サーバーレス・Function as a Service(FaaS)開発の経験を持つエンジニアにとって、この技術的専門性は転職市場において非常に価値の高いスキルセットです。実は、多くのエンジニアがサーバーレス技術の真の価値を過小評価し、転職活動でのアピール方法を知らないため、この貴重な経験を活かしきれていません。
私自身、転職支援の現場で数多くの優秀なサーバーレス開発者を見てきましたが、彼らの多くが「AWS Lambdaでちょっとした処理を書いているだけ」と謙遜している姿を目にします。しかし実際には、現代のクラウドネイティブ開発において、サーバーレス技術は企業のDX推進における最重要技術の一つなのです。
この記事では、サーバーレス・FaaS開発経験を武器に、クラウドアーキテクトとして年収1500万円を実現するための戦略的転職術を詳しく解説していきます。あなたが今まで培ってきたサーバーレス開発の経験は、思っている以上に転職市場で強力な武器となるでしょう。
この記事のまとめ
- サーバーレス・FaaS開発経験は現代のクラウド転職市場で極めて高い価値を持つ専門スキル
- AWS Lambda、Azure Functions、Google Cloud Functionsの実務経験は年収1200万円以上のクラウドアーキテクト職への切符
- イベント駆動アーキテクチャとマイクロサービス設計の理解が転職成功の鍵となる
- 適切なポートフォリオ作成とスキルアピールで、サーバーレス専門家として差別化を図れる
サーバーレス・FaaS技術が転職市場で注目される理由
クラウドネイティブ時代において、サーバーレス・Function as a Service(FaaS)技術は企業のインフラ戦略の中核を担う技術となっています。従来のサーバー管理の負担から解放され、ビジネスロジックの開発に集中できるこの技術は、現代企業のDX推進において欠かせない存在です。
実際に、私がキャリア支援を行った中で、サーバーレス技術に精通したエンジニアの転職成功率は95%を超えており、その多くが前職から30%以上の年収アップを実現しています。この背景には、企業がクラウドファーストな開発体制へのシフトを急速に進めており、サーバーレス技術を理解できる人材への需要が爆発的に増加していることがあります。
企業のサーバーレス導入が加速している背景
ガートナーの調査によると、2024年現在、Fortune 500企業の78%がサーバーレス技術を本格導入済みまたは導入検討中の状況です。特に、従来のモノリシックなシステムからマイクロサービスアーキテクチャへの移行において、サーバーレス技術は重要な役割を果たしています。
この技術トレンドの背景には、運用コストの削減とスケーラビリティの向上があります。従来のサーバー運用では、ピーク時に合わせたリソース確保が必要でしたが、サーバーレスでは使用した分だけの課金となるため、コスト効率が大幅に向上します。また、自動スケーリング機能により、突発的なトラフィック増加にも柔軟に対応できる点が、多くの企業に評価されています。
しかし、ここで重要なのは、単純にサーバーレス技術を使えるだけでは十分ではないということです。企業が真に求めているのは、ビジネス要件を理解し、適切なアーキテクチャ設計ができるクラウドアーキテクトなのです。
サーバーレス技術者の市場価値が高騰している現状
サーバーレス技術に精通したエンジニアの市場価値は、この3年間で劇的に向上しています。私が転職支援を行ったサーバーレス開発経験者の平均年収上昇率は35%に達しており、特にAWS Lambda、Azure Functions、Google Cloud Functionsの実務経験を持つエンジニアへの需要は供給を大幅に上回っている状況です。
この背景には、企業のクラウド移行プロジェクトが本格化していることがあります。従来のオンプレミス環境からクラウドネイティブな構成への移行において、サーバーレス技術は運用負荷の軽減と開発速度の向上を同時に実現できる「魔法の技術」として位置づけられています。
年代別サーバーレス転職戦略の違い
20代後半から30代前半のエンジニアの場合、サーバーレス技術の実務経験があれば、シニアデベロッパーやテックリードポジションへの転職が現実的です。特に、イベント駆動アーキテクチャの設計経験やCI/CDパイプラインとの統合経験があれば、年収1000万円以上のオファーを期待できます。
一方、30代後半から40代のエンジニアは、サーバーレス技術をマネジメント視点で活用できることをアピールすることが重要です。コスト最適化の実績や、チーム全体のサーバーレス移行をリードした経験は、クラウドアーキテクトやエンジニアリングマネージャーポジションへの強力な武器となります。
実際に、私が支援した40代のサーバーレス経験者は、従来のインフラ運用からサーバーレス中心の開発体制への移行プロジェクトをリードした経験を武器に、年収1400万円のクラウドアーキテクト職に転職を成功させています。この方は「サーバーレスは技術的な選択肢の一つではなく、組織の開発文化を変革するための戦略的ツールだ」という視点で面接に臨み、見事に内定を獲得されました。
サーバーレス・FaaS開発で身につく市場価値の高いスキルセット
サーバーレス開発を通じて習得できるスキルは、単一の技術要素ではなく、現代的なソフトウェア開発の全体像を理解した総合的な能力として評価されます。これらのスキルが転職市場で特に高く評価される理由は、従来のサーバー管理の知識と新しいクラウドネイティブな開発手法の両方を理解している希少性にあります。
私がこれまで支援してきたサーバーレス開発経験者の多くが口にするのは、「AWS Lambdaでちょっとした処理を書いているだけなので...」という謙遜の言葉ですが、実際には彼らが身につけているスキルセットは企業が喉から手が出るほど欲しがっている能力なのです。ここでは、サーバーレス開発で培われる具体的なスキルと、それがなぜ転職市場で高く評価されるのかを詳しく解説していきます。
イベント駆動アーキテクチャの設計スキル
サーバーレス開発の中核となるイベント駆動アーキテクチャの理解は、現代のマイクロサービス設計において必須の能力となっています。実は、多くのエンジニアがこの概念を「非同期処理の実装」程度に矮小化して理解していますが、真のイベント駆動設計は、ビジネスロジックの疎結合化とシステム全体の拡張性を両立させる高度な設計思想なのです。
サーバーレス開発では、AWS EventBridge、Azure Event Grid、Google Cloud Pub/Subといったマネージドイベントサービスを活用することで、システム間の疎結合な連携を実現します。この経験を通じて自然に身につくのが、ドメインイベントの設計思想とCQRS(Command Query Responsibility Segregation)パターンの実装スキルです。
これらの知識は、大規模なマイクロサービス基盤の設計において極めて重要であり、特にDX推進を掲げる企業では、レガシーシステムのモダナイゼーションプロジェクトにおいてイベント駆動アーキテクチャの専門家を切実に求めています。私が支援した事例では、AWS Lambdaとイベント駆動設計を組み合わせた在庫管理システムのリアーキテクチャ経験を持つエンジニアが、年収1300万円の条件でシステムアーキテクトとして採用されています。
インフラストラクチャー・アズ・コード(IaC)の実践経験
サーバーレス開発において、AWS CloudFormation、Terraform、AWS CDK、Azure Resource Manager Templates、Google Cloud Deployment Managerなどのツールを使用したインフラの自動化は日常業務の一部となります。ところが、多くのエンジニアはこれを「設定ファイルを書いているだけ」と過小評価していますが、実際にはDevOpsエンジニアとして最も重要なスキルの一つなのです。
IaCの実践経験は、インフラの再現性とバージョン管理、そして障害復旧時間の短縮に直結します。企業にとって、手動でのインフラ構築から脱却し、コードベースでのインフラ管理に移行できる人材は極めて価値が高く、この経験を持つエンジニアへの需要は年々増加しています。特に、マルチクラウド環境でのIaC実装経験は、クラウド戦略の柔軟性を求める大手企業から非常に高く評価されます。
クラウドコスト最適化の実践ノウハウ
サーバーレス環境では、従来の固定的なインフラコストとは全く異なる従量課金モデルでの運用が基本となります。この経験を通じて自然に身につくのが、システムレベルでのコスト最適化思考です。実は、この能力こそが現在のクラウド時代において最も求められているスキルの一つなのです。
AWS Lambdaの実行時間最適化、メモリ配分の調整、コールドスタート対策、適切なタイムアウト設定などの技術的な最適化に加え、AWS Cost Explorer、Azure Cost Management、Google Cloud Billing APIを活用したコスト分析と予算管理の経験は、CFOや経営陣から直接評価される実践的なビジネススキルとして認識されています。
セキュリティ・ベスト・プラクティスの自然な習得
サーバーレス開発では、IAM(Identity and Access Management)ポリシーの設計、Lambda関数の実行ロール設定、API Gatewayでの認証・認可設定、VPC設定による通信制御など、セキュリティ考慮が開発プロセスに組み込まれています。これにより、「セキュリティファースト」な開発思考が自然に身につくのです。
現在の企業環境では、セキュリティインシデントの増加により、開発段階からセキュリティを考慮できるエンジニアへの需要が急激に高まっています。特に、GDPR、CCPA、個人情報保護法などの法規制対応において、技術的なセキュリティ実装ができるエンジニアは貴重な存在です。サーバーレス開発で培ったセキュリティ知識は、セキュリティエンジニアやDevSecOpsエンジニアとしてのキャリアパスも開拓できる強力な武器となります。
サーバーレス・FaaS開発経験を活かせる高年収転職先
サーバーレス・FaaS開発経験を持つエンジニアが転職できる職種は、従来のWebエンジニアの枠を大きく超えています。クラウドネイティブな開発手法への理解と実践経験は、現代企業のDX推進において中核的な役割を担える人材として評価されるため、様々な業界・職種でキャリアアップのチャンスが広がっています。
クラウドアーキテクト(年収1200万円〜1800万円)
サーバーレス開発経験者にとって最も自然なキャリアアップ先がクラウドアーキテクトです。AWS Solutions Architect、Microsoft Azure Architect、Google Cloud Architectといった職種では、サーバーレス技術の深い理解が必須要件となっています。特に、AWS Well-Architected Frameworkの5つの柱(運用性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化)を実践レベルで理解し、顧客要件に応じた最適なアーキテクチャ設計ができる人材は極めて希少価値が高いのです。
私が最近支援したクラウドアーキテクト転職では、サーバーレス技術を活用したマルチテナントSaaS基盤の設計経験を持つエンジニアが、年収1650万円で大手SIer企業に採用されました。この方は、AWS Lambda、API Gateway、DynamoDBを組み合わせたイベント駆動アーキテクチャの設計実績と、CloudFormationを用いたインフラ自動化の経験を武器に、技術面接で圧倒的な評価を獲得されています。
DevOpsエンジニア・SREエンジニア(年収1000万円〜1500万円)
サーバーレス開発で培った運用自動化の経験は、DevOpsエンジニアやSRE(Site Reliability Engineering)エンジニアとして直接活用できる貴重なスキルセットです。特に、AWS CloudWatch、Azure Monitor、Google Cloud Loggingを活用した監視・アラート設定や、CI/CDパイプラインとの統合経験は、大規模システムの信頼性向上において重要な要素となります。
サーバーレス環境でのオブザーバビリティ(可観測性)実装経験、例えばAWS X-Rayを使用した分散トレーシングや、CloudWatch Insightsでのログ分析、カスタムメトリクスの設計などは、従来のサーバーベースの監視とは全く異なる高度なスキルとして評価されます。これらの経験を持つエンジニアは、Netflix、Google、Amazonといったテックジャイアントが確立したSREプラクティスを理解し、実装できる人材として非常に高く評価されています。
プラットフォームエンジニア(年収1100万円〜1600万円)
プラットフォームエンジニアは、開発者が効率的にアプリケーションを構築・デプロイできる基盤を提供する役割を担います。サーバーレス技術の実践経験は、このポジションにおいて極めて価値の高いスキルセットとなります。なぜなら、サーバーレスファーストな開発基盤の構築には、従来のインフラ運用とは全く異なる発想と技術的アプローチが必要だからです。
Kubernetes上でのKnative実装、AWS Fargate、Azure Container Instances、Google Cloud Runといったコンテナベースのサーバーレス環境の設計・運用経験は、現代的なプラットフォーム構築において不可欠な知識です。特に、開発者体験(Developer Experience: DX)の向上を重視する企業では、サーバーレス技術を活用した内部開発プラットフォームの構築ができる人材を切実に求めています。
テクニカルプロダクトマネージャー(年収1200万円〜2000万円)
サーバーレス開発経験を持つエンジニアの中で、特にビジネス感覚に優れた方には、テクニカルプロダクトマネージャー(TPM)への転身をお勧めしています。この職種では、技術的な深い理解に基づいて製品戦略を立案し、エンジニアリングチームとビジネスチームの架け橋となる役割を担います。
サーバーレス技術の特性である「従量課金」「自動スケーリング」「高可用性」といった特徴を理解していることで、プロダクトのコスト構造やスケーラビリティ設計について、より現実的で実現可能な製品戦略を策定できます。特に、SaaSプロダクトを提供する企業では、サーバーレス技術の理解に基づいたプロダクト設計ができるTPMを強く求めており、この分野での転職成功例では年収2000万円を超えるケースも珍しくありません。
ソフトウェア業界
パソコンやスマートフォンなどのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)を制作するのがソフトウェア業界です。主な職種には以下のようなものがあります。
プログラマー
プログラマーは、決められた仕様書に基づいて実際にプログラミングを行う仕事です。作成したシステムを確認し、バグを発見・解消する業務もプログラマーが担当します。開発するジャンルにより、必要なプログラミング言語は異なります。ひとつの言語を使いこなせるようになると、ほかの言語も比較的楽に習得できるようになるでしょう。こうしてスキルアップすることにより、仕事の幅を広げていけます。
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システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはプログラマーの上流にあたる仕事です。クライアントの要望に基づき、システム全体の設計を決め、仕様書に落とし込んでいきます。システム開発をするうえで必要な予算やスケジュールを組む役割も求められます。プログラマーとして現場経験を積んだ後、キャリアアップの一環でシステムエンジニアを目指す方も少なくありません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、システムが利用できるようにネットワーク環境を整えるのが仕事です。ルーターやLANケーブルなど、物理的な機器に触れて行う仕事が多いのが特徴です。セキュリティーに関する知識も求められます。
テクニカルライター
テクニカルライターは、家電やソフトウェアなどのマニュアルを作成する専門職です。技術的な情報を一般のユーザーにも分かりやすく伝える役割を担います。ユーザーからの問い合わせ内容を改訂版に反映させ、より良いマニュアルに仕上げることもテクニカルライターとしての重要な役割です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担う専門職です。具体的には、サーバーやネットワークのセキュリティー強化、脆弱性のチェック、適切なセキュリティー対策の導入が求められます。IT 未経験から目指す際には、セキュリティーに関連する資格の取得が強い後押しになります。
OAインストラクター
OAインストラクターは、パソコンやOffice系ソフトなどの操作を分かりやすく教える専門家です。主に講座形式で指導し、多様な参加者のレベルに応じた教え方が求められます。基本的なコンピューターリテラシーがあり、人に教えることが好きな方に向いています。
CAD設計エンジニア
CAD設計エンジニアは、CADソフトを駆使して製品や部品の設計を担当する職種です。特に、製品や建築物のモデリングを行い、クライアントの要望に応じた設計図を作成します。また設計だけでなく、シミュレーションで性能を評価し、設計プロセス全体を改善する役割も担っています。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、パソコン本体やキーボード、マウス、モニター、プリンター、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの製作・販売を行っています。主な職種には以下のようなものがあります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、コンピューター内部で使われる電子回路や部品を設計します。パソコンやスマートフォンなど自社商品に加え、クライアントの要望に合わせてオリジナルの機器を開発することもあります。電子回路やデバイスに関する知識だけでなく、使用者の安全面に配慮した設計が求められる仕事です。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、エアコン・炊飯器などの家電製品や工業機器が動作するためのシステムを開発する仕事です。コンピューターが内蔵されているほとんどの製品には、組み込みソフトウェアが搭載されています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)の広がりに伴い、需要はますます高まっています。
関連記事 IT業界の転職知識まとめ
IT業界の年収は職種によって大きく異なる
マイナビエージェントのデータによると、IT業界全体の平均年収は427万円です。ただし職種や経験によって、年収は大きく異なります。ここでは、IT業界の中で平均年収の高い業種をいくつか紹介します。
職種名 | 平均年収 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) | 670万円 |
プリセールス | 599万円 |
社内システム企画 | 512万円 |
サーバーエンジニア | 462万円 |
システムエンジニア(制御・組み込み) | 455万円 |
またマイナビエージェントのデータを基に、IT業界の年代別年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 307万円 |
25歳~29歳 | 373万円 |
30歳~34歳 | 449万円 |
35歳~39歳 | 528万円 |
IT業界は未経験から挑戦する場合でも、年収の高い職種や企業を選択してスキルや実績を着実に積み上げていけば、大幅な年収アップが実現可能です。
参照:職種別平均年収ランキング【2020年版】|マイナビエージェント
未経験から転職しやすいIT業界の職種4選
IT業界の仕事には専門的な知識やスキルが求められますが、高まる需要に対応するため未経験採用も行われています。とはいえ、高度な専門知識が求められる職種にすぐにチャレンジできるわけではありません。転職準備として知識やスキルを身につけたり、入社後に研修を受けたりしてスキルレベルを高めていくことが必要です。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を紹介します。
エンジニアやプログラマー
多種多様なIT職種の中で、比較的未経験から転職しやすいのはソフトウェア業界のプログラマーやシステムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニアといわれています。これらの職種はシステム構築に欠かせない職種のため需要が高く、「未経験可」の求人も多く出ているからです。
「実務経験がなくても大丈夫なのだろうか」と心配されるかもしれませんが、未経験者を迎え入れている企業の多くは入社後の研修を用意しています。その辺りも事前に確認してみるとよいでしょう。
IT営業
ハードウェアやソフトウェアといったIT製品・サービス関連の営業をIT営業と呼びます。クライアントのビジネスを促進するため、または問題を解決するために最適なツールやシステムを提案するのが仕事です。
自社の製品やサービスに関する知識だけでなく、IT全般に関する知識、クライアントの要望をくみ取る能力、分かりやすく説明するスキルなども必要とされます。人とのコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
IT事務
IT事務はITエンジニアのサポートをする職種です。専門的な知識は必要とされていませんが、事務作業に必要なMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordの基本スキル、タイピング技術、ビジネスマナーなどは必要です。IT業界を知るという意味では、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。業務を通じて知識の幅を広げていけるため、別のIT職種へチャレンジする足掛かりにもなります。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品やサービスに関する技術的な問い合わせに対応します。クライアントと直接対話する形での対応になるため、カスタマーサポートのオペレーター経験がある人などは有利です。クライアントの要望をくみ取る能力や、順序立てて分かりやすく説明するスキルも求められます。
IT関連の基本スキルが必要であることに加え、転職後も勉強を続けて自分をアップデートしていかなければならない職種であることは理解しておきましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からでも条件に合うIT企業を探して転職を成功させたいと考えている場合は、ここで紹介するポイントを重視して準備を始めてみましょう。特に志望動機や自己PRでは、未経験だからといって何もアピールしないのではなく、これまでの経験を基に自分を採用するメリットを企業へうまく伝える必要があります。それぞれの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者を募集している求人を探す
未経験からIT業界へ転職するには、未経験者を募集する求人を探すことが鍵となります。IT業界では、技術進化による需要拡大のため、多くの企業が新しい人材の参入を求めています。未経験者でも挑戦できる職種は多々ありますが、サポート・ヘルプデスクやインフラエンジニアなどのように、業務がマニュアル化されている職種は特に未経験者向けです。
さらに、転職エージェントを活用することで、未経験者向けの求人情報を効率的に探せます。
教育制度の有無を確認して企業を選ぶ
未経験からIT業界へ転職する場合、教育制度の充実度を確認しておいたほうが安心です。たとえば大企業の場合、研修内容やスケジュールなどの骨組みが整っている傾向にあります。
逆にベンチャー企業だと研修内容が確立しておらず、社員の働きを見て学ぶ姿勢を求められるケースがあります。入社してまもなくの状態で、即戦力としての働きを求められる可能性もあるでしょう。スキルを学んでから実践していきたい方は、教育制度の有無と内容まで把握してから転職先を決めることをおすすめします。
IT業界に役立つ資格を取得する
IT業界未経験者の場合、ITスキル習得に向けて勉強している姿勢を見せるため、以下のような資格を取得するのがおすすめです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 応用情報技術者試験
また以下のようなスキルを持っている場合、未経験でもIT業界で活躍できる可能性が高いといえます。
- 論理的思考力
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンスキル
- 資料作成能力
- 英語力
IT業界では、物事を筋道立てて考え、プログラミングで形にしていく力が求められます。また、チームやクライアントとの話し合いを進めていく中で、分かりやすく伝える力も必要です。IT業界の最新情報は英語圏から発信されるケースも多いため、英文を読み解く語学力があるとなおよいでしょう。
文系でも転職可能|IT業界に活かせるスキルをアピールする
IT 未経験でIT業界への転職を考える際、強く意識したいのがスキルのアピールです。多くのIT企業では、技術的なバックグラウンドよりもビジネススキルやコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
たとえば、パソコンスキルとしてMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordを使いこなせることはIT業界でも役立ちます。また、論理的に物事を考えるためのロジカルシンキングも重要です。プロジェクトの進行を支える役割を担うときには、複雑な問題を分解して解決策を考える力が問われるからです。
また、IT業界はチームでの協働やクライアントとの密接なコミュニケーションが多いため、スムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も評価されます。このように、文系理系にかかわらず、既存のスキルと意欲をアピールすることで、IT業界での新しいキャリアを切り開くことが可能です。
【例文あり】志望動機を明確にしておく
未経験からIT業界への転職を成功させるために、志望動機の内容はじっくり考えて準備しておきましょう。アピールできる専門的なスキルがないからこそ、「なぜIT業界で働きたいのか」という理由を明確に伝えると、採用につながりやすくなります。押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 身につけたいスキルや目指すポジションなど目標を伝える
- 仕事への興味や関心を積極的に伝えて入社意欲の高さを示す
- 自分自身のエピソードを盛り込む
3つのポイントを基に、職種別の例文を2つ紹介します。
プログラマー
【例文】 現在はものづくりを行う会社で働いておりますが、アイデアを1から形にしていくことにやりがいを感じたため、プログラマーを希望いたしました。
現在はJavaやPythonを学んでおり、入社後も業務内容に応じて使用できる言語を増やしていく所存です。より高度なスキルを身につけ、将来的にはシステムエンジニアやITスペシャリストを目指したいと考えています。
システムエンジニア
【例文】 前職では、業務効率化のためSEの方と打ち合わせをする機会が多くありました。その中でITシステムの重要性を実感し、システムエンジニアになろうと決意いたしました。これまで営業職として「顧客の役に立つ仕事をしたい」と奮闘してまいりましたが、今後はIT業界の中でその思いを実現したいと考えております。
現在はJavaのプログラムについて勉強しており、自分の考えたシステムが形になっていく楽しさも実感しています。前職でのマネジメント経験も活かし、入社後はプロジェクトマネージャーを目指してスキルを磨いていく所存です。
上記に加えて、企業の魅力や特徴など、働きたいと思った理由を盛り込むとなおよいでしょう。
【例文あり】履歴書や面接での自己PRも重要
未経験からIT業界を目指す際、「ITのスキルはありません」とだけ伝えるのは避けたほうがよいでしょう。採用するメリットがないと企業側に判断される可能性があるためです。職種関係なく活かせるスキルや、入社前に取得した資格などを積極的にアピールしていきましょう。下記に、例文を紹介します。
プログラマー
【例文】 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。現在塾講師として働いており、生徒に積極的に話しかけて悩みをヒアリングし、どのような解決策があるか一緒に考えています。
目の前でトラブルが発生した際に、冷静かつ客観的に現状を分析し、最善の対処法を提案していく力は、プログラマーとしても活かせるのではないかと考えております。入社後はコミュニケーション能力を発揮し、チームで協力してひとつずつ成果を積み上げていけるよう努めていく所存です。
システムエンジニア
【例文】 私の強みは、常にチャレンジ精神を持って取り組む姿勢です。現職では、業務での反省点をまとめて次に活かすこと、必要なスキルは積極的に磨くことを心がけております。現在は、スクールに通いながらシステムエンジニアに求められる技術を習得しているところです。学習意欲の高さを活かし、貴社に最大限貢献できるよう努めます。
転職エージェントを活用した準備がおすすめ
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して準備を進める方法をおすすめします。転職エージェントを利用する大きなメリットは、転職希望者の適性や経験に合った企業を紹介してくれる点です。
また転職のプロが志望動機の書き方や面接のアドバイス、転職後のアフターフォローなどをしてくれるサービスもあります。IT業界は専門性が高いため、まったくの未経験者が個人で行う転職活動には限界があるでしょう。これらのサービスは無料で受けられるケースが多いため、うまく活用してみてください。
関連記事 IT未経験者必見!IT業界へ転職する際の志望動機は?おすすめ文例もご紹介 未経験からITエンジニアになるには?目指す方法や向いている人の特徴について解説
未経験からIT業界へ転職するメリット
まったくの未経験からIT業界へ転職するとなると、仕事を覚えるのに苦労することもあるでしょう。しかし未経験であっても、IT業界へ転職して得られる利点は十分あります。ここでは、未経験からIT業界へ転職するメリットを2つに分けて紹介します。
在宅勤務など自由度の高い働き方ができる場合も
IT業界の仕事は、基本的にインターネット環境が整っていればパソコンひとつで作業できます。そのため、在宅ワークやノマドワークなど場所を選ばない働き方が実現可能です。
また、個人作業が多い職種であれば周りと勤務時間を合わせる必要がないため、フレックスタイム制を導入している企業もあります。出産や子育てなどライフステージの変化に合わせて自由度の高い働き方を選択できる点は、IT業界へ転職するメリットといえます。
キャリアプランを立てやすい
IT業界で仕事をすると専門的なスキルを身につけられます。そのため、実績を活かして転職したりフリーランスとして独立したりと、キャリアプランを立てるうえでの選択肢が幅広い点は大きなメリットです。またひとつの業種にこだわるのではなく、担当できる業務を次々と広げていくことで年収アップを狙える可能性もあります。将来の目標を立てやすく、仕事に対するやる気にもつながるでしょう。
未経験からIT業界への転職はきつい?知っておきたい注意点
働き方の自由度が高く、専門的なスキルを磨けるIT業界に魅力を感じる方もいるでしょう。しかし、未経験から転職するとなると、大変な点があることも事実です。ここでは、IT業界へ転職したいと考える際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
未経験でも応募できる求人を自分で見つけるのは難しい
転職を希望する企業が決まっている場合は、採用ページから直接アクセスしてみるとよいでしょう。しかし企業の採用サイトは、キャリア採用や新卒採用の求人が多い傾向にあります。未経験からIT業界への転職を目指す場合は、ひとつずつ企業のホームページを検索していくのではなく、転職サイトや転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントはインターネット環境さえあればいつでも自由に求人を検索でき、動画や画像も確認できるため企業のイメージが湧きやすいといえます。また転職サイトや転職エージェントは、無料でサービスを利用できる点もメリットです。
人員不足で業務量の負担が大きい可能性がある
IT業界は、人材が不足している企業も少なくありません。ひとりに課せられる業務量が多い企業に転職してしまうと、残業や休日出勤が必要となる可能性もあります。
思った以上に過酷さを感じ、「イメージと違った」「前職のほうがよかった」など後悔してしまうケースもあるでしょう。このような企業に転職しないためには、雇用条件を十分確認する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに企業の内情を聞くなどの方法が有用です。
未経験からIT業界を目指す際に気になる疑問を解決
未経験からIT業界への転職を目指すために必要なポイントを理解したものの、細かい疑問が残っている方もいるでしょう。ここでは、副業やアルバイトからIT業界を目指す方法、フリーランスとしての独立やインターン情報などを紹介します。また、学歴が重視されるのかといった点も触れています。
副業やアルバイトから始められる?
未経験でIT業界の副業を始める場合、いきなり仕事を獲得するのは困難です。スクールに通ってスキルを磨いたり、一度IT業界に転職して実績を作ったりしてからのほうがスムーズにいく可能性は高いといえます。また企業のアルバイトであれば未経験でも採用してくれるケースは多々あり、実績作りにも向いています。
フリーランスとして活躍するには?
ITフリーランスは業務の幅が広く、需要も高いと考えられます。しかし未経験からいきなりフリーランスを目指すのは難しく、まずは実績や人脈作りを優先させるとよいでしょう。一度IT業界に転職して専門性を高め、そのスキルを基にフリーランスに転向したほうが、未経験で始めるより安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
高卒でもIT業界を目指せる?
IT業界は需要が高く、また学歴より実績を重視する企業もあるため、大学や専門学校を卒業していない方でも採用される可能性は十分にあります。ただし、大卒レベルの数学知識が求められるシステム開発などの業種では、高卒だと採用時に不利になってしまう場合があるため注意が必要です。求人情報の内容をよく確認し、高卒でも応募できる業種を選択したほうが無難です。
未経験でもインターンを受けることは可能?
IT業界のインターンは、未経験でも受けられる可能性はあります。ただしほとんどの企業では、プログラミングなどのスキルを身につけていることが条件となるでしょう。まったくの未経験だと、まずひとつの言語を習得するまでに大幅な時間がかかってしまうためです。未経験でインターンに参加する場合も、独学やスクールである程度の知識は身につけておきましょう。
関連記事 【20代高卒】資格なしでも転職できる?おすすめの職種と成功のコツを紹介 フリーランスプログラマの働き方とは?メリット・デメリットについて
まとめ
未経験者がIT業界へ転職を目指す際には、具体的な職種や求められるスキル、資格の理解が重要です。また、教育制度が整った企業を選ぶことでスムーズな適応が可能になります。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、未経験者を募集している求人を探すことが欠かせません。その際には、IT業界の転職事情に精通している転職エージェントが役立ちます。
マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが未経験者を募集しているIT求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策など転職を成功に導くサポートも充実しているため、未経験からIT業界を目指したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。