この記事のまとめ
- Rust言語は現在最も注目されるシステムプログラミング言語で、習得により年収1600万円以上も実現可能
- メモリ安全性と高性能を両立するRustの特性により、ブロックチェーン・OS開発・組み込み系など高付加価値領域での需要が急増
- Rust言語エンジニアとして転職成功するには、実践的なプロジェクト経験の蓄積と業界特化スキルの習得が重要
プログラミング言語の学習を検討している中で、「Rustって本当に転職で有利になるの?」と疑問を感じているエンジニアの方もいるのではないでしょうか。
実は、Rust言語は現在IT業界で最も注目されるシステムプログラミング言語の一つです。メモリ安全性と高性能を両立する革新的な特性により、多くの企業がRustエンジニアを求めており、年収1600万円以上の高収入も十分実現可能な状況にあります。
本記事では、Rust言語の習得から転職成功まで、システムプログラミング経験を武器に高年収を実現する具体的な戦略を解説します。この記事を読めば、Rustエンジニアとしてのキャリア構築方法が明確に理解できるでしょう。
なぜRust言語エンジニアが高年収を実現できるのか?
Rust言語エンジニアが高年収を実現できる背景には、言語の特性と市場での希少性があります。Mozilla Foundationが開発したRustは、メモリ安全性とゼロコスト抽象化を両立する革新的なシステムプログラミング言語として注目を集めています。
Rust言語の市場価値が急激に向上している理由
Stack Overflow Developer Survey 2024では、Rustが「最も愛されるプログラミング言語」として9年連続で1位を獲得しています。この結果は開発者の高い満足度を示すとともに、企業での採用が加速していることを裏付けています。
特に注目すべきは、大手テック企業での導入実績です。MicrosoftのWindows開発チーム、Meta(旧Facebook)のDiem(Libra)プロジェクト、DropboxのファイルストレージシステムなどでRustが採用されており、これらの企業では年収1600万円以上のRustエンジニア求人が増加しています。さらに、AWS、Google、Appleといった巨大企業もRustプロジェクトを拡大しており、経験豊富なRustエンジニアへの需要は供給を大きく上回っている状況です。
高度なシステム開発領域でのRust活用が拡大
Rustは、従来C/C++が担ってきた高度なシステム開発領域で急速に採用が進んでいます。オペレーティングシステム、ブラウザエンジン、データベース、ブロックチェーン基盤といった、パフォーマンスとメモリ安全性が重要視される分野で、Rustの価値が実証されているのです。
特に注目すべき領域として、WebAssembly(WASM)開発があります。RustはWebAssemblyとの親和性が非常に高く、フロントエンド・バックエンドを問わず高性能なWeb アプリケーション開発が可能です。このような最先端技術に精通したRustエンジニアは、年収1500万円から2000万円といった高額報酬のポジションを狙うことができます。
ブロックチェーン・暗号通貨開発でのRust需要
ブロックチェーン開発において、Rustは欠かせない存在となっています。SolanaやNear Protocol、Polkadotといった主要ブロックチェーンプラットフォームでRustが採用されており、スマートコントラクト開発、コンセンサスアルゴリズム実装、ノード開発など多岐にわたる技術領域でRustエンジニアの需要が高まっています。
暗号通貨・DeFi(分散型金融)プロジェクトでは、セキュリティと性能が極めて重要です。Rustのメモリ安全性とゼロコスト抽象化は、これらの要求を満たす理想的な特性を持っており、ブロックチェーン特化のRustエンジニアには年収1800万円以上のオファーも珍しくありません。
Rust言語を活用できる主要な技術分野と職種
Rust言語エンジニアとして転職を成功させるためには、Rustが活用される技術分野と求められる職種を正確に理解することが重要です。Rustの特性を活かせる分野は多岐にわたり、それぞれで異なるスキルセットと経験が求められます。
ここでは、Rust言語エンジニアが活躍する主要な技術分野と、それぞれで求められる職種について詳しく解説します。
システムプログラミング・インフラ開発領域
Rustが最も力を発揮するのは、高性能かつメモリ安全性が求められるシステムプログラミング領域です。オペレーティングシステム、デバイスドライバ、データベースエンジン、ネットワークプロトコル実装など、コンピュータの根幹を支える技術分野で活躍できます。
システムプログラマー
システムプログラマーは、OS・ファームウェア・デバイスドライバなど、ハードウェアに近い層のソフトウェア開発を担当します。Rustのメモリ安全性は、従来C/C++で発生していたセグメンテーション違反やバッファオーバーフローを防ぎ、より信頼性の高いシステムソフトウェア開発を実現します。
MicrosoftのWindows開発チームでは、カーネル部分の一部をRustで書き直すプロジェクトが進行中で、システムプログラマーとしてRust経験を持つエンジニアには年収1700万円以上のオファーが提示されています。
クラウドインフラエンジニア
クラウドインフラエンジニアは、分散システム・コンテナオーケストレーション・サービスメッシュなどの現代的インフラ技術を設計・構築・運用します。RustはKubernetes周辺ツール、モニタリングシステム、ログ処理基盤などで採用が進んでおり、高性能なインフラコンポーネント開発に最適です。
特に注目すべきは、DropboxのファイルストレージシステムやFirecracker(AWS Lambda基盤)など、大規模サービスのコア部分でRustが採用されている点です。これらの技術に精通したクラウドインフラエンジニアは、年収1600万円から2000万円の高額報酬を期待できます。
パフォーマンスエンジニア
パフォーマンスエンジニアは、システム全体の性能最適化を専門とする職種です。Rustの「ゼロコスト抽象化」により、高レベルな記述でありながら最適化されたマシンコードを生成でき、C/C++に匹敵する性能を実現できます。
金融取引システム、リアルタイムゲーム、高頻度取引(HFT)システムなど、レイテンシが重要な分野でRustの性能特性が評価されており、専門的なパフォーマンスエンジニアには年収1800万円以上の求人も存在します。
ブロックチェーン・Web3開発領域
ブロックチェーン技術の発展とともに、Rustは暗号通貨・DeFi・NFT・DAOなどWeb3エコシステムの中核技術として急速に普及しています。セキュリティと性能が極めて重要な金融系アプリケーションにおいて、Rustの特性は理想的な選択肢となっています。
ブロックチェーンエンジニア
ブロックチェーンエンジニアは、分散台帳技術を用いたシステム設計・開発・運用を担当します。Solana、Near Protocol、Polkadotなど主要なブロックチェーンプラットフォームでRustが採用されており、コンセンサスアルゴリズム、ネットワークプロトコル、ノード実装などの根幹技術開発を行います。
暗号技術、分散システム設計、経済メカニズム設計など多様な知識が求められる高度な職種で、経験豊富なブロックチェーンエンジニアには年収2000万円以上のオファーも珍しくありません。特に、独自ブロックチェーンの設計・実装経験を持つエンジニアの市場価値は極めて高くなっています。
スマートコントラクト開発者
スマートコントラクト開発者は、ブロックチェーン上で動作する自動実行プログラムを設計・実装します。Rustベースのスマートコントラクト開発では、SolanaのAnchorフレームワーク、CosmWasmプラットフォーム、Near Protocolなどで活用されています。
DeFiプロトコル、NFTマーケットプレイス、DAOガバナンスシステムなど、金融価値を扱うアプリケーション開発において、Rustのメモリ安全性とパフォーマンスは重要な競争優位性となります。専門性の高いスマートコントラクト開発者は年収1800万円以上を実現することが可能です。
暗号技術エンジニア
暗号技術エンジニアは、暗号学的プリミティブ(ハッシュ関数、デジタル署名、ゼロ知識証明など)の実装と最適化を専門とします。Rustは暗号ライブラリ開発において高いセキュリティと性能を提供し、多くの暗号学的プロトコルの実装でRustが選択されています。
ゼロ知識証明システム(zk-SNARKs、zk-STARKs)、多パーティ計算(MPC)、準同型暗号など最先端の暗号技術実装を担当し、プライバシー保護技術やセキュアな分散計算システムの開発に従事します。
WebAssembly・フロントエンド開発領域
WebAssemblyの普及により、RustはWebフロントエンド開発においても重要な位置を占めるようになりました。従来JavaScriptでは実現困難だった高性能な処理を、Rustで実装してWebAssemblyにコンパイルすることで、ブラウザ上で実行できるようになっています。
WebAssemblyエンジニア
WebAssemblyエンジニアは、RustをWebAssemblyにコンパイルして高性能なWebアプリケーションを開発します。画像・動画処理、3Dグラフィックス、ゲーム開発、科学計算など、計算集約的な処理をブラウザ上で効率的に実行するシステムを構築します。
Figma、Canva、Unity WebGLなど、多くの高性能Webアプリケーションでwasm-packを使用したRust+WebAssembly技術が活用されています。この分野の専門知識を持つエンジニアは、年収1400万円から1700万円の高額報酬を期待できます。
Rustフロントエンドエンジニア
Rustフロントエンドエンジニアは、Yew、Leptos、TauriなどのRustベースフロントエンドフレームワークを使用してWebアプリケーション・デスクトップアプリケーションを開発します。従来のJavaScript/TypeScriptとは異なるアプローチで、型安全性とパフォーマンスを両立したフロントエンド開発を実現します。
Tauriを使用したデスクトップアプリケーション開発では、Electronよりもメモリ使用量が少なく高速なアプリケーションが構築でき、Discord、1Password、OBS Studioなどの著名アプリケーションでも採用が進んでいます。
ゲーム開発エンジニア(Rust)
ゲーム開発エンジニアは、Bevyエンジン、ggezライブラリ、Amethystフレームワークなど、Rustベースのゲーム開発ツールを使用してゲームを制作します。Rustのメモリ安全性と性能は、リアルタイム性が要求されるゲーム開発において大きなアドバンテージとなります。
特に、マルチプレイヤーゲームのサーバーサイド開発、物理シミュレーション、AI実装などの分野でRustの採用が増加しており、経験豊富なRustゲーム開発エンジニアは年収1500万円以上を実現することが可能です。
組み込み・IoT開発領域
組み込みシステム開発においても、Rustは革新的な変化をもたらしています。従来C/C++が主流だった組み込み開発で、Rustのメモリ安全性と「no_std」(標準ライブラリなし)環境での動作により、より安全で効率的な組み込みソフトウェア開発が可能になっています。
組み込みRustエンジニア
組み込みRustエンジニアは、マイクロコントローラ・FPGA・IoTデバイス・産業機器などの組み込みシステムをRustで開発します。Embassy、RTIC(Real-Time Interrupt-driven Concurrency)などのRust組み込みフレームワークを使用して、リアルタイム性能とメモリ安全性を両立したシステムを構築します。
自動車ECU(Electronic Control Unit)、医療機器、航空宇宙システムなど、安全性が極めて重要な分野でRustの採用が進んでおり、これらの領域での経験を持つエンジニアは年収1600万円以上の高額報酬を期待できます。
IoTプラットフォームエンジニア
IoTプラットフォームエンジニアは、大規模IoTシステムのバックエンドインフラを設計・構築します。数百万のデバイスからのデータ収集・処理・分析を効率的に行うシステムを、Rustの高性能・低レイテンシ特性を活用して実現します。
AWS IoT Core、Azure IoT Hub、Google Cloud IoTなどのクラウドプラットフォームと連携し、TokioやActix-webなどの非同期Rustフレームワークを使用した高スループットなIoTシステム開発を担当します。
ファームウェアエンジニア
ファームウェアエンジニアは、ハードウェアとソフトウェアの境界で動作するファームウェアをRustで開発します。USB ドライバ、ネットワークプロトコルスタック、ブートローダーなど、デバイスの基本動作を制御するソフトウェアの実装を担当します。
Rustのゼロコスト抽象化により、C言語と同等の性能でありながら、メモリ安全性を保証したファームウェア開発が可能となり、従来よりも安全で保守性の高いファームウェアが実現できます。
Rustエンジニアの年収水準と市場価値
Rustエンジニアの年収は、一般的なIT業界の平均を大きく上回る水準となっています。Stack Overflow Developer Survey 2024によると、Rust開発者の平均年収は約1200万円で、全プログラミング言語の中でトップクラスの水準を維持しています。
技術分野別Rustエンジニア年収相場
技術分野 | 年収レンジ | 特記事項 |
---|---|---|
ブロックチェーン・Web3開発 | 1500万円~2500万円 | DeFiプロトコル開発経験で上位レンジ |
システムプログラミング | 1400万円~2000万円 | OS・ドライバ開発経験で高額 |
WebAssembly・フロントエンド | 1200万円~1800万円 | wasm-pack習熟度で差 |
クラウドインフラ・DevOps | 1300万円~1900万円 | Kubernetes・監視ツール開発 |
組み込み・IoT開発 | 1100万円~1700万円 | 安全性重要分野で高額 |
経験年数別年収推移
Rustエンジニアの経験年数別年収は、他の言語と比較して早期から高水準に達する傾向があります。
経験年数 | 平均年収 | 備考 |
---|---|---|
1年未満 | 800万円~1200万円 | 他言語経験ありの場合 |
1年~3年 | 1200万円~1600万円 | 実践プロジェクト経験で大幅アップ |
3年~5年 | 1600万円~2200万円 | アーキテクト・リードエンジニア |
5年以上 | 2000万円~3000万円 | 技術顧問・CTO候補 |
Rustエンジニアは他のプログラミング言語と比較して学習コストが高い反面、習得後の市場価値は極めて高く、年収1600万円以上の実現は十分に現実的な目標となっています。
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。