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エンジニア向けタイピング練習ツール徹底比較

この記事のまとめ

  • コーディング特化型のtyping.ioやSpeedCoderは、プログラミング言語の記号入力を効率的に鍛えられる
  • MonkeyTypeやkeybr.comは汎用的なタイピング力の底上げに適しており、カスタマイズ性も高い
  • 練習の継続にはゲーム形式の寿司打やZTypingが効果的で、1日10~15分の短時間練習を習慣化するのがコツ

エンジニアとして働いていると「もう少しタイピングが速ければ楽なのに」と感じる場面に出くわすことがあります。コードレビューのコメントを書くとき、設計書を作成するとき、あるいはペアプログラミングで自分がドライバー役を務めるときなど、タイピング速度が生産性に直結する瞬間は意外と多いものです。

ただ、タイピング練習ツールは世の中に山ほどあり、どれを使えばいいのか迷ってしまいます。一般的な文章入力の練習ソフトはエンジニアの業務にそのまま役立つとは限りませんし、かといってプログラミングに特化したツールの存在を知らない方も多いでしょう。この記事では、エンジニアの目線でタイピング練習ツールを厳選し、それぞれの特徴や使いどころを詳しく比較します。

コーディング特化型のタイピング練習ツール

エンジニアがタイピング練習をする目的は、一般的な文章入力を速くすることだけではありません。プログラミングでは括弧やブレース、セミコロン、アロー記号など、通常の文章では使わない記号を大量に入力する必要があります。そのため、プログラミング言語のコードを題材にした練習ツールが最も実践的です。

typing.io

typing.ioは、エンジニアの間で最も有名なコーディング特化型タイピング練習ツールのひとつです。GitHubに公開されているオープンソースプロジェクトの実際のコードを題材として使っており、JavaScript、Python、Ruby、Java、C++、Go、Haskellなど、20以上のプログラミング言語に対応しています。

このツールの最大の魅力は、本物のコードで練習できることです。変数名やメソッド名、インデント、コメントなど、実際のプロジェクトで使われているコードスタイルがそのまま題材になっているため、練習の成果がダイレクトに実務に反映されます。特にインデントの深さや括弧のネストが複雑なコードを打つ練習は、他のタイピング練習ツールでは味わえない体験です。

実は、typing.ioには無料版と有料版があり、無料版でも十分に練習できます。有料版(月額9.99ドル程度)では、練習できる言語やコードスニペットの数が増え、タイピング統計の詳細な分析機能も使えるようになります。まずは無料版で試してみて、気に入ったらアップグレードを検討する流れがよいでしょう。ただし、日本語キーボードとの相性で一部の記号入力がずれることがあるため、JIS配列を使っている方は最初に設定を確認することをおすすめします。

SpeedCoder

SpeedCoderは、typing.ioと同様にプログラミング言語のコードでタイピング練習ができるWebサービスです。対応言語はJavaScript、Python、Java、C#、PHP、HTML、CSSなど幅広く、各言語ごとに基本的な構文や頻出パターンが題材として用意されています。

SpeedCoderの特徴は、言語ごとに難易度が段階的に設定されていることです。たとえばJavaScriptの練習では、最初はシンプルな変数宣言や関数定義から始まり、徐々にクロージャやPromise、async/awaitといった複雑な構文に進んでいきます。初心者から上級者まで、自分のレベルに合った練習ができるのはありがたいポイントです。

そういえば、SpeedCoderはtyping.ioと比べるとUIがシンプルで、操作に迷うことがほとんどありません。余計な機能がない分、開いてすぐに練習を始められるのは大きなメリットです。ブックマークしておいて、仕事の合間のちょっとした休憩時間に5分だけ練習する、といった使い方に向いています。完全無料で利用できるため、手軽に始められるのも嬉しいところです。

汎用タイピング練習ツール

コーディング特化型のツールだけでなく、基礎的なタイピング力を底上げする汎用ツールも併用するのが効果的です。プログラミングの記号入力が上手くなっても、英単語やコメント文の入力が遅ければ全体の速度は上がりません。

MonkeyType

MonkeyTypeは、ここ数年でエンジニアの間に急速に広まったオープンソースのタイピング練習ツールです。シンプルで洗練されたデザインが特徴で、テーマのカスタマイズが豊富に用意されているため、見た目を自分好みに変えられます。ダークテーマ対応はもちろん、数十種類のカラーテーマが用意されており、エンジニアのこだわりに応えてくれるツールです。

MonkeyTypeの最大の特徴は、カスタマイズ性の高さです。テスト時間を15秒、30秒、60秒、120秒から選べるほか、出題される単語数を10語、25語、50語、100語から指定できます。さらに、句読点の有無や数字の混在、出題言語の選択など、細かい設定が可能です。英語だけでなく日本語にも対応しているため、ローマ字入力の練習にも使えます。

実は、MonkeyTypeにはアカウント登録機能があり、ログインすると過去のタイピング結果が自動的に記録されます。自分のWPMの推移やミスタイプ率の変化をグラフで確認できるため、上達の過程を可視化できるのです。毎日少しずつ練習して数値が伸びていくのを見るのは、モチベーション維持に効果的です。GitHubの草(コントリビューション)を埋めていく感覚に近いかもしれません。

keybr.com

keybr.comは、アルゴリズムベースで最適な練習内容を自動生成してくれるタイピング練習ツールです。ユーザーのタイピングパターンを分析して、苦手なキーや遅い組み合わせを重点的に出題してくれるため、効率的にスキルアップが図れます。

このツールの興味深い点は、練習内容が実在する単語ではなく、アルゴリズムが生成した単語に近い文字列であることです。実在する単語を使うと、頻繁に出てくる単語を丸暗記してしまい、本当のタイピング力が伸びにくいという問題があります。keybr.comではこの問題を回避するために、ランダムに近い文字列を使いつつも、発音しやすい組み合わせにすることで練習のストレスを軽減しています。

ところで、keybr.comにはユニークなマルチプレイヤー機能があります。世界中のユーザーとリアルタイムでタイピング対決ができるのです。他の人と競争することで、普段よりも集中して練習に取り組める効果があります。エンジニア仲間と一緒にやってみると、思わぬ盛り上がりを見せることもあるでしょう。

keybr.comは完全無料で利用でき、アカウント登録をすると学習データが保存されます。各キーの打鍵速度やエラー率がヒートマップで表示されるため、自分の弱点が一目でわかるのは非常に便利です。苦手なキーが明確になれば、その部分を集中的に練習するという効率的なアプローチが可能になります。

TypingClub

TypingClubは、体系的にタイピングを学びたい方に向いているツールです。カリキュラムが段階的に構成されており、ホームポジションの基礎から始めて、すべてのキーを網羅的に練習できます。もともとは学校教育向けに開発されたサービスですが、タッチタイピングをゼロから習得したい大人にも十分役立ちます。

TypingClubの特徴は、各レッスンに動画による手のポジションの解説がついていることです。独学でタッチタイピングを覚えようとすると、指の配置が自己流になりがちですが、このツールなら正しいフォームを確認しながら練習を進められます。正しい指使いを身につけることは、長期的なタイピング速度の向上に不可欠です。

そういえば、すでにそれなりの速度でタイピングできるエンジニアでも、指使いが自己流のままという方は少なくありません。右手の小指でEnterキーやバックスペースキーを押す癖がなかったり、記号キーの担当指が曖昧だったりすることがあります。こうした基礎的な部分をTypingClubで矯正することで、速度と正確性の両方が改善される可能性があります。基本プランは無料で利用可能です。

ゲーム形式で楽しく練習できるツール

タイピング練習は単調になりがちで、続けるのが難しいと感じる方も多いでしょう。ゲーム形式のツールなら、楽しみながら練習を続けられます。

寿司打

寿司打(すしだ)は、日本で最も有名なタイピング練習ゲームのひとつです。回転寿司のレーンに乗ってやってくる皿が画面から消える前に、表示された文字列を打ち切るというシンプルなルールですが、これが意外と中毒性があります。お手軽コース、おすすめコース、高級コースの3段階から選べ、コースによって制限時間や出題される文章の難易度が変わります。

日本語の文章が題材になるため、ローマ字入力の練習に最適です。エンジニアは英語タイピングに偏りがちですが、日本語での資料作成やチャットでのコミュニケーションでもタイピング速度は重要です。寿司打で日本語入力のスキルを磨いておくと、Slackやメールでのやりとりが格段にスムーズになります。

実は寿司打は、エンジニア採用の面接後のアイスブレイクで話題になることもあるくらい知名度の高いサービスです。「寿司打で何円分食べられます?」という会話が開発チームのランチ時間に飛び交うことも珍しくありません。同僚とスコアを競い合うことで、自然と練習の頻度が上がるという副次的な効果も期待できます。完全無料でブラウザから利用できます。

ZTyping

ZTypingは、シューティングゲームの形式でタイピングを練習できるツールです。画面上に出現する敵キャラクターに表示された単語を入力して撃墜していくというゲームで、アクションゲームの要素とタイピング練習が融合しています。

このツールの面白い点は、通常のタイピング練習では鍛えにくい「瞬発力」が養われることです。敵が次々と現れるため、表示された瞬間に反射的にタイピングを開始する必要があります。この瞬発力は、実際のコーディングにおいてもコード補完の候補を素早く選択したり、エラーメッセージを見てすぐに対応したりする場面で活きてきます。

ところで、ZTypingにはステージ制が導入されており、進むにつれて敵の出現速度と単語の難易度が上がっていきます。ゲームとしての達成感があるため、気づいたら30分以上練習していたということもあるでしょう。ただし、あまり熱中しすぎると業務時間に食い込んでしまうので、ほどほどにしておくのが賢明です。こちらもブラウザから無料でプレイできます。

ツール比較一覧

ここまで紹介したツールの特徴を一覧表にまとめます。

ツール名 種類 料金 コーディング対応 日本語対応 特徴
typing.io コーディング特化 無料/有料 対応(20言語以上) 非対応 実際のOSSコードで練習
SpeedCoder コーディング特化 無料 対応(主要言語) 非対応 段階的な難易度設定
MonkeyType 汎用 無料 非対応 対応 高いカスタマイズ性と統計機能
keybr.com 汎用 無料 非対応 非対応 AI的な弱点分析と出題最適化
TypingClub 汎用(学習型) 無料/有料 非対応 対応 体系的なカリキュラム
寿司打 ゲーム形式 無料 非対応 対応 中毒性の高いゲーム性
ZTyping ゲーム形式 無料 非対応 対応 シューティング形式で瞬発力を養成

目的別のおすすめツール

タイピング練習ツールを選ぶときに大切なのは、自分の目的に合ったものを選ぶことです。闇雲にいろいろなツールを使うよりも、目的を明確にしてツールを絞ったほうが効率よくスキルアップできます。

コーディング速度を上げたい場合

コーディング中の記号入力にストレスを感じている方は、typing.ioかSpeedCoderから始めるのがおすすめです。自分が普段使っているプログラミング言語を選んで練習すれば、その言語特有の記号パターンが指に染み込んでいきます。1日10分程度の練習を2週間ほど続けると、コーディング時の快適さが変わってくるのを実感できるはずです。

typing.ioとSpeedCoderのどちらを選ぶかは好みの問題ですが、複雑で本格的なコードで練習したい方はtyping.io、シンプルな構文から段階的に練習したい方はSpeedCoderが向いています。両方を試してみて、自分に合うほうを選ぶのが一番でしょう。

基礎的なタイピング力を底上げしたい場合

タッチタイピングがまだ完全でない方や、全体的な速度を上げたい方は、keybr.comで弱点を特定してから重点的に練習するアプローチが効果的です。keybr.comで苦手なキーを把握したうえで、MonkeyTypeで実際の単語入力を繰り返し練習する、という組み合わせがおすすめです。

タッチタイピングをゼロから習得する場合は、TypingClubで正しい指使いを学ぶところから始めましょう。自己流の指使いで速度を上げようとすると、ある段階で伸び悩みの壁にぶつかることが多いです。遠回りに見えても、正しいフォームを最初に身につけておくことが、長期的には最速の上達法です。

楽しく継続したい場合

タイピング練習に挫折した経験がある方は、寿司打やZTypingのようなゲーム形式のツールで気楽に始めてみましょう。ゲームの楽しさが練習のモチベーションを支えてくれるため、習慣化しやすいのが大きなメリットです。ゲーム形式のツールで練習を習慣にしてから、必要に応じてコーディング特化型のツールに移行するという段階的なアプローチも有効です。

効果的な練習方法と習慣化のコツ

どんなに優れたツールを使っても、練習を継続しなければ効果は出ません。タイピング練習を習慣化するためのコツをいくつか紹介します。

短時間でも毎日続ける

タイピング練習で最も大切なのは、継続することです。1日1時間の練習を週1回やるよりも、1日10~15分の練習を毎日やるほうが効果は高いです。タイピングは筋肉の記憶に依存するスキルであり、短い間隔で繰り返し練習することで指が動きを覚えていきます。

朝の仕事を始める前の10分間や、昼食後のコーヒータイムの5分間など、毎日決まった時間に練習する習慣をつけると続けやすいです。ブラウザのスタートページにMonkeyTypeを設定しておく、といった工夫も効果的です。練習を日常のルーティンに組み込んでしまえば、意志の力に頼らなくても自然と続けられるようになります。

速度よりも正確性を優先する

練習中は速度を意識しすぎないことが重要です。速く打とうとするあまりミスが増えると、ミスを修正する癖がついてしまい、結果的に上達が遅くなります。練習の初期段階では、正確性を100%に近づけることを最優先にしましょう。正確に打てるようになれば、速度は後から自然についてきます。

MonkeyTypeやkeybr.comでは正確性の数値が表示されるため、これを95%以上に保つことを意識して練習するとよいでしょう。95%を安定して超えられるようになったら、少しずつ速度を上げていくという段階的なアプローチが、科学的にも効果が高いとされています。

弱点を意識した練習をする

やみくもに練習を繰り返すだけでは、効率の良い上達は望めません。keybr.comのヒートマップ機能やMonkeyTypeの統計機能を活用して、自分の弱点を把握しましょう。特定のキーでミスが多い場合は、そのキーが含まれる文字列を重点的に練習することで、ピンポイントに弱点を克服できます。

そういえば、多くのエンジニアが苦手としているのが、右手の小指で入力するキー群です。P、セミコロン、アポストロフィ、Enterキーなど、右手の小指が担当するキーはプログラミングでの出現頻度が高いにもかかわらず、練習が手薄になりがちです。右手小指の強化に特化した練習を意識的に取り入れることで、全体的な入力速度のバランスが良くなります。

エディタのカスタマイズとの相乗効果を狙う

タイピング練習と並行して、普段使っているエディタのカスタマイズも進めていきましょう。VSCodeのスニペットやEmmet、マルチカーソル編集などを習得することで、同じコードを書くのに必要なキーストロークの数そのものが減ります。タイピング速度の向上とキーストローク削減を組み合わせれば、実効的なコーディング速度は掛け算で改善されるのです。

Vimキーバインドの導入も検討する価値があります。Vimのモーダル編集に慣れると、ホームポジションから手を動かさずにテキストの編集操作ができるようになり、マウスに手を伸ばす回数が激減します。学習コストは高いですが、一度身につけると元には戻れないという方が多いのは、それだけ効率が良い証拠です。VSCodeにはVimエミュレーション拡張があるため、Vim自体を使わなくてもVimの恩恵を受けることが可能です。

まとめ

エンジニア向けのタイピング練習ツールは、コーディング特化型のtyping.ioやSpeedCoder、汎用型のMonkeyTypeやkeybr.com、ゲーム形式の寿司打やZTypingなど、目的に応じたさまざまな選択肢があります。

最も重要なのは、自分の弱点と目的に合ったツールを選び、短時間でも毎日継続することです。1日10~15分の練習を2~3週間続ければ、目に見える改善を実感できるでしょう。速度よりも正確性を優先し、エディタのカスタマイズとの相乗効果も狙うことで、実務でのコーディング効率は着実に向上していきます。

タイピング練習はスキルアップの手段であって目的ではありません。ストレスなくコードを打てる程度まで速度を上げたら、設計力やアーキテクチャの知識、コミュニケーション能力といった、キャリアアップに直結するスキルの向上にも時間を振り向けていくことをおすすめします。

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