この記事のまとめ
- OSSへの貢献経験は、実践的な開発スキルと協調性を同時にアピールできる強力な武器
- 初心者でも始められるコントリビューションの方法があり、段階的にスキルアップが可能
- 面接では具体的な貢献内容とその過程で得た学びを効果的に伝えることが重要
「GitHubでOSS活動してます」という一言が、エンジニア転職の面接で強力な武器になることをご存知でしょうか。実は私も最初は「オープンソースなんて上級者がやるもの」と思い込んでいました。しかし、小さな文書の修正から始めた経験が、転職活動で予想以上に高く評価されたのです。
最近の転職市場では、実務経験だけでなく「自主的な学習意欲」や「コミュニティへの貢献」を重視する企業が増えています。特にスタートアップやモダンな開発文化を持つ企業では、OSS活動経験があるエンジニアを積極的に採用する傾向があります。これは単なる技術力の証明だけでなく、グローバルなコミュニケーション能力や問題解決能力の証でもあるからです。
そうはいっても、「どこから始めればいいのか分からない」「英語でのやり取りが不安」といった悩みを抱える方も多いでしょう。この記事では、初心者でも無理なく始められるOSSコントリビューションの方法から、転職面接での効果的なアピール方法まで、実践的なノウハウを詳しく解説していきます。
なぜOSSコントリビューションが転職で評価されるのか
エンジニア採用の現場では、履歴書に書かれた経歴だけでなく、実際のコードを見て判断したいという企業が増えています。私が採用担当者と話をする中でよく聞くのは、「GitHubアカウントを見れば、その人の技術レベルや仕事への姿勢がある程度分かる」という言葉です。
実際、OSS活動が評価される理由は技術力の証明だけではありません。グローバルなプロジェクトでのコミュニケーション能力、問題解決へのアプローチ、継続的な学習意欲など、エンジニアとして重要な資質を総合的に判断できるからです。特に最近では、リモートワークが一般的になったことで、非同期コミュニケーションやドキュメント作成能力の重要性が増しており、これらのスキルはOSS活動を通じて自然に身につきます。
OSS活動で証明できる能力とスキル
オープンソースプロジェクトへの貢献を通じて、企業は応募者の様々な能力を評価できます。技術的なスキルはもちろんのこと、それ以上に重要なのがソフトスキルの証明です。
コードレビューのやり取りを見れば、建設的なフィードバックを受け入れる姿勢や、自分の考えを論理的に説明する能力が分かります。Issueへの対応を見れば、問題を的確に理解し、解決策を提案する力が評価できます。また、継続的にコントリビューションしている様子からは、新しい技術への好奇心や学習意欲の高さが伝わってきます。
企業にとって特に魅力的なのは、「他者のコードを読み、理解し、改善できる」という能力です。実務では自分が書いたコード以上に、他人が書いたコードを扱う機会が多いため、この能力は非常に重要視されています。OSS活動はまさにこの能力を実践的に証明する最良の方法といえるでしょう。
企業が求める「自走できるエンジニア」の証明
「自走できるエンジニア」という言葉を転職活動でよく耳にすると思います。これは単に「一人で仕事ができる」という意味ではありません。むしろ、分からないことを自分で調べ、必要に応じて他者に質問し、問題を解決していく総合的な能力を指しています。
OSS活動は、この「自走力」を具体的に示す絶好の機会です。誰も手取り足取り教えてくれない環境で、プロジェクトのルールを理解し、適切な貢献方法を見つけ、実際にコードを書いてマージされるまでのプロセスを経験することは、まさに実務で求められる自走力そのものです。面接で「自走できます」と言葉で伝えるよりも、「このOSSプロジェクトにこういう貢献をしました」と実績を示す方がはるかに説得力があります。
初心者でも始められるOSSコントリビューションの第一歩
OSS活動を始めたいと思っても、最初の一歩を踏み出すのは勇気がいります。私も最初は「プルリクエストを送って却下されたらどうしよう」「英語でコミュニケーションできるだろうか」といった不安でいっぱいでした。でも実際に始めてみると、想像以上にコミュニティは親切で、初心者を歓迎してくれることがわかりました。
重要なのは、いきなり大きな機能追加を目指すのではなく、小さな貢献から始めることです。実は、多くのOSSプロジェクトは初心者の参加を積極的に求めています。なぜなら、新鮮な視点からのフィードバックや、ドキュメントの改善提案は、プロジェクトの成長に欠かせない要素だからです。
ドキュメントの修正から始める
OSSコントリビューションの最も取り組みやすい入り口は、ドキュメントの改善です。「コードを書かないと貢献にならない」と思われがちですが、実はドキュメントの改善は非常に価値の高い貢献として認識されています。
例えば、READMEファイルの誤字脱字の修正、インストール手順の分かりにくい部分の改善、サンプルコードの追加など、初心者でも気づける改善点はたくさんあります。特に日本語ドキュメントの翻訳や改善は、日本人エンジニアならではの貢献として歓迎されることが多いです。
私が最初に送ったプルリクエストも、あるライブラリのREADMEにあった小さなタイポの修正でした。たった1文字の修正でしたが、メンテナーからは「Thanks for your contribution!」という温かいメッセージとともにマージされ、それが大きな自信につながりました。
「good first issue」ラベルを探す
多くのOSSプロジェクトでは、初心者向けのタスクに「good first issue」というラベルを付けています。これは文字通り「最初の貢献として良い課題」を意味し、比較的簡単で、プロジェクトの全体像を理解するのに適したタスクが選ばれています。
GitHubでは、このラベルが付いたIssueを簡単に検索できます。自分が使っている言語やフレームワークのプロジェクトで「good first issue」を検索してみると、想像以上に多くの課題が見つかるはずです。これらの課題は、メンテナーが「初心者に取り組んでほしい」と明確に意図しているものなので、遠慮なくチャレンジしてみましょう。
重要なのは、Issueに取り組む前に「私がこの課題に取り組んでもいいですか?」とコメントすることです。これにより、他の人との作業の重複を避けることができ、メンテナーからアドバイスをもらえることもあります。
自分が使っているツールから始める
最も効果的なOSS活動の始め方は、日常的に使っているツールやライブラリへの貢献から始めることです。使い慣れたツールであれば、その動作や問題点をよく理解しているため、より実践的な貢献ができます。
例えば、開発中に遭遇したバグや、「こうだったらもっと使いやすいのに」と感じた点があれば、それがそのまま貢献のチャンスになります。実際に使っているユーザーからのフィードバックは、プロジェクトにとって非常に貴重な情報源です。
また、自分が苦労した設定や実装について、その解決方法をドキュメントに追加したり、サンプルコードを提供したりすることも立派な貢献です。「自分と同じように困る人がいるかもしれない」という視点で考えると、貢献のアイデアは自然と見つかります。
実践的なコントリビューションの進め方
初めてのプルリクエストを送る時は緊張するものです。でも、適切な手順を踏めば、スムーズに貢献を進めることができます。ここでは、実際にコントリビューションを行う際の具体的な流れと、押さえておくべきポイントを解説します。
プロジェクトのコントリビューションガイドラインを読む
どのプロジェクトに貢献するにしても、最初にすべきことはCONTRIBUTING.mdを読むことです。このファイルには、そのプロジェクトが求める貢献のルールや手順が詳しく記載されています。
例えば、コーディングスタイル、コミットメッセージの書き方、テストの実行方法、プルリクエストの作成手順などが記載されています。これらのルールを守ることは、単にマナーの問題ではなく、レビューの効率化や、プロジェクトの一貫性維持にもつながります。
また、多くのプロジェクトでは、Code of Conduct(行動規範)も定められています。これはコミュニティ内での振る舞いに関するガイドラインで、尊重と建設的なコミュニケーションの重要性が強調されています。
Issueに取り組む前のコミュニケーション
Issueに取り組む前に、必ずコメントで意思表示をしましょう。「I'd like to work on this issue」や「このIssueに取り組んでもいいですか?」といったシンプルなメッセージで十分です。
これにより、他の人との作業の重複を避けることができ、メンテナーからアドバイスや推奨されるアプローチを聞くこともできます。特に初めての貢献の場合は、「This is my first contribution to this project」と伝えると、より丁寧なサポートを受けられることが多いです。
プルリクエストの作成と送信
コードの修正が完了したら、プルリクエストを作成します。プルリクエストの説明には、以下の要素を含めると良いでしょう。
- 何を修正したのか
- なぜその修正が必要だったのか
- どのようにテストしたのか
- 関連するIssue番号(あれば)
英語が苦手でも、シンプルな表現で構いません。重要なのは、変更内容を明確に伝えることです。必要に応じて、スクリーンショットや動作のGIFを添付すると、より理解しやすくなります。
コードレビューへの対応
プルリクエストを送った後は、メンテナーや他のコントリビューターからフィードバックを受けることになります。このコードレビューのプロセスは、実はOSS活動の中で最も学びが多い部分です。
レビューコメントに対しては、防御的にならず、建設的に対応することが大切です。指摘された点について理解が不十分な場合は、遠慮なく質問しましょう。また、提案された修正に対して自分の考えがある場合は、その理由を論理的に説明することも重要です。
コードレビューを通じて、プロジェクトのコーディングスタイルやベストプラクティスを学ぶことができるため、注意深く観察し、吸収していきましょう。経験豊富なエンジニアから直接フィードバックをもらえる機会は、お金を払っても得られない貴重な体験です。
面接でOSS活動を効果的にアピールする方法
OSS活動の経験を面接でアピールする際には、単に「コントリビューションしました」と言うだけでは不十分です。重要なのは、その経験を通じて何を学び、どのように成長したかを具体的に伝えることです。
私が転職面接でOSS活動について話した際、最も好反応を得たのは、具体的なエピソードを交えながら話したときでした。たとえば、「あるバグを修正する際に、最初は自分の解決方法に固執していましたが、レビューでよりエレガントな方法を提案され、その考え方の違いに目からウロコが落ちました」といった学びのストーリーを伝えることで、技術力だけでなく学習意欲もアピールできました。
具体的なプロジェクトと貢献内容の伝え方
面接では、「どのプロジェクトに、どのような貢献をしたか」を具体的に説明できるよう準備しておきましょう。以下のポイントを意識して説明すると効果的です。
- プロジェクトの概要:そのプロジェクトが何を解決するためのものか、簡潔に説明
- 貢献の背景:なぜその貢献をしようと思ったか
- 技術的な詳細:使用した技術やアプローチ
- 結果と学び:マージされたか、フィードバックを受けたか、そこから何を学んだか
GitHubのプロフィールを整備し、コントリビューションの履歴が一目で分かるようにしておくことも大切です。興味を持った面接官が、その場であなたのプロフィールを確認することもあります。
失敗体験も貴重なアピールポイント
すべてのプルリクエストがマージされるわけではありません。しかし、却下された経験も、伝え方次第では強力なアピール材料になります。
「最初のプルリクエストは却下されましたが、その理由を理解し、プロジェクトの設計思想をより深く学んだ後、再度チャレンジしてマージされました」といったストーリーは、粘り強さや学習能力の高さを示す素晴らしい例です。
重要なのは、失敗から何を学び、どう成長したかを語ることです。これは実務でも必ず直面する状況であり、その際の対応力を示す良い指標になります。
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。