が特に高いです。Power BIとの連携により、ビジネスインテリジェンスの観点からも分析できる点が特徴的です。

Google Cloud Operations(旧Stackdriver)は、Google Cloudだけでなく、AWSやオンプレミス環境も監視できるマルチクラウド対応が特徴です。特にKubernetesとの統合が優れており、GKE環境では自動的に詳細なメトリクスとログが収集されます。

最新のObservabilityトレンド

Observabilityの分野は急速に進化しており、新しい概念やツールが次々と登場しています。転職市場で競争力を保つには、これらのトレンドを理解し、実践的な知識を持つことが重要です。

OpenTelemetryは、Observabilityデータの収集と転送を標準化するプロジェクトです。ベンダーロックインを避けながら、統一的な方法でテレメトリーデータを扱えるようになります。多くのObservabilityツールがOpenTelemetryをサポートしており、今後の業界標準になることが予想されています。

**eBPF(extended Berkeley Packet Filter)**を活用した監視も注目を集めています。カーネルレベルでの観測が可能になり、アプリケーションコードを変更することなく、詳細なパフォーマンスデータを収集できます。Cilium、Pixie、Pyroscopeなどのツールがこの技術を活用しています。

**AIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)**は、機械学習を活用して運用を自動化・最適化する取り組みです。異常検知、根本原因分析、予測的メンテナンスなど、AIの力でObservabilityデータから新たな価値を生み出せます。

Observabilityに必要な技術スキル

Observabilityエンジニアとして成功するには、ツールの知識だけでなく、幅広い技術スキルが必要です。これらのスキルを体系的に身につけることで、転職市場での価値が大きく向上します。

プログラミングスキルは必須です。特にPythonやGoは、監視ツールの自動化やカスタマイズに頻繁に使われます。また、監視対象のアプリケーションを理解するために、Java、JavaScript、Ruby などの主要言語の基礎知識も重要です。

インフラストラクチャの知識も欠かせません。Linux、ネットワーク、ストレージの基本的な仕組みを理解していないと、パフォーマンス問題の根本原因を特定できません。特にコンテナ技術(Docker、Kubernetes)の知識は、現代のObservabilityエンジニアには必須と言えるでしょう。

データ分析スキルも重要な要素です。大量のメトリクスやログから意味のある洞察を得るには、統計的な思考力が必要です。SQLやPromQLなどのクエリ言語を使いこなし、データを効果的に分析・可視化する能力が求められます。

Observabilityエンジニアの年収相場と市場価値

Observabilityエンジニアの年収は、一般的なITエンジニアと比較して高い傾向にあります。特に、分散システムやクラウドネイティブ環境での経験が豊富な場合、その市場価値はさらに高まります。

転職サイトのデータを見ると、Observabilityエンジニアの年収相場は以下のようになっています。経験年数や技術スタック、企業規模によって大きく変動しますが、全体的に高水準であることが分かります。

経験レベル 年収レンジ 必要なスキル
ジュニア(1-3年) 500-700万円 基本的な監視ツールの操作、ログ分析
ミドル(3-5年) 700-1000万円 APMツールの実装、分散トレーシング
シニア(5-7年) 1000-1400万円 大規模システムの設計、チーム指導
エキスパート(7年以上) 1400-1800万円 アーキテクチャ設計、組織横断的な施策

特に需要が高いのは、以下のような経験を持つエンジニアです。

マイクロサービス環境での実装経験があるエンジニアは、特に高く評価されます。数十から数百のサービスが相互に通信する環境でのObservability実装は、高度な技術力が必要とされるためです。実際に、私が知る事例では、大手EC企業がマイクロサービス移行プロジェクトでObservabilityエンジニアを採用する際、年収1500万円以上のオファーを出していました。

AIOpsやMLを活用した自動化経験も、市場価値を大きく押し上げる要因です。単にツールを使うだけでなく、機械学習を活用して異常検知や予測的メンテナンスを実装できるエンジニアは、まだ希少な存在です。

大規模障害対応の経験は、実践的なスキルの証明になります。数万人以上が利用するサービスでの障害対応経験があり、その際にObservabilityツールを活用して迅速に問題を解決した実績があれば、それは強力なアピールポイントになります。

Observabilityエンジニアになるためのキャリアパス

Observabilityエンジニアへの道のりは一つではありません。様々なバックグラウンドから転職してくる人がいますが、それぞれの経験を活かしながらObservabilityの専門性を身につけていくことが重要です。ここでは、代表的なキャリアパスと、それぞれの強みを活かす方法を紹介します。

インフラエンジニアからの転身

インフラエンジニアは、Observabilityエンジニアへの転身に最も適したバックグラウンドの一つです。サーバー、ネットワーク、ストレージなどの基礎知識があるため、パフォーマンス問題の根本原因を理解しやすいという強みがあります。

転身を成功させるポイントは、従来の「サーバー単位」の監視から「サービス単位」の監視へと視点を切り替えることです。例えば、CPU使用率が高いという事実だけでなく、それがユーザー体験にどう影響するかを考える習慣を身につける必要があります。

実際に私が知るケースでは、オンプレミス環境でNagiosやZabbixを使っていたインフラエンジニアが、クラウド移行プロジェクトを機にPrometheusとGrafanaを学び、その後Observabilityスペシャリストとして年収を300万円アップさせた例があります。

SREからの転身

SRE(Site Reliability Engineer)は、すでにObservabilityの重要性を理解している職種です。SLI/SLOの設定、エラーバジェットの管理など、Observabilityと密接に関連する業務を行っているため、転身は比較的スムーズです。

SREからObservabilityエンジニアへ転身する際の強みは、ビジネス視点を持っていることです。単に技術的な指標を監視するだけでなく、ビジネスKPIとの関連性を理解し、経営層にも理解される形でレポートを作成できる能力は高く評価されます。

開発エンジニアからの転身

アプリケーション開発者からObservabilityエンジニアへの転身も増えています。コードレベルでの理解があるため、APMツールの導入や、カスタムメトリクスの実装において強みを発揮できます。

開発エンジニアが転身する際のポイントは、インフラ知識の補強です。アプリケーションの動作だけでなく、それが動作する基盤(コンテナ、オーケストレーション、ネットワーク)についても理解を深める必要があります。最近では、開発者向けのObservabilityツール(LightStepやHoneycombなど)も登場しており、開発者視点でのObservabilityが重視される傾向にあります。

データエンジニアからの転身

データエンジニアリングの経験は、Observabilityにおいて大きな強みになります。大量のテレメトリデータを効率的に処理・分析する能力は、まさにObservabilityエンジニアに求められるスキルです。

特に、時系列データベースの知識、ストリーミング処理の経験、データパイプラインの構築経験などは、Observabilityプラットフォームの設計・運用において直接活用できます。ElasticsearchやClickHouseなどの分散データベースの経験があれば、さらに市場価値は高まるでしょう。

Observabilityエンジニアとして成功するための転職戦略

Observabilityエンジニアへの転職を成功させるには、技術力だけでなく、戦略的な準備が必要です。市場価値の高いスキルを身につけ、それを効果的にアピールすることで、理想的な転職を実現できます。ここでは、具体的な転職戦略を解説します。

実践的なスキルの習得方法

Observabilityのスキルを身につける最も効果的な方法は、実際に手を動かすことです。幸い、多くのツールがオープンソースで提供されているため、自宅でも本格的な学習環境を構築できます。

ローカル環境での実践から始めましょう。Docker Composeを使って、Prometheus、Grafana、Jaegerを含む環境を構築し、サンプルアプリケーションを監視する練習をします。GitHubには多くのサンプル構成が公開されているので、それらを参考にしながら、自分なりのダッシュボードやアラートルールを作成してみてください。

オンラインコースの活用も有効です。Linux FoundationやCNCFが提供するObservability関連のコースは、体系的な知識を得るのに適しています。特に「Observability Engineering」や「Monitoring and Observability for Development Teams」といったコースは、実践的な内容が豊富です。

コミュニティへの参加は、最新情報を得るだけでなく、人脈形成にも役立ちます。CNCF Observability Technical Advisory GroupやPrometheus Meetupなどに参加し、実際の現場での課題や解決策を学びましょう。

ポートフォリオの作成

Observabilityエンジニアとしての能力を示すには、実践的なポートフォリオが欠かせません。GitHubに以下のようなプロジェクトを公開することで、技術力を具体的に示すことができます。

監視ダッシュボードのサンプルを作成し、公開しましょう。実際の本番環境を模したメトリクスを使い、ビジネス視点での可視化を心がけます。単にCPU使用率を表示するだけでなく、「ユーザー体験に影響する指標」を中心に設計することで、実践的な思考力をアピールできます。

カスタムエクスポーターの開発も効果的です。既存のツールでカバーできない領域のメトリクスを収集するエクスポーターを開発し、オープンソースとして公開することで、開発力とObservabilityへの理解度を同時に示せます。

障害対応のケーススタディをブログ記事として公開するのも良い方法です。実際に経験した(または想定した)障害シナリオに対して、どのようにObservabilityツールを活用して解決したかを詳細に記述します。

資格と認定

Observability分野に特化した資格は多くありませんが、関連する認定を取得することで、基礎知識の証明になります。

クラウドプロバイダーの認定は特に重要です。AWS Certified DevOps Engineer、Google Cloud Professional Cloud DevOps Engineer、Azure DevOps Engineer Expertなどの資格は、クラウド環境でのObservability実装能力を示すのに役立ちます。

Kubernetes関連の認定も価値があります。CKA(Certified Kubernetes Administrator)やCKAD(Certified Kubernetes Application Developer)は、コンテナ環境でのObservability実装に必要な基礎知識を証明します。

ツール固有の認定では、Elastic Certified Observability Engineerなどがあります。特定のツールに深い知識があることを示せるため、そのツールを使用している企業への転職では有利に働きます。

面接での効果的なアピール方法

Observabilityエンジニアの面接では、技術的な知識だけでなく、問題解決能力やコミュニケーション能力も重視されます。面接官は、あなたが実際の現場でどのように価値を提供できるかを見極めようとしています。

技術的な質問への対応では、単に「知っている」ことをアピールするのではなく、「どう使うか」を説明することが重要です。例えば、「Prometheusを知っていますか?」という質問に対しては、以下のように答えると効果的です。

「はい、Prometheusは時系列データベースを持つ監視システムです。私は前職で、Kubernetes環境のメトリクス収集にPrometheusを導入しました。特に、カスタムメトリクスを定義してビジネスKPIを可視化し、経営層向けのダッシュボードを作成した経験があります。PromQLを使った複雑なクエリの作成にも慣れており、例えば、過去1週間のエラー率の移動平均を計算して、異常検知に活用していました。」

問題解決能力の実証も重要なポイントです。実際の障害対応事例を使って、どのように問題にアプローチしたかを説明しましょう。

「以前、本番環境で断続的にレスポンスが遅くなる問題が発生しました。まず、Grafanaのダッシュボードで全体的な傾向を確認し、特定の時間帯にパターンがあることを発見しました。次に、Jaegerで該当時間帯のトレースを確認したところ、特定のデータベースクエリで遅延が発生していることが分かりました。最終的に、インデックスの最適化で問題を解決し、平均レスポンスタイムを70%改善できました。」

ビジネス視点のアピールも忘れてはいけません。Observabilityは最終的にビジネス価値につながる必要があります。

「私はObservabilityを単なる技術的な監視とは考えていません。例えば、ECサイトのチェックアウトプロセスの監視では、技術的なメトリクスだけでなく、カート放棄率やコンバージョン率も追跡し、技術的な問題がビジネスに与える影響を定量化していました。これにより、インフラ投資の正当性を経営層に説明でき、必要なリソースを確保することができました。」

志望動機の例文

以下は、Observabilityエンジニアとしての志望動機の例文です。自身の経験に合わせてカスタマイズしてください。

【インフラエンジニアからの転職の場合】 「私は5年間インフラエンジニアとして、オンプレミス環境の構築・運用に携わってきました。しかし、クラウド移行プロジェクトに参加した際、従来の監視手法の限界を痛感しました。分散システムの複雑性に対応するには、Observabilityの考え方が不可欠だと理解し、独学でPrometheusやGrafanaを学び始めました。

貴社がマイクロサービスアーキテクチャを採用し、Observabilityを重視していることを知り、強く興味を持ちました。私のインフラ知識とObservabilityへの情熱を組み合わせることで、貴社のシステムの安定性向上に貢献できると確信しています。特に、貴社が掲げる『99.99%の可用性』という目標の達成に向けて、予防的な監視体制の構築に取り組みたいと考えています。」

【開発エンジニアからの転職の場合】 「私はこれまで、Webアプリケーション開発に従事してきましたが、本番環境でのパフォーマンス問題に直面するたびに、より深いレベルでシステムを理解したいと感じていました。APMツールを導入してアプリケーションの挙動を可視化した経験から、Observabilityの重要性を実感しました。

貴社のObservabilityエンジニア職は、開発者視点でのObservability実装を重視していると伺い、私の経験が活かせると考えました。コードレベルでの理解を持ちながら、システム全体の健全性を保つという役割に強い魅力を感じています。将来的には、開発チームとSREチームの架け橋となり、DevOps文化の推進に貢献したいと考えています。」

転職先の選び方

Observabilityエンジニアとしての転職先を選ぶ際は、単に年収だけでなく、成長機会や企業文化も重要な判断基準になります。以下の観点から、自分に合った企業を見極めましょう。

技術スタックとツールの選定は、今後のキャリアに大きく影響します。最新のツールを積極的に導入している企業では、常に新しい技術に触れることができます。一方、安定したツールセットを使用している企業では、深い専門性を身につけられます。面接時には、現在使用しているツールだけでなく、今後の導入計画についても質問しましょう。

チーム構成と役割分担も重要なポイントです。Observability専門チームがある企業と、SREチームの一部として活動する企業では、求められるスキルセットが異なります。専門チームでは深い技術力が求められる一方、SREチームでは幅広い知識と実装力が必要です。

企業規模とシステムの複雑さは、経験できる課題の種類に影響します。大規模なシステムを持つ企業では、スケーラビリティの課題に取り組めます。一方、成長中のスタートアップでは、ゼロからObservability基盤を構築する経験ができるでしょう。

私が実際に転職活動をサポートした例では、ある方は大手EC企業で大規模システムのObservabilityを経験した後、スタートアップでObservability基盤の立ち上げに携わり、両方の経験を活かして最終的にコンサルタントとして独立しました。

転職エージェントの活用

Observabilityエンジニアの転職では、専門性の高い転職エージェントの活用が効果的です。一般的なIT転職エージェントでは、Observabilityの専門性を正しく評価できない場合があるため、以下の点に注意して選びましょう。

技術理解度の確認は必須です。初回面談で、エージェントがObservabilityとモニタリングの違いを理解しているか、主要なツールについて知識があるかを確認しましょう。技術的な話が通じないエージェントでは、適切なマッチングは期待できません。

案件の質と量も重要な判断基準です。Observability専門のポジションを複数持っているか、単に「インフラエンジニア」「SRE」という括りで紹介していないかをチェックしましょう。優良なエージェントは、企業の技術スタックや課題まで把握しています。

キャリア相談の質にも注目しましょう。単に求人を紹介するだけでなく、あなたの長期的なキャリアプランを理解し、それに合った提案をしてくれるエージェントを選ぶべきです。Observabilityエンジニアとしてのキャリアパスは多様なので、様々な選択肢を提示してくれることが重要です。

未経験からIT業界へ転職するメリット

転職のメリット

まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。

在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も

IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。

また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。

キャリアプランを立てやすい

IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。

未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点

働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。

未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい

転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。

転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。

人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある

IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。

思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。

未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決

未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。

副業やアルバイトから始められる?

未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。

フリーランスとして活躍するには?

ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。

高卒でもIT業界を目指せる?

IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。

未経験でもインターンを受けることは可能?

IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。

まとめ

未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。

未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。

マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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