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スクラムマスター転職完全ガイド:アジャイル開発のスペシャリストとして年収アップを実現する実践的キャリア戦略

この記事のまとめ

  • エンジニアからスクラムマスターへのキャリアチェンジは年収1000万円超えも可能
  • アジャイル開発経験とコミュニケーション能力があれば転職成功率が飛躍的に向上する
  • スクラムマスターは技術力とビジネス理解力を兼ね備えたハイブリッド人材として市場価値が急上昇中

エンジニアとして技術力を磨いてきたものの、「もっとチーム全体の生産性向上に貢献したい」「技術だけでなくビジネス視点も身につけたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。

実は近年のアジャイル開発の普及により、スクラムマスターの需要が急激に高まっています。技術的なバックグラウンドを持つスクラムマスターは特に重宝され、年収1000万円を超えるポジションも珍しくありません。

本記事では、エンジニアからスクラムマスターへの転職戦略を詳しく解説します。この記事を読めば、技術力を活かしながら新しいキャリアパスを構築する具体的な方法が分かるでしょう。

スクラムマスターとは?なぜ今注目されているのか

スクラムマスターは、アジャイル開発フレームワークの一つである「スクラム」において、チームの生産性最大化を支援する専門職です。技術的な実装を担当するエンジニアとは異なり、プロジェクトの進行管理、障害の除去、チーム間の調整といったファシリテーション業務を中心に担当します。

ここ数年でデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、多くの企業がアジャイル開発を採用するようになりました。その結果、スクラムマスターの需要は従来の10倍以上に急増しているのが現状です。特に技術的な理解とビジネス感覚を兼ね備えたスクラムマスターは希少価値が高く、転職市場では引く手あまたの状況が続いています。

それでは、スクラムマスターが注目される理由と市場動向について詳しく見ていきましょう。

DXの加速でスクラムマスター需要が爆発的に増加

経済産業省の「DXレポート2022」によると、国内企業の約70%がアジャイル開発の導入を検討または実施していることが判明しています。この背景には、従来のウォーターフォール開発では対応しきれない市場変化の激化があります。

企業がアジャイル開発を採用する際、最大の課題となるのが「適切なスクラムマスターの確保」です。単純にプロジェクト管理ができるだけでは不十分で、技術的な理解、チームダイナミクスの把握、ビジネス価値の最大化といった多面的なスキルが求められるためです。

特に注目すべきは、エンジニア出身のスクラムマスターに対する企業の評価の高さです。技術的なボトルネックを理解し、開発チームとの信頼関係を構築できるため、プロジェクト成功率が通常のスクラムマスターと比べて約30%も向上するという調査結果もあります。

スクラムマスターの平均年収と市場価値

転職市場でのスクラムマスター職の待遇は非常に魅力的です。大手転職エージェントのデータによると、スクラムマスターの平均年収は以下のような水準となっています。

経験1-3年のジュニアレベルでも500-700万円、3-5年の経験があるミドルレベルでは700-1000万円、シニアレベルになると1000万円を超えるオファーが一般的になっています。特に外資系企業やメガベンチャーでは、優秀なスクラムマスターに対して1500万円以上の報酬を提示するケースも珍しくありません。

これほど高い待遇が提示される理由は明確です。優秀なスクラムマスターが参画することで、開発チームの生産性が20-40%向上し、プロダクトのリリース速度が大幅に改善されるためです。企業にとっては高い投資回収率を期待できる重要な人材投資なのです。

エンジニアからスクラムマスターへ転職する最適なタイミング

多くのエンジニアが「いつスクラムマスターにキャリアチェンジすべきか」という悩みを抱いています。転職市場の動向と成功事例を分析すると、いくつかの最適なタイミングが見えてきます。

最も多いのは、エンジニアとして3-7年の経験を積んだ段階での転職です。この時期であれば、技術的な深い理解を保ちつつ、チームリードやテックリードとしての経験も蓄積されているため、スクラムマスターとして即戦力になりやすいのです。また、この年代は学習意欲も高く、新しいスキルセットの習得にも積極的に取り組めます。

興味深いのは、30代前半でのキャリアチェンジが特に成功率が高いという点です。マネジメント経験への意識が高まり、かつ技術的な知見も豊富な時期であるため、企業からの評価も非常に高くなる傾向があります。

スクラムマスター職種の具体的な業務内容

スクラムマスターの日常業務を具体的にイメージできるよう、典型的な1週間のスケジュールを紹介しましょう。月曜日はスプリントプランニングのファシリテーションから始まり、チームが今後1-2週間で達成すべき目標を明確化します。火曜日から木曜日は日次スタンドアップミーティングの進行、障害の除去、ステークホルダーとの調整業務が中心となります。

金曜日にはスプリントレビューとレトロスペクティブを実施し、チームのパフォーマンス向上に向けた改善策を検討します。この一連の流れの中で、スクラムマスターは常にチームの生産性向上を意識し、メンバーが最高のパフォーマンスを発揮できる環境作りに専念するのです。

重要なのは、これらの業務が単なる進行管理ではないという点です。チーム内の技術的な課題を理解し、適切なソリューションを提案できるだけの技術的素養が求められるため、エンジニア出身者が特に重宝される理由がここにあります。

エンジニアからスクラムマスターに転職するために必要なスキルセット

エンジニア出身のスクラムマスターが市場で高く評価される理由は、技術的なバックグラウンドに加えて、チームマネジメントとビジネス理解の能力を組み合わせられるからです。そうはいっても、単に「エンジニア経験があるから大丈夫」というわけではありません。

実際にスクラムマスターとして成功するためには、これまでの技術経験を活かしつつ、新たに習得すべきスキルが複数あります。転職を成功させるためには、これらのスキルを体系的に身につけることが重要です。

ここでは、エンジニア出身者がスクラムマスターとして活躍するために必要な4つのコアスキルについて詳しく解説していきます。

アジャイル・スクラム方法論の深い理解

スクラムマスターとして成功するためには、アジャイル開発の原理原則を単に理解するだけでなく、実践的なレベルで応用できる必要があります。これは単なる知識の暗記では不十分で、実際の開発現場での複雑な状況に柔軟に対応できる判断力が求められます。

特に重要なのは、「なぜそのプラクティスが有効なのか」という本質的な理解です。例えば日次スタンドアップミーティングを単なる進捗報告の場として捉えるのではなく、チーム内の情報共有、障害の早期発見、メンバー間の連携促進といった複数の目的を同時に達成する場として機能させる視点が必要になります。

また、スクラムの各イベント(スプリントプランニング、レトロスペクティブなど)を効果的にファシリテートできるスキルも不可欠です。参加者のモチベーションを維持しながら、建設的な議論を促進し、具体的なアクションアイテムに落とし込んでいく能力は、経験を通じて磨く必要があります。

チームコーチングとファシリテーション能力

スクラムマスターの本質は「サーバントリーダーシップ」にあります。これは従来の権威的な管理手法とは根本的に異なるアプローチで、チームメンバーの成長と自律性を促進しながら目標達成を支援する手法です。エンジニア出身者にとって、この転換は最初は戸惑うかもしれません。

技術的な問題に対して直接的な解決策を提示したくなる衝動を抑え、チームメンバー自身が答えを見つけられるよう適切な質問を投げかけたり、学習機会を提供したりする姿勢が重要です。これは「教える」のではなく「気づきを促す」というコーチングの基本原理に基づいています。

また、多様なバックグラウンドを持つチームメンバー間の効果的なコミュニケーションを促進するファシリテーション技術も欠かせません。会議の進行から意見の対立の調整まで、チーム全体のパフォーマンス向上に直結する重要なスキルです。実際の現場では、技術的な議論が感情的になりがちな場面も多く、冷静で公平なファシリテーションができるかどうかが、プロジェクトの成否を左右することも珍しくありません。

ステークホルダーマネジメント能力

スクラムマスターは開発チームの中心にいながら、同時に組織全体との調整役も担います。プロダクトオーナー、エンジニアリングマネージャー、営業チーム、顧客など、様々な立場の人々と効果的にコミュニケーションを取り、それぞれの利害関係を調整する能力が求められます。

ここでエンジニア経験が大きな強みとなります。技術的な制約や実装の複雑さを理解しているため、非技術系のステークホルダーに対して適切な説明ができ、現実的な期待値設定が可能になるのです。「技術的には可能だが、品質リスクが高い」「短期的な実装は可能だが、長期的な保守性に問題がある」といった微妙なニュアンスを、ビジネスサイドの人間にも理解しやすい言葉で伝えることができます。

同時に、ビジネス要件や市場の変化を開発チームに伝える際も、技術的な視点から最適な実装方法を提案できるため、チーム全体の生産性向上に大きく貢献できます。この双方向のコミュニケーション能力こそが、エンジニア出身スクラムマスターの最大の価値といえるでしょう。

データ分析とメトリクス活用スキル

IT技術は、さまざまなビジネス・産業・サービスで利用されています。企業が求める情報システムを構築し、利用をサポートするのが情報処理・提供サービス業界です。システムインテグレーター(SIer)とも呼ばれます。主な職種には、以下のようなものがあります。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、IT技術を用いてクライアントの経営課題の改善やシステム導入の支援を行う仕事です。コスト削減や効率化などを実現するパートナーと理解するとよいでしょう。ITコンサルタントとして活躍するには、IT分野に限らず、経営全般や携わる業界に関する幅広い知識などが求められます。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは、営業をサポートして製品・サービスの販売を促進する仕事です。自社の製品を活用できるよう、情報提供や実演を行うこともあります。知識・スキル面から営業をフォローし、クライアントの満足度を上げるのが役割です。クライアントの疑問に答えるため、技術面の深い知識に加え、分かりやすく伝える能力も求められます。

テクニカルサポート

テクニカルサポートは、ITシステムの利用における技術的な問題に対応する問い合わせ窓口です。「操作の仕方が分からない」「動かなくなった」などの問い合わせに対し、電話やメール、チャットなどを使って解決に導きます。問い合わせの一次対応をするヘルプデスクよりも高度な知識が求められる職種です。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、システム開発などのプロジェクト全体の進行を管理する職種です。具体的には、計画立案や予算管理、リソースや工程の管理、さらにはステークホルダーとのコミュニケーションも業務内容に含まれます。いわば、プロジェクトを成功へ導く重要な役割を担うといえます。

ソフトウェア業界

パソコンやスマートフォンなどのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)を制作するのがソフトウェア業界です。主な職種には以下のようなものがあります。

プログラマー

プログラマーは、決められた仕様書に基づいて実際にプログラミングを行う仕事です。作成したシステムを確認し、バグを発見・解消する業務もプログラマーが担当します。開発するジャンルにより、必要なプログラミング言語は異なります。ひとつの言語を使いこなせるようになると、ほかの言語も比較的楽に習得できるようになるでしょう。こうしてスキルアップすることにより、仕事の幅を広げていけます。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアはプログラマーの上流にあたる仕事です。クライアントの要望に基づき、システム全体の設計を決め、仕様書に落とし込んでいきます。システム開発をするうえで必要な予算やスケジュールを組む役割も求められます。プログラマーとして現場経験を積んだ後、キャリアアップの一環でシステムエンジニアを目指す方も少なくありません。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、システムが利用できるようにネットワーク環境を整えるのが仕事です。ルーターやLANケーブルなど、物理的な機器に触れて行う仕事が多いのが特徴です。セキュリティーに関する知識も求められます。

テクニカルライター

テクニカルライターは、家電やソフトウェアなどのマニュアルを作成する専門職です。技術的な情報を一般のユーザーにも分かりやすく伝える役割を担います。ユーザーからの問い合わせ内容を改訂版に反映させ、より良いマニュアルに仕上げることもテクニカルライターとしての重要な役割です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担う専門職です。具体的には、サーバーやネットワークのセキュリティー強化、脆弱性のチェック、適切なセキュリティー対策の導入が求められます。IT 未経験から目指す際には、セキュリティーに関連する資格の取得が強い後押しになります。

OAインストラクター

OAインストラクターは、パソコンやOffice系ソフトなどの操作を分かりやすく教える専門家です。主に講座形式で指導し、多様な参加者のレベルに応じた教え方が求められます。基本的なコンピューターリテラシーがあり、人に教えることが好きな方に向いています。

CAD設計エンジニア

CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。

ハードウェア業界

ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。

ハードウェアエンジニア

ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。

組み込みシステムエンジニア

組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。

IT業界の年収は職種によって大きく異なる

マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。

職種名 平均年収
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) 670万円
プリセールス 599万円
社内システム企画 512万円
サーバーエンジニア 462万円
システムエンジニア(制御・組み込み) 455万円

またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。

年代 平均年収
20歳~24歳 307万円
25歳~29歳 373万円
30歳~34歳 449万円
35歳~39歳 528万円

IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。

参照:職種別平均年収ランキング【2020年版】|マイナビエージェント

未経験から転職しやすいIT業界の職種4選

転職しやすいIT職種

IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。

エンジニアやプログラマー

多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。

「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。

IT営業

ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。

自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。

IT事務

IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。

テクニカルサポート

テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。

IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。

未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント

転職成功のポイント

未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

未経験者を募集している求人を探す

未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。

さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。

教育制度の有無を確認して企業を選ぶ

未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。

逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。

IT業界に役立つ資格を取得する

IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
  • 応用情報技術者試験

また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。

  • 論理的思考力
  • プログラミングスキル
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンスキル
  • 資料作成能力
  • 英語力

IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。

文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする

IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。

たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。

また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。

【例文あり】志望動機を明確にしておく

未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。

  • 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
  • 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
  • 自分自身のエピソードを盛り込む

3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。

プログラマー

【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。

現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。

システムエンジニア

【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。

現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。

上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。

【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要

未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。

プログラマー

【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。

目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。

システムエンジニア

【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。

転職エージェントを活用した準備がおすすめ

未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。

また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。

未経験からIT業界へ転職するメリット

転職のメリット

まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。

在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も

IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。

また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。

キャリアプランを立てやすい

IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。

未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点

転職の注意点

働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。

未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい

転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。

転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。

人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある

IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。

思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。

未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決

IT業界への疑問

未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。

副業やアルバイトから始められる?

未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。

フリーランスとして活躍するには?

ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。

高卒でもIT業界を目指せる?

IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。

未経験でもインターンを受けることは可能?

IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。

まとめ

未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。

未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。

マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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