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ホワイトボード面接 vs オンラインコーディング面接の違いと対策

エンジニアの技術面接と聞いて、どのような形式を思い浮かべるでしょうか。ホワイトボードの前に立ってマーカーでコードを書く伝統的な形式もあれば、パソコンの画面を共有しながらオンラインエディタでコードを書く形式もあります。近年はリモートワークの普及に伴ってオンライン面接が急増しましたが、だからといってホワイトボード面接が消滅したわけではありません。多くの企業がオンサイト面接の中でホワイトボードコーディングを引き続き実施しています。

実は、この二つの面接形式は同じ「コーディング面接」でありながら、求められるスキルセットや評価のされ方に違いがあります。ホワイトボード面接で培ったスキルがそのままオンライン面接で通用するとは限りませんし、その逆もまた然りです。転職活動では両方の形式に遭遇する可能性があるため、それぞれの特徴を理解した上で対策を立てておくことが重要なのです。

この記事では、ホワイトボード面接とオンラインコーディング面接の違いを徹底的に比較し、それぞれの形式に適した対策法を解説します。どちらの形式で面接が行われても、自信を持って臨めるような準備の指針をお伝えしていきます。

二つの面接形式の基本的な違い

ホワイトボード面接とオンラインコーディング面接は、物理的な環境が根本的に異なります。ホワイトボード面接では候補者は面接官と同じ部屋におり、ホワイトボードの前に立ってマーカーでコードを書きます。一方オンラインコーディング面接では、候補者は自宅やオフィスからビデオ通話で参加し、CoderPadやHackerRankのような共有コーディング環境でコードを書きます。

この物理的な違いは、面接の体験そのものを大きく変えます。ホワイトボード面接ではコードの補完やシンタックスハイライトはなく、すべてを手書きしなければなりません。消しゴムの代わりにイレーサーを使い、書き直しには物理的な手間がかかります。対してオンライン面接では、キーボードで素早くタイプでき、コピー&ペーストも使えますし、多くの環境ではシンタックスハイライトが効いているため、タイポにも気づきやすいのです。

そういえば、面接官との距離感も両者で大きく異なります。ホワイトボード面接では面接官があなたのすぐ後ろに座っているため、字の書き方や立ち振る舞いまで直接観察されています。オンライン面接ではカメラ越しのコミュニケーションとなるため、表情や声のトーンが伝わりにくい反面、物理的なプレッシャーは軽減されます。この距離感の違いが、コミュニケーションのスタイルにも影響を与えるのです。

ホワイトボード面接で評価されるポイント

ホワイトボード面接では、コードの正確さだけでなく、思考プロセスの可視化が特に重視されます。面接官はあなたがホワイトボードに向かって問題を解いていく過程をリアルタイムで観察しており、コードの一行一行がどのような意図で書かれているかを理解したいと考えています。そのため、声に出しながらコードを書く「think aloud」の技術が高く評価されるのです。

ホワイトボード面接特有の評価ポイントとして、空間の使い方があります。限られたホワイトボードのスペースをどのように配分するか、図やデータ構造をどう描いて説明するか、コードのレイアウトは読みやすいかといった点が、暗黙のうちに評価されています。パソコンの画面と違って自動的に整形されることはないため、候補者自身のスペース管理能力が問われるのです。

もう一つ見逃せないのが、コミュニケーションの密度です。同じ部屋にいることで、面接官との対話がよりインタラクティブになります。面接官の表情から理解度を読み取り、説明の粒度を調整したり、面接官が興味を示した部分を掘り下げたりする応用力が求められます。ホワイトボード面接は、技術力とコミュニケーション力の総合評価の場だと言えるでしょう。

オンラインコーディング面接で評価されるポイント

オンラインコーディング面接では、実際に動作するコードを書くことがより強く期待される傾向にあります。ホワイトボード面接では疑似コードや部分的なコードでも許容されるケースがありますが、オンライン環境ではコードを実行してテストできるため、「動くコード」を求められることが多いのです。

コードの品質に対する目も、オンライン面接のほうが厳しくなりやすいと言えます。オンラインエディタ上のコードは文字通りテキストとして残るため、面接後に他の面接官やマネージャーがコードを確認する際に、変数名の命名規則やコードの構造が細かくチェックされる可能性があります。手書きのコードであれば多少の曖昧さは許容されますが、タイプされたコードに対してはよりフォーマルな品質が期待されるのは自然なことです。

ところで、オンライン面接ではタイピング速度がパフォーマンスに直結します。ホワイトボードでは手書きの遅さはある程度仕方のないことですが、オンラインではタイプの速さが時間の使い方に大きく影響します。タイピングが遅いと、思考を言語化しながらコードを書く余裕がなくなり、結果としてコミュニケーション面での評価も下がりかねません。普段からキーボードでのコーディングに慣れていることは、オンライン面接における大前提です。

ホワイトボード面接のメリットとデメリット

ホワイトボード面接の最大のメリットは、対面でのコミュニケーションの豊かさです。声のトーン、表情、身振り手振りなど、非言語的な情報が豊富に交わされるため、お互いの理解度を把握しやすいのです。面接官が軽く眉をひそめた瞬間に「今の説明が伝わっていないかもしれない」と察知して補足説明を加える、といった細やかな対応が可能になります。

また、図やデータ構造を自由に描けるのもホワイトボードの強みです。木構造やグラフを自由な大きさで描き、矢印で処理の流れを示し、色分けで情報を整理するといった表現は、ホワイトボードならではのアドバンテージです。テキストベースのオンラインエディタでは、こうした視覚的な表現は限られてしまいます。

一方でデメリットとしては、手書きのストレスが挙げられます。普段キーボードでしかコードを書かないエンジニアにとって、手書きでシンタックスを正確に書くのは想像以上に難しいものです。括弧の対応やインデントの整合性を手作業で管理しなければならず、些細なミスが生じやすくなります。書き直しの手間が大きいため、事前に頭の中で十分に構成を練ってから書き始める必要があり、この点は特に入念な練習が求められるでしょう。

オンラインコーディング面接のメリットとデメリット

オンラインコーディング面接のメリットとして真っ先に挙がるのは、慣れた環境でコードが書けるという点です。自宅のデスクで、自分のキーボードを使い、普段と同じ姿勢でコーディングに臨めるため、物理的な違和感がほとんどありません。コードの補完こそ使えない環境が多いものの、タイピングの速さとキーボード操作の慣れは大きなアドバンテージです。

コードを実行してテストできる環境が用意されていることも、オンライン面接の大きなメリットです。自分のコードが正しく動作するかをその場で確認できるため、バグの早期発見と修正が可能です。ホワイトボードでは頭の中でトレースするしかありませんが、オンラインではactualな出力を見て確認できるのは心強いものです。

デメリットとしては、ネットワーク環境への依存があります。通信が不安定だとコードの入力にラグが生じたり、音声が途切れて面接官とのコミュニケーションに支障が出たりします。自宅のインターネット回線が面接当日に限って調子が悪い、という不測の事態も起こり得ます。加えて、カメラ越しのコミュニケーションではニュアンスが伝わりにくいため、面接官との対話がやや一方通行になりがちです。ホワイトボード面接に比べて、意識的に多めの説明をしないと思考プロセスが伝わらない点は、オンライン面接ならではの難しさです。

それぞれの形式に共通する評価基準

形式は異なっても、根底にある評価基準には多くの共通点があります。面接官が最も知りたいのは、「この候補者は複雑な問題に対して体系的にアプローチできるか」「思考の過程を他者に伝えられるか」「フィードバックを建設的に取り入れられるか」という点です。これらはホワイトボードでもオンラインでも変わりません。

問題の理解を確認する姿勢も、形式を問わず評価されます。問題を聞いた瞬間にコーディングを始めるのではなく、入力と出力を確認し、制約条件を把握し、エッジケースを洗い出してから取り組む慎重さは、どちらの形式でも高く評価されるのです。これは実務での仕様確認の習慣に直結するからです。

計算量の分析力も共通の評価基準です。自分の書いたコードの時間計算量と空間計算量を正しく見積もり、より効率的なアプローチの存在を認識できているかどうかは、面接形式に関係なく問われます。「この解法はO(n^2)ですが、ハッシュマップを使えばO(n)に改善できます」と自分から言及できれば、どちらの形式でもプラスの評価になるのです。

ホワイトボード面接に特化した対策

ホワイトボード面接に向けた対策で最も重要なのは、実際に手書きでコードを書く練習を積むことです。パソコンで問題を解く練習をどれだけしても、ホワイトボードの前に立った途端にパフォーマンスが落ちる人は多くいます。手書きの感覚はキーボード操作とはまったく異なるスキルであり、意識的な訓練が必要です。

自宅にホワイトボードがなくても、大きなノートやスケッチブックで代用できます。重要なのは、手書きでコードを書く物理的な動作に慣れることと、読みやすいレイアウトの感覚を身につけることです。変数名を省略しすぎず、インデントを十分に取り、行間に余裕を持たせる。こうした習慣は練習の中でしか身につきません。

声に出しながら書く練習も不可欠です。一人で練習するときでも、あたかも面接官がいるかのように自分の思考を口に出しながらコードを書く癖をつけましょう。最初は不自然に感じるかもしれませんが、回を重ねるうちに自然にできるようになります。この「声出し」の練習は、実はオンライン面接にも役立つスキルなので、投資に見合う価値は十分にあるのです。

オンラインコーディング面接に特化した対策

オンライン面接に向けた対策は、まず使用されるプラットフォームに慣れることから始めましょう。CoderPad、HackerRank、LeetCode Playgroundなど、企業によって使われるツールは異なります。可能であれば事前にプラットフォーム名を確認し、実際にそのツール上でコードを書く練習をしておくとよいでしょう。エディタの操作感やショートカットキーに慣れておくだけで、本番での効率が大きく変わります。

ネットワーク環境の整備も重要な対策の一つです。有線接続が可能であればWi-Fiよりも安定した有線LANを使い、ビデオ通話のテストを事前に行っておきましょう。バックアップとして、テザリングに切り替えられるようにスマートフォンの準備をしておくと安心です。面接当日にネットワークトラブルで焦るのは避けたいところです。

オンライン面接ではカメラ映りとマイクの質にも気を配りたいものです。暗い部屋でカメラに映ると顔が見えづらく、コミュニケーションに支障が出ます。画面共有中は候補者の顔が小さく表示されるため、声のトーンや話し方がより重要になります。はっきりとした声で、いつもより少しゆっくりめに話すことを意識すると、オンラインでも思考プロセスが伝わりやすくなるのです。

両方の形式に対応できる万能スキルを鍛える

ホワイトボード面接とオンライン面接のどちらに遭遇するか事前に分からない場合もあります。両方に対応できるスキルを鍛えておくことが、最も安全な戦略です。幸いなことに、両方の形式で求められるコアスキルには大きな重なりがあります。

アルゴリズムとデータ構造の理解は、言うまでもなく両方の形式の土台です。配列、連結リスト、ハッシュマップ、木構造、グラフといった基本的なデータ構造の操作と、ソート、探索、動的計画法、幅優先探索、深さ優先探索といった代表的なアルゴリズムを、どちらの形式でも実装できるレベルまで理解しておくことが大前提です。

問題を分解してアプローチを構築する思考力も共通のスキルです。問題を受け取ったら、まず具体例を考え、パターンを見出し、ブルートフォースから始めて段階的に最適化するという思考の枠組みは、ホワイトボードでもオンラインでも同じです。この枠組みを体に染み込ませておけば、形式が変わっても安定したパフォーマンスを発揮できるようになります。

そして何より、コミュニケーション能力は両方の形式で決定的に重要なスキルです。自分の考えを言葉にして伝え、面接官のフィードバックを取り入れ、分からないことは正直に伝える。この基本姿勢はホワイトボードの前でもカメラの前でも変わりません。日頃からペアプログラミングやコードレビューで他者と技術的な対話をする習慣をつけておくことが、どちらの面接形式にも活きてくるのです。

面接形式を事前に確認する重要性

面接に臨む前に、可能であれば面接の形式を確認しておくことをおすすめします。リクルーターに「面接ではホワイトボードを使いますか、それともオンラインの共有コーディング環境を使いますか」と聞くのは、まったく失礼なことではありません。むしろ、準備に真剣に取り組んでいる姿勢として好意的に受け取られることが多いでしょう。

形式が分かれば、対策の重点を絞ることができます。ホワイトボード面接であれば手書きの練習に時間を割き、オンライン面接であれば指定プラットフォームでの練習に注力するのです。両方の形式が含まれるオンサイト面接もあり得るため、その場合は万遍なく準備しておく必要があるでしょう。

使用するプログラミング言語の確認も忘れずに行いましょう。企業によっては使用言語を指定してくる場合がありますし、自由に選べる場合でも、ホワイトボード面接ではPythonのように記述量が少ない言語が有利だったりします。オンライン面接では普段使い慣れた言語が最も力を発揮しやすいでしょう。言語の選択も含めて、形式に合わせた最適な戦略を立てることが合格への近道なのです。

まとめ

ホワイトボード面接とオンラインコーディング面接は、同じ技術面接でありながら、求められるスキルセットに微妙な違いがあります。ホワイトボード面接では手書きの読みやすさや空間管理、対面でのコミュニケーション力が重要で、オンライン面接では動作するコードの品質やプラットフォームへの習熟、カメラ越しの明瞭なコミュニケーションが問われます。

その一方で、アルゴリズムの理解、問題分解力、思考プロセスの言語化、フィードバックへの柔軟な対応といったコアスキルは両方の形式に共通しています。このコアスキルをしっかり鍛えた上で、面接形式に応じた追加対策を行うのが最も効率的な準備の方法です。

転職活動では両方の形式に遭遇する可能性があるため、事前に面接形式を確認しつつ、どちらの形式にも対応できる柔軟性を持っておくことが理想的です。この記事で紹介した対策を参考に、自信を持って面接に臨んでください。

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